7月1日のブログ・イラストの制作過程を映像化した。小説:小樽の翠では、しばしば海岸が舞台に登場する。ツカモッチャン家の翼君がアルバイトしているコテージが銭函海岸にあるし、背後の丘陵に上がれば草原が広がり、アチキと翠が雪の日に青姦したところだといった具合に地形的構造はあっている。だが現実の風景を見ちゃうと、やはりショボいのである。従ってイラストのような爽快さはない。それをイラストに膨らませるのは、かなりの創造力を必要とさせてくれる。
大体何処を描いても日本に風景はショボい。だからシュミンケの発色の良さにゆだねてランドスケープを膨らましてしまおうというわけだ。そのあたりが絵具の素晴らしさといえそうだ。写真では、こうはゆかないですからね。ショボい景色はショボいなりに写ってしまう。
ショボいライドスケープでも絵具の力で絵にしてしまう面白さがある。だから小樽の風景の断片を一寸お借りして、私の頭の中で大いにいに膨らませ、ショボい風景に被せてしまおう。すくなくともイメージの上では・・・。そこがドローイングの面白さでしょう。
そんなことをしていると小説に飲み込まれて、小樽の街を歩いていて危うく「翠・・・」と町ゆくギャルに声を掛けたくなる気分だ。そこが私的小説を書く立場固有の面白さでしょう。
そんな空気を小樽の街の断片から拾い集めて再構築してゆくと、私の小樽の街が出来あがる。そんな風にイメージを膨らませてくれるのが小樽の街の面白さだろうか。それがこの街の魅力なんだけど、世のなかの人にはわかんねぇーだろうな(*^▽^*)。
つまり作家というのは、現実の世界を舞台にしても小説の中で大いに膨らませて作家好みの空間に仕立て上げてしまうわけ。そうなとる小説の舞台を歩くなんていうミッションはナンセンス。だって作家が描いた現実の名前を持った町は、作家が創造した別のイメージ空間にあるのだから・・・。
ドローイング761 小説:小樽の翠673 幕間 HD 1080p
トップ画像:銭函付近
NikonDf,CarlZeiss Distagon25mm/F2.8