Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編477. スケマティックデザインの世界5. 浦添グスクの創造復元

2021年08月16日 | Design&3DCG

 時間軸には二つの流れしかない。過去と未来とである。これまで未来について語ってきたが、過去についても紹介しておこう。

 最近現存しないが古い建築の再生が盛んである。往事の姿を歴史上の文献に従って復元しようというものだ。奈良平城京羅生門の復元がその例だ。

 こまではゆかなくても、名古屋城のように戦後の間に合わせで作られた城を、元の木造建築物で復元しようとする動きもある。名古屋城は繊細で焼失したが、それを復元しようというものである。同様のことは首里城にもいえる。

 これらの復元は、近年まで建築が存在していたから復元も容易だ。だが数百年前となると、参照できる手がかりが文献と遺構や発掘される出土品ぐらいがてかがりとなり、それだけでは建築上どんな姿だったかはかわらない。そこで創造復元という手法が用いられる。おそらく空間上こうであったのではないか、とする創造だ。

 そこで私は、14世紀頃の沖縄県に存在していた巨大グスクの建築郡の創造復元を3DCGで試みている。既に城壁が復元されているが上物建築群がない。

 そうしために文献や遺構があるが、特に出土品をみると圧倒的に中国産やヴェトナム産の陶器の破片が出土する。琉球王朝成立以前の按司達の海外との交易の足跡である。そんな交易の歴史から、おそらく建築手法的には、こうだっただろう、空間構成原理からすれば建て方はこれしかない、そうした視点から建築群の創造復元を論文で発表している。

 当時から出土品同様に変わらないものがある。それが空間である。空間量も当時のままなのである。考古学の欠点は空間や空間量で物事を考察しないところである。そうなると建築学という視点から歴史をひもとくとする必要性もあるだろう。

 歴史をひもとく、それが文献や出土品ばかりに依存する文科系手法では、学問自体が考古学になってしまう。やはり物理量が昔から変わらない空間から、現在の探査技術やGPSなどを活用して往事の生活を描く方法もある。

 

画像:想像復元した浦添グスク

出典:三上訓顯:建築史上の2つの経験,芸術工学への誘いvol21.名古屋市立大学大学院芸術工学研究科紀要,2016,p3-18.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

番外編476. スケマティックデザインの世界4. ヴァーチャルアイランド

2021年08月15日 | Design&3DCG

 

 この提案は個人的に好きな作品である。

 ある機会に島を一つシミュレーションの対象にしたらどうだろうかと思いついた。そこで昔の城郭あとに小さなビレッジをつくるという想定で製作した。

 おおよそのゾーニングや景観上の軸線を最初に設定し、小さな個々の建築は成り行きでつくりながら、リゾート環境をつくっていった。その結果、全体をみると素晴らしく島全体の景観がまとまとまっているし、軸線が大階段を経て教会の屋根に届いたり、横町の先とか路地階段の先に海が見えるといった具合に、風景を発見できる面白さがある。それは計画的ではなく、その場その場で全体の骨格に合わせてつくっていった偶然の産物だろう。そんな偶然の発見が実在の街を歩いているようでが面白い。

 建築は、敷地の形状(ここでは城壁)によって建築の形態や空間が決まっててくる。敷地の形状が意味的であれば、その上に起てられる建築空間も相当に意味的な配置になってゆく。だから敷地の形状が建築空間を決めてゆくといってもよい。もちろんこんなことを建築家は口が裂けても言わないし、認めないだろう。でも事実なのである。

 といってこんなプロジェクトが世の中にあるわけではないから、ここではヴァーチャルアイランドだけど。こんなことをコンピュータ企業系の人間に相談すると、じゃあケームの舞台に使おうと心外な事をいいだすので、彼らには教えなかった。

 といって日本にそんな城壁はなく、せいぜいあったとしても地中海ぐらいだろう。

 大学院でデザイン専攻院生に、この城郭だけを与えリゾートをつれと、と課題をだしたら結果としてできなかったという経験がある。従来からの建築空間をつくるという計画論的手法では通じなかった。そこが面白い。そう、これは建築ではなく環境をつくるという大きな考え方が必要なのだろう。例えば自分でこの環境の何処までを利用し、そして切り捨てるか、そういった大なたを振るうところから始め、自分の内に制作のルールをつくらないと完成できない計画方法なのである。

 もう一つ、これは画像からはまったく読み取れないが、層状の環境なのだ。城壁の地下内部には、コンベンションホールや劇場やカジノやコージェネ施設が設えられ、その上部は異質のリゾートという性格の異なる環境を積み重ねている。こうした層状に異なった空間をつくる考え方は、オランダの建築家集団MVRDVの提案にあった。

 提案はヴァーチャルだけど実現可能な内容を持っている。これが現実的提案であることを理解するためには、創造力が必要だけど。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

番外編475. スケマティックデザインの世界3.テラスバレースタイルの建築

2021年08月14日 | Design&3DCG

 テラスバレー型の集合住宅は、傾斜地の崖に沿って配置するならば適切な建築形態だ。それを更地に設けるとバックヤードの空間をどうするかが問われる。もちろんバックヤードを設けず建築をオーバーハングさせ知らん顔をする方法もある。しかし構造的には無理筋だろう。

 そこで都市部に設えたらバックヤードの問題も解決できるかもしれない。そこで京都市内の1街区をテラススタイルの建築にしてみた。バックヤードは敷地四方が周囲の道路に面しているから商業施設にすることができる。

 京都の街区は、外側が高容積であり、中側が低容積のところが多い。当然内側は、古い民家が建ち並んでいる。これを囲い込むように建築を設けた。新旧の景観の対比も面白いかもしれない。建築の端部を西北方向と南側に空間的に抜いておけば、風も入るだろう。あながち不可能な話ではなさそうだ。今のようにビルが外側に乱立しているよりは快適な環境が提供できそうだ。

 そんな考え方で建築CGをつくってみた。まあなんとかいけるんじゃないかということはわかったが、もう少し住戸の密度を高くしないと事業面では厳しいだろうなと思われた。

 快適な環境をつくることと、事業採算性とは、いつも矛盾する。

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

番外編474. スケマティックデザインの世界2.テラスバレースタイルの建築の検証

2021年08月13日 | Design&3DCG

 2016年頃、さる筋から私にスケマティックデザインのスケッチを依頼された。福島県浪江町と南相馬市にまたがる海岸段丘上に、当時の先端技術を集積させた研究技術開発都市をつくりたい、というものであった。それは帰還困難区域から僅かに外れていた。

 提案メモをみると日本の先端技術開発のカタログのようであり、むしろ私は、F1の廃炉計画に貢献できる元素分解の研究技術開発のセンターでもつくればよいのにと考えていた。

 依頼を尊重し、住宅地区のイメージスケッチを一晩で描いてさしあげた。はて、絵の通りに空間的に実現できるのだろうか?。そんな疑問がありスケッチに基づいて住宅街を3DCGで検証した。

 テラスバレースタイルの建築だから、アクセスは前面のテラス側からアプローチする。各住戸のテラスである庭を通り抜け、玄関をはいると大きなリビングルームがある。戸建て感覚のゾーニングだ。そしてキッチンやユーティリティを経てそれぞれの個室にたどり着く。空間としてみれでpublic zoonからprivate zoonへゆるやかに変化してゆくから暮らしに素直に対応できる空間構成だ。

 それは現代のマンションの多くが北廊下、北玄関であり寝室などのprivateな居室の間をすり抜け、ユーティリティを経てリビングルームに到達するという難儀なゾーニングに比べれば、こちらのほうがはるかにシームレスだ。

 問題は住戸を上層階にゆくほどセットバックさせてゆくと、どうしても低層階後側の空間が余ってしまう。ここを住宅にすると奥行き48mの巨大ウナギの寝床となり大変使いにくい。最もル・コルビジェの集合住宅ではあるが。ここがセットバックスタイルの知恵のだしどころになる。

 駐車場をもうけてもスペースは余る。そうなると背後に図書館やコミュニティなどの公共施設をかませれば成立できるだろうということがわかった。だが住戸の規模の方が圧倒的に多く、それでも余るほどバックヤードに課題を残したデザインである。

 こうした住棟を並べ、中央には海に向かって開いてゆく空間と水辺のあるモールをつくり商業界隈をいれたいとする考え方も要求にあった。モールの両側は、住戸に暮らす人々のための商店が軒をつらね良好な佇まいを形成できそうだ。これは容易に実現できそうだが、はたして都市でもない福島の河岸段丘上に大規模商業集積が必要なのかとする疑問も立ち上がってくる。

 そうした検証をしてゆくと、この土地でこうした提案が実現できる必然性がみえてこない。つまりかなりの確信をもって成立不可能ということがわかった。

 実際、この土地は震災慰霊碑が建つことで、落ち着いたようだった。提案の世界はトライ・アンド・エラーなのである。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

番外編473. スケマティックデザインの世界1.

2021年08月12日 | Design&3DCG

 

 今月のシリーズは3DCGデザインにいよう。

 少し本業の地区計画(District Planning)の話から続けよう。

 そんな仕事の中でスケマティックデザインという方法がある。もちろんそれはまちづくりの構想をするときに添えられる空間のイメージだから、実現する空間を描く忠実さは必要ない。コンセプトがあればよく、つまりポンチ絵でも構わない。

 ところが、私が描くスケマティックデザインは、ポンチ絵どころかそのまま設計をすれば実現できる内容を含んでおり、実現可能なポンチ絵である。そうなるとポンチ絵などという言葉は不適切なので、スケマティックデザインという言葉を用いている。

 スケマティックデザインは概要設計と翻訳できるが、そのまま実施設計に持ち込んで実現できる法的、技術的可能性をもった提案である。秘めているのだから凡人建築家とか並のディレクターでは、そこが読み取れない。「ああっ、植栽をいれた建築ですね、そんなポンチ絵は何処にでもあるさ」。凡人建築家達はそうした理解の仕方をする。私はそうやって相手の技量を測定している。もちろん私の仕事から凡人建築家達を排除するためである。やはりプロジェクトは、優秀な人としたいし、優秀な人を発掘したいですね。

 私は一級建築士だから、法規や構造や設備をどうすればよいかがわかっているから、そんなのを織り込んでスケマティックデザインをつくるのは簡単なんだ。

 そんななかで、私と中国を結びつけた優れたディレクターがいた。そんなわけで中国の人口5万人の都市計画をすることになった。都市計画をする機会は、日本では皆無だ。じゃあ今後中国にドンドン都市をつくってゆこうか。

 そんな私と中国を結びつけたディレクターが過労でなくなった。それで中国との縁も切れてしまった。

 アップさせた画像は、そんな折にデザインしたテラスバレースタイルの環境共生型中層住宅に生活関連の店舗を併設した建築のスケマティックデザインだ。3DCGは、その骨格のスケルトンモデルだ。これは、依頼された都市計画の仕事の領域をはみ出しているのだが、その時は勢いがあった。

 1棟の建築で中庭を介して240戸の住戸がはいる。屋上や住戸の階層の間には空中庭園を導入し質の高い緑地環境を形成する提案だ。

 こうした1棟の住戸が12棟つらなり2880戸(8640人)の街区ができる。街区イメージをCGにしたが、敷地の一部はデータが重すぎて当時のMacではレンダリングできなかったところがあった。そうした街区が数ブロックあるというわけだ。

 大陸的なスケール感であり、これぐらいのテンポで考えないと中国の街は完成しない。もちろんこれだけでは納まらないので、他にも低層や高層の住戸の提案も加えて人口5万人の都市になる。

 もちろんこのまま建築設計ができる提案としている。さて都市計画は実現され、実際は中国の何処にでも見かける高層住宅の乱立になっているだろう。だから、ここでのサスティナブルな環境型建築は実現しなかった。環境という認識が現在ほど深刻視されなかった時代の提案であった。

 そんなふうに提案どおり建築実現できる内容を持っているけど、実現には至らない。それでも、都市計画の提案の義務は果たせたから、私の関心は、次に向かった。

 

2000年、中国江蘇省天目湖新鎮都市計画事業より。 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドローイング491. 小説:小樽の翆419. 幕間23. ペルソナ法とライフスタイル

2021年08月11日 | Sensual novel

 

 「小説:小樽の翠」も400回以上続いている。全てがクリエイションだから、コロナ禍の外出自粛の時代では、家に籠もり粛々と絵筆を走らせたり書いたりするのには、好都合のテーマだ。

 さて、前にも書いたが「小説:小樽の翠」はペルソナ法という製品開発の手法で書き始めた。ペルソナ法は、キャラクターを設定した架空の人物像であるペルソナのライフスタイルをつくりながら、その製品がどのようなライフスタイルのなかで使われるかとするシミュレーションである。

 だから、ここでの小説のモチーフは何かといえば人間のライフスタイルである。

 それも今の社会の大方が常識としているライフスタイル、つまり二十歳や二十二歳ぐらいで専門学校や大学を出て社会で働き出して次第にキャリアもついてきた頃には三十路だ、それで婚活をして、恋愛もどきで晩婚、仕事か家庭かで悩みながら高齢出産で第一子をもうけて、仕事も続けたいから子供は一人でいいやとなって、一人っ子家庭が誕生するといった、大方の人間がとりうる晩婚・核家族世帯だ。

 小説では、全く逆のライフスタイルを書いている。結婚→出産というプロセスを排除し、オキシトシンが分泌して自然にセックス→子供誕生といった生物概念を柱とし、養育は元気な親たちが手伝うとか里親に出して、そうなると子供から手が離れる時期は早まり、出産してから社会に出てゆくという超早婚ライフスタイルになる。だからこの小説では、十代で妊娠出産するのは正解だというスタンスだ。そのために家族の協力が必要だから家族世帯になる。

 そうなると恋愛という概念も怪しくなり、映画や小説家のつくりあげた作文だということが見えてくる。つまりオキシトシンが分泌して一発やりたいという気分を恋愛という言葉にすり替えるといった現代人の欺瞞性がある。ここでは出会い→セックス、そうやって男と女が長い時間を重ねてゆくと恋愛にたどり着くとする構造である。本来人間ってそうではないですか!、という問いかけだ。

 それに子供は独自の世界観を持って成長してゆくし、それに大人達が巻き込まれて幼児化していては、モラトリアム人間の予備軍が形成される世界といわざるを得ない。そう考えると0歳児から子供を預けられたり、寄宿舎付きの小学校があってよいはずである。子供は幼少期から自立し、早く大人になる方が正解だというのも、この小説の目指すところである。

 もう一つあり、超早期教育。高校生になる頃には、デッサンができて軽く美大の実力をもつほどに育っている。今でもスポーツの世界では、13歳で金メダルをとるとする東京オリンピックの例もあり、これを芸術分野に応用している。だから高等教育は時間の無駄というのが、この小説のスタンスである。

 一般に官能小説では快楽の追求にあっては、妊娠出産は忌避すべき概念だから扱うことはない。だが、ここでは大いに扱い、それを自明のこととしている。だからブログで官能小説というカテゴリーを設定していることに少し窮屈さを感じている。

 そうしたいくつかの現代社会で自明のこととされている事柄とは、正反対のライフスタイルを小説形式でシミュレーションしてゆくと、こんなライフスタイも十分ありえることがわかる。

 通例男と女の世界は、社会概念のなかで語られている。そうした社会概念の上位に生物概念がある。ここには男と女の2カテゴリーがあり、それらを関係づけているのはセックスであり、子供を出産し、とする種の保存である。この小説は、そうした生物概念に軸足をおいて描き、書いている。

 コロナ禍で外で宴会するな、人と会うな、という時代だ。人と会わなければ暮らせない寂しがり屋の現代人にとって拷問のような日々を余儀なくされる。小説という表現形式は、そんな人と会えなくても登場人物達と会話している。だから、リスクをおかしてまで外で宴会をしたいとは思わない、というのが小説効果だろう。外出自粛のときに官能小説というのは、馬鹿馬鹿しくも面白く、よいストレス解消になっていると思われる。

 さてMac miniを最新型に置き換え、ようやく隣のMac pro並に動くようになった。その前面にはシュミンケ・ホラダムの絵具が散らばっている。家籠りの環境としては、まずまずですね。

 さて明日からは3DCGの特集とし、小説:小樽の翠は8月27日から再開します。

(7月下旬、外は夏日)

 

SONYα6000,Vario-Tesser E 4/16-70mm ZA OSS

ISO500,焦点距離28mm,露出補正-0.3,f/8,1/60

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドローイング490. 小説:小樽の翆418. 類の出産

2021年08月10日 | field work

 

 直人君の話でたっぷり充実の時間を過ごしていたら・・・

美希姉ちゃん「あら、類さんからメールが来ている・・・、えっ!、生まれたんだって!!。男の子よ!!!」

「はあーっ、類さんって未婚の母の・・・、噂をすれば赤ちゃんが生まれているってわけだ」

美希姉ちゃん「これから、みんなでお見舞いにゆこうよ!!!。ハッピーバースデーかぁーー

「なんか違うような合っているような・・・」

美希姉ちゃん「花束!、あとなんかいるかなぁー!、アチキー特大の大きな花束を買ってね。イーオンだから花屋があったよ、赤いやつがいい!!

「アイアイサー、と倍バーガーの次は特大の花束で・す・か・・・」

美希姉ちゃん「シャッターチャンスよ!!!、生まれたら撮ってあげるって約束したんだ。直人!、機材持ってぇー」

そんなわけで3人で小樽公園の裏の産婦人科医院へ出かける事に。

・・・

「ここでアチキが、子供の父親とお友達だと言うのはまずいよねぇー」

美希姉ちゃん「あったりめえだろうー、ちゃんとおとなしくしてんのよ!」

いたいた類さんが・・・。

美希「一人でよく産んだねぇー。今日は、お友達を沢山連れてきた」

類「うん高校の同級生のお友達が世話してくれたんだ。まあっ、突然賑やかになった事、おおっきなお花ねぇー」

美希姉ちゃん「記念写真撮ろうよ!」

そういって類さんと新生児室へ出かけた。

それでみんなで記念写真を撮って、父親のいない新しいファミリーの誕生を祝うことにした。

美希姉ちゃん「アチキ・・、類さんの側に立ってさぁー」

はぁっ!  どうみたってアチキが類の子供の父親に見えてしまう訳ありの記念写真なんだけどぉー。

美希姉ちゃん「うんおっけー、じゃセルフタイマーかけて全員でチーズ」

そんな訳あり写真に、チーズもハムもないょー・・・。

美希姉ちゃん「できたらアチキにも送ろうか??」

「いえ、いいですぅーー」

もちろん類の高校の同級生というのはレズビアン友達、そしてツカモッチャンファミリーの一太郎君の奥さんの優子さんの事なんだけど、今は誰も知るよしがない。

・・・

昼の暑さも和らいだ小樽の真夏の薄暮である。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドローイング489. 小説:小樽の翆417. 逆バージョン

2021年08月09日 | Sensual novel

 

直人「当然偏差値の低い高校だから逆バージョンもあるんだ」

「生徒が先生を口説く、セクハラと変わらないじゃん」

直人「先輩から聞いた話なんだけど・・・。英語の島村先生っていう女の先生がいるのよ。当時は30代で小顔でキュートな感じのする小柄な先生ね。でっ、ある先輩達が、『おまえ島村先生に男の良さを味合わせてやれよ』なんて冗談をいってたわけ。でっ、そこで源ちゃんという積丹の網元の息子がいてね・・・」

「今度は網元の息子と英語の先生の話か・・。全然相性が合う余地がないじゃん」

直人「だよね、でも源ちゃんは網元の息子だから遊び慣れているし、冗談半分で島村先生を口説いたの。そしたら島村先生は本気で乗ってきて、当然男と女の仲になるよね。だって歳が10以上離れているんだよ」

「ほう超年上の女ってわけだ」

直人「島村先生の方が熱心で、親に紹介したら『古い畑を引っかけたのかだって。古くても赤ん坊が育てばいいか』なんて話で10歳年上のオカンをもらっちゃったんだ。公務員だというのが効いたんだよね。積丹じゃ漁がとれないときもあるからさっ」

「そんで仲いいんだ?」

直人「うん、それで子供を高齢出産で2人続けて生んで、いまは漁師の旦那と英語の先生の夫婦だって。全然関係ない世界だよね。だって漁師なんか英語いらなんもん」

「精々拿捕されたときのためにロシア語かぁー」

直人「国境が遠いから、そこまで積丹の漁師はゆかないさ。今もウチの高校で教えている島村先生のラブラブ話ね。学校では有名な話だよ」

たっぷりのご馳走だったな。

・・・

3人でナンタルの坂道を上がって帰るはずだった。

 

追記

 東京オリンピック2020が終わっちまった。何しろ競技種目が多いので、いつも全部見ようとして多くは見そびれている。それでも、WEB上で動画のダイジェスト版を見られたのは幸いだった。オリンピックは、国家の実力を示す場でもある。

 そんなかで、会場演出やユニフォームのデザインは誰がディレクションしデザインしたんだろうか?。

 もちろんこうしたデザインは、かってのロサンゼルス・オリンピックでジョン・ジャーディが本格的におこなったのが最初だった。まぎれもなくジャーディー配下のD.サスマンのカラーリングだった。

 そんなわけで東京オリンピックもデザインクオリティは高かった。もちろん会場もユニフォーム、それ以外でも・・・。

 そんな過去の蓄積を巧みに繁栄した東京オリンピックだった。どこかしらスケールの小さな閉会式だったが、こんな時に実施できたのは幸いだった。

 さて、3年後のパリ大会は、競技場を出て都市のなかで開催するというコンセプトが面白そうだ。グランパレも競技場の一つだ。古いパリの建築が生き返る時間だろう。一寸出かけてみたい気分・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドローイング488. 小説:小樽の翆416. もぎとっちゃえば・・・

2021年08月08日 | Sensual novel

 

その話の続きってなぁーに?

直人「いっていいかなぁー」

美希「もち!」

直人「高校の生物の先生で、もう結婚して奥さんがいて10年ぐらいかな。まだ子供がいない雄大先生がいるのよ。」

「フゥーーん」

直人「気のない返事だね。興味ない?」

「いちおうあるさぁー」

直人「その生物の先生がセクハラしたんだ。真紀と言う高校生に。まあ人並みに綺麗な生徒なんだ。生物の授業だといってスキンシップしちゃったんだね。それだけじゃ納まらなくて、ついにラブホでデートよね。でっ先生や生徒達に知られるようになって、ああっ、我が高校の教員のセクハラ防止法の適用第二号だね」

「セクハラ高校なんだぁー」

直人「お恥ずかしながら、そうなんだ。それで生物の先生と真紀の仲が学校中の噂になるじゃん。それは風采の上がらない奥さんに知られるところまで発展していってさ。ついに奥さんが校長先生の所に乗り込んできて直談判ね」

「うん、そうなるよねぇー」

直人「それで奥さんが凄い剣幕だから、校長先生が生徒を呼んで話を確認してみよう・・って事になってさ。それで真紀が校長室に呼ばれたの。それで、雄大先生と奥さんと真紀に校長先生が加わり、四者会談というよりは大喧嘩。だって校長先生は、生物の先生のセクハラを責めるし、奥さんは真紀に誘惑されるなら離婚だと騒ぐし、そんなら上さんと別れてやると雄大先生は言い出すし、なんか夫婦喧嘩に発展して大変だったらしいの」

「三角関係のもつれね(^0^)」

直人「それで、あとでわかったんだけど、雄大先生は奥さんと離婚して真紀と一緒になっんだって。真紀は、奥さんよりはウチの方が美ボディで魅力もあるし、安定職の公務員ゲットなら今がチャンスよ、と考えていたみたい。クラスのみんなから『もぎ取っちゃえば・・』って応援されていたわけ」

「未婚の女子高生にセクハラをしたら、お嫁さんにしてあげるというサインなんだぁー」

直人「だよね。だからその後先生もやたらにセクハラしなくなったんだよ。セクハラする毎に私をお嫁にしてくれる!、っていわれるんだもん。それで雄大先生と生徒の夫婦が誕生したわけ。二人で手を繋いで学校に来るから幸せなんじゃないかなぁー。いま真紀は身ごもっているもんね!」

「ああっ、高校生のうちに出産しちゃうんだ。賢いーー!!」

 

追記 

 コロナ禍で何故入院制限、自宅療養という振り分けがおこなわるか。

 少しネットサーフィンをするとJB pressで解説されていた。つまり大阪府第4波感染の時、経営の悪化している病院は、コロナ治療で支払われる補助金が経営財源となっている。こうした既得権があるため手間のかからない軽症患者を容易に退院させなかったと解説していた。そこで大阪府は「転退院サポートセンター」を設置し、速やかに退院させる方針転換にしたそうだ。

 火事場の泥棒というわけではないが、この時期に病院の赤字経営を改善しようと病院の事務屋が方向違いの能力を発揮したのだろう。まさに地球最後の場面でもソロバンならぬパソコンにしがみつく文科系人種が存在していた。そのため、大阪府はドミノ倒しのように軽傷中等症患者が自宅待機であふれ、自宅でなくなる人間が19人発生した。

 それにしても感染した人間と、感染から回復した人間を同じとする扱い方は、よくわからない話だ。科学的に見れば異種だけど。そんななかメディアは、「あんなデータもある」、「こんなデータもある」と、論拠や評価なしに羅列するのでは、混乱した情報に振り回されているのが現実だ。やはり情報も評価、そして定量化できる論拠を示しながら報道して欲しいですね。

 今、京都市の集団接種はワクチン不足のため接種予約をしても日時が指定されない事態がおきている。つまり日本全体でワクチン量が不足しているのだろう。今ワクチンは世界各国がしのぎを削って確保しているので、当然水面下で獲得競争がおこなわれていると推測している。日本も注文したが、手を上げるのが遅すぎて必要量が届かないというお粗末な結果だ。東日本大震災でのF1事故でもそうだが、日本人は前例がない非常事態の対応が信じがたいぐらいに遅く、そして必ずといってよいほど失敗を重ねてきている。今回も同様の事態に陥っている。それが日本人の体質なのだろう。

 そんななかヨーロッパでは、3回目のワクチン接種が始められようとしている。

依拠:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66372

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドローイング487. 小説:小樽の翆415. クラス担任の銀チャン

2021年08月07日 | Sensual novel

 

 美希姉ちゃんに倍ビッグマックをおごらされて・・・

美希「若いからお腹空くのよねぇー」

そういって直人君と3人で倍ビッグマックを食べながら・・・

美希「私の高校って小樽じゃ一番偏差値が低いのよ。だからいろんな事が起きるの。先生のセクハラなんか日常茶飯事。そうだ直人のクラスの話題が笑えるんだ」

直人「ああっ、それですか・・・。うちのクラスの担任に銀チャンというスケベな数学の先生がいるのよ。でっ、女の子の間からは、セクハラが凄いから校長先生の所に相談にいったぐらいだもん」

「でっ、それって学校中がみんなが知ってるわけよねぇ」

直人「そうなんだ。それでクラス一番の美人のフカキョンに入れ込んじゃったの。しかもラブホにいったところをクラスメートにみつかって、後で大騒ぎだったの。それが学校中の話題になって、ついに校長先生が、あれこれと調べだしたわけ。すぐに調べはつくじゃん」

「もうバレバレの仲だもんねぇー」

直人「それで校長先生が、法律に基づき教員免許取り消し処分を明日執行しようということになって・・・。『教員による児童や生徒へのわいせつ行為をなくすための法律』ってできたじゃん。我が校での適用第一号だってわけ」

「フゥーーん、名誉ある1号・・・」

直人「そこで銀チャンは、まいったなぁー、みんなやってることなのにさぁー・・なんてぼやいているのよ。明日で、この高校ともおさらばか。フカキョンとの遊びは楽しかったからなぁー・・なんて妄想しているわけ」

「つまんない法律ができたね。法律にする必要もなかったと思うけど・・・」

直人「そしたらフカキョンが銀チャンと入籍しちゃえばいいんだ。そうすりゃ夫婦だからセクハラなんか関係ないじゃんだって・・・」

でっ、フカキョンが銀チャン先生を帰る時に捕まえて、

フカキョン『銀チャーーん、あたし達入籍しちゃおう!。役所は24時間やってるしさ・・・』

それでフカキョンと銀チャンは役所に行って入籍して夫婦になったわけ。

翌日銀チャンは校長先生に呼ばれて、フカキョンとのセックスの一抹の話をされて・・・、つまり校長先生が書いた作文がものすごくリアルで、あたかも眼前でフカキョンとセックスしているみたいに興奮させてくれて、ほんと学校の先生とか役人ってエロな作文をするのが得意だねぇー・・・。

さて処分!。

銀チャン『はい!、これがフカキョンとの入籍届けです、昨日夫婦になりましたぁー!!』

それで校長先生がキョトンとしていたの、処分は無効だよね・・・・」

美希「それが学校中の話題に広がって、フカキョンにオメデトウのメールが沢山きたんだって。だからフカキョンが銀チャンの性になって校長先生が出席簿の名前を変えていたわけ。親は、もちろん知らないよ。あとで気がつくんだろうね(^0^)」

「さきにやっちゃったもの勝ちだよね」

美希「だから今は、先生がセクハラしてくると、先生アタシをお嫁にしてくれるのぉーっ!、ていうと年配の先生なんか奥さんにしかられるからススッと手を引くけど、奥さんからもぎとったろという積極的な子もいるわけ。だって若い方が勝ちじゃん。それから先生のセクハラがなくなったかな」

「高校って、旦那や嫁さんを探すのに一番いい場所なんだよ。世代が同じで話題が共通しているし、一人前の男と女になっているから将来のパートナーは高校で探しゃいいのか・・・」

美希「でね、それ以後みんな仲良しなんだ。でね高校を卒業したら結婚するーーっというカップルが増えたよーー。銀チャンもフカキョンと一緒に暮らしていて、一緒に学校に来るときが一番楽しいっていってた」

「そりゃ、男としてやったぜ!、って感じだもん幸せさ」

直人「この話、まだ続きがあるんだ・・・」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドローイング486. 小説:小樽の翆414. マタニティーフォトグラファー多忙!、追記

2021年08月06日 | Sensual novel

 

アチキは、スケッチの帰りにいつものナンタルのファーストフードへ。

この時間は、美希姉ちゃんがたむろしているはずだ。

冷やかしがてらにお茶だろう。

・・・

美希姉ちゃん「アチキー、目下マタニティフォトで忙しいよーーーー」

「そりゃ結構な事ではないですか・・・」

美希姉ちゃん「それがさあ、最近妊婦が増えたんじゃないかなぁー」

「はあ!?、人口も変わらないのに突然妊婦が増えた!?。ああっ!、コロナ禍で家隠りをしていたから、時間をもてあましてみんなセックスに励んだんだ。まあよい時間の過ごし方ではないですかぁー。きっと日本の出生率も今年は上がると思うよ

美希姉ちゃん「そうなんだけど・・・、だって主婦もいれば、未婚の妊婦だっているのよ」

「未婚の妊婦?」

美希姉ちゃん「だって未婚だけどもうじき生まれるのよ。それで記念に撮ってくださいという依頼があってさ・・・」

「そんなややこしいのが、当然いるかぁー、まあ翆もそうだったし、珍しいことでもないか・・・・」

美希姉ちゃん「複雑そうだから、あまり話をするわけにはゆかないじゃん。でも撮影の時はコミュニケーションで相手をリラックスさせることが必要じゃん。それで感じのいい人だったから『赤ちゃんが生まれたらどうするんですか?』って聞いたの。そしたら『最初は私が育てるけど、少し大きくなったら寄宿舎に入れたいねだって。仕事しなきゃならないからというわけよ」

「そりゃ、まともな考え方ですねぇーー」

美希姉ちゃん「まともかぁーーー・・・、その人、類さんていうんだけどね!」

類!、未婚でといったら、ベーヤンの子供を身ごもった類さんしかいないじゃん。

「ウックググーー!!!!」

美希姉ちゃん「あっ、なんか知ってんだ、教えろよ!!!」

そういってアチキの股間を足先で蹴っ飛ばす。

「ウウッ、狼藉者メー・・・」

「アチキの友達にベーヤンという札幌で広告代理店を経営している人間がいてさ・・。それで社員に手を出したんだよ。それが類さんだよ。そしたら即妊娠してさ。それでベーヤンが養育費を支払ったら会社をやめて雲隠れしちゃったんだよ。小樽にいたのか・・・。たしかもうじき生まれる頃だよ。これってここだけの話だぜ。秘密・秘密・超秘密・・・・・!!!」

美希姉ちゃん「あっ、種はアチキのお友達なんだぁーーー。秘密にしといてあげる。その代わりお茶につきあうんだよーーー、お茶、ついでにハンバーガーもおごってねぇーーー!」

直人君が立ち上がってカウンターにいって注文をしている。

直人「ハイ!、倍ビッグマックのおごりですぅー、3人分で1500円!」

美希姉ちゃん「秘密料にしては安いだろ!」

「うん、まぁーーー・・・・トホホ」

 

追記

 京都は、猛暑日が始まった。そんななかクロッキー教室へ早めに出かけ、この街を徘徊している。

1週間に一度の外出といってもよい。

どこを見ても夏の空が美しいのに感激している。

教室にゆくと隣の部屋で学生達が石膏デッサンに励んでいる。

そういうば、私も大学受験の時に石膏デッサンを随分と描いていたことを思いだした。

それは懐かしいというよりも、通り過ぎて安堵している、若くなきゃやりたくない通過儀礼だ。

 

京都市

SONYα6600、E18-135mm/F3.5-5.6

1)ISO100, 焦点距離35mm,露出補正+0.2,f/25,1/30

2)ISO100,焦点距離60mm,露出補正-0.8,f/5.6,1/500

3)ISO100,焦点距離18mm,露出補正-0.3,f/8,1/320

4)ISO400,焦点距離60mm,露出補正-0.8,f/9,1/100

5)ISO100,焦点距離88mm,露出補正-0.8,f/36,1/30

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

番外編472. 新型コロナウィルス18. 社会的免疫獲得の時期について 

2021年08月05日 | analysis

 

 最近変異株の感染が顕著だ。社会的免疫の獲得が先か、ウィルスの変異が先か、の様相をおびてきた。新しいデータを用い現時点におけるCOVID-19の社会的免疫の獲得時期について、都市計画の専門家の立場から予測してみよう。

 

1.ワクチン接種回数の日米比較

 日米のワクチン接種回数累積値をみたのが図1である。グラフの傾斜をみると米国と比較し日本の傾斜が緩い。米国の1日あたりの接種回数がおおよそ300万回、日本は80〜100万回で推移している。日本は米国の1/3の遅い速度だが、それは人口比があるからだという理由だけではないでしょう。米国、イスラエル、英国は既に大方の接種を終えているので、万事遅すぎる日本の対応の現れとみられる。政府の対応が遅いということは、それだけ感染者と犠牲者を増やすだけであるばかりか、医療への負荷を増加させる悪循環に陥ることになる。

図1. ワクチン接種回数累積値の日米比較

出典:Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

2.日本の感染状況とワクチン接種回数の関係性について

 図2は、1日の感染者数とワクチン接種回数累積値の推移をみた2軸グラフである。感染者数の急増とワクチン接種回数累積値とが、いずれも増加傾向だから正の相関になる。これが7月の新しい傾向である。つまり変異株による感染者数の急増がある。

 そこで1日の感染者数とワクチン接種回数累積値の推移を、半月ごとの相関係数でみたのが図3である。7月の顕著な特徴は、+側の相関である。ワクチン接種が感染者数の増加を抑えてきた6月とは大きく異なっており、ワクチン接種が感染の拡大に追いつかないことを図は示している。

図2. 1日単位の感染者数とワクチン接種回数の推移

出典:厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について、20201月〜6月4日、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00254.html

 Oxford Univ.Our World in Data、https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 

図3. 月単位の感染者数とワクチン接種回数の相関係数

 

3.日本における社会的免疫獲得の時期はいつか?

 7月31日時点の日本のワクチン接種回数は、8,776万回である。2回接種に換算すれば4,388万人となる。国民人口の1/3程度である。ただしこのデータは、1回接種者数も含まれるので、メディアが発表している2回接種者値は27.64%と聞いている。大変遅いスピードだといわざるを得ない。

 今日時点で65歳以下の接種が始まっているが、予約をいれてもナシのつぶてというのが大方の日本人の姿だろう。変異ウィルスの出現は、手洗い、マスク、うがい、外出自粛につとめていても感染拡大傾向が続いている。従ってもう一つ施策が必要なのだろう。

 さて現在の接種速度で進めば、2021年9月25日前後には、国民の60%が1回または2回接種を完了できる事が図4からわかるが、本当にそうかと問えば、疑わしいといわざるを得ない。図1で示した米国のグラフのように高止まり傾向が、日本にも当てはまることを考慮すれば、回帰直線の数値の方が近いだろう。これをもとに考えてみよう。

 回帰直線で示した値でみると、日本国民が1回または2回接種を完了する時期、つまり60%の社会的免疫獲得が2022年1月27日、70%獲得が2022年3月17日、80%が2022年5月7日、90%が2022年6月17日の前後だということがわかる。

 ふくみを持たせて捉えれば、60%の社会的免疫獲得時は図4から判断し、2021年9月25日〜22年1月27日の間ぐらいだろうとみられる。

 米国は、ワクチン接種の開始時期や接種速度が速かったために、変異ウィルスの感染拡大時期をかろうじて避けた格好になる。これにたいして日本は全てが遅い政府の施策あるいは遅策のために、変異ウィルス拡大にもろに遭遇することになる。感染症対策は、早い者勝ちである。

図4.現時点での感染収束時期の予測結果

 

 

4.まとめ

 感染拡大傾向の現在、取り得る施策は、ワクチン接種の速度をあげることにつきる。すくなくとも従前の倍ぐらいの速度で進めるべきだ。それとて効果が出るのは一ヶ月後からである。そうした施策を日本政府は、今日時点でおこなっていない。

 強い感染力で拡大しているので、ベッド数が足りないから自宅療養だとするのは家庭内感染を増やすだけだから、矛盾した施策である。それで個別対応で医者などを各家庭に派遣するというのは、医療資源の使い方としては無駄が多すぎる。やはりホテルの個室を借り切って完全隔離した方が感染拡大を防ぐ点で効果が高く、また医療資源の提供も効率的だ。

 こうしたときに「是非うちのホテルチェーンを使ってください」と名乗り出るホテルがあったら、国民は、そうしたホテルの品格や見識、つまりプレステージを今後忘れることはないだろう。

 この1年半の日本の経験を顧みると、日本の政府や自治体は、新しい事態への素早い対応、科学的な視点からの施策の判断や実施、共有する意識の欠落と、その全てが苦手であることがわかった。やはり文科系ガバナンスの限界であろうか。といって与党も野党ともに文科系ばかりだから、そこが私達にとっては悩ましいのだが・・・。

 都市計画の専門家の立場からみれば、感染症対策はスピードと、医療資源の効率的投下が重要であることがわかる。ワクチンを自前で開発し速やかに承認できる制度がない日本では、遅速でも最大の速度だったのだろう。隔離を徹底させ効率的に医療資源を投下し、早く収束させ、早く経済を回復させる、それが一番被害を少なくする方法であることは多くの人々の共通認識だが、それができなかったというのが口惜しいですね。

 

追記

 自治体がワクチンパスポートを発行するとメディアは報じていた。確かパスポートには電子チップが埋め込まれ、印刷と合わせて使用すれば偽造はされないだろうと私は考えていた。

 都内の某区の対応を放映した番組をみて私は愕然とした。接種券の控えを役所に持参すると、時代かがったプリンターでコピー防止用紙に印刷された証明書を発行してくれるというものであった。私は都内某区役所の国際感覚のなさにあきれた。

 それを大きさの違うパスポートにはさんで一緒に持ち歩くなんて実に面倒な話だ。紛失したら現地日本大使館で再発行してくれるかというと、ワクチン接種は役所の仕事なので日本政府では再発行できないとなるだろう。それに旅をすればわかるが、持ち歩けば、こすれたり雨で濡れたりしてペーパーの類いはかすれて文字が判読できないことはよくある話だ。そんな危ういペーパーに古プリンターで印字してパスポート!?。

 だからパスポート自体に証明書を印刷し、電子チップに情報を埋め込むべきだ。何故、日本はいつも面倒くさく、世話がやける方法ばかりとるのだろうか。それは日本人の体質なのか?。

 下記の図版はロシアのビザである。通用期間の切れた古いパスポートなのでアップさせてもよいだろう。偽造しにくいように文様とホログラムが施されている。ビザ申請をすると、これをパスポートに印刷してくれる。ただし少し前の話なので電子チップに記録されているかどうかはロシアの事なので不明だが、私は密かに記録されているとみている。

 私がワクチンパスポートとイメージしていたのは、ロシアビザのイメージであった。だから偽造しやすく再発行できない紙ぺらにパスポートなどと紛らわしい名前をつけんといてほしいな。パスポートは国が発行する書類の事を示すが、日本政府発行でもない自治体のペーパーで世界に通用するのだろうか?。

 

京都市

NikonDf、CarlZeiss Planar50mm/F1.4、フィルムTri-X400

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドローイング485. 小説:小樽の翆413. 臭い仲で一生・・・・

2021年08月04日 | Sensual novel

 

 感染病棟の晃子さんも、実に何日ぶりかで家に帰れる。だから真っ先に文さんのお店で夕飯を食べに立ち寄った。

・・・

文「最近ねぇーっ、健さんはサディスト的な世界が好きなのよ」

晃子「相手に肉体的苦痛を与える趣味って男の人が女を服従させたい欲望かなぁー」

文「でねっ、今日は後ろからだ!、というので私がお尻を突き立てるじゃん。そしたら肛門にいれてくるのよ!。でっ私が、そこ違うでしょうといったら・・・

健さん『文の肛門を犯してください。滅茶滅茶にしてくださいって』、そういえってわけよ。

でね、健さんのいわれるままにいうと、健さんのイチブツがクグッと肛門に切っ先がはいってくるわけ。私が痛いですぅー!!、といってもジワジワとはいてってくるわけ。私は額に汗をかいて枕を握って歯を食いしばっていたわけ」

晃子「ふうーーん健さんってそんな趣味が合ったんだ」

文「それで健さんが『文は、ご主人様の性奴隷です。ご主人様につくします。ご主人様の性欲を満たすためだけに生きています』ってそういえっていうのよ。だからいったわ。それでオーよしよし可愛いのぉーだって。それでもう奥までいれて肛門が避けそうな痛さよね。そこへゴシゴシとしごいて何もない直腸の中へ射精しちゃったのよ。そしたらクテッとなって寝ちゃったよ。もう笑える悪趣味よねぇー」

晃子「男って一度は、そんな事をしてみたいのよ。きつとねえ、世の中の夫婦は一度は奥さんとそんなことをしたと思うな。それで女を奴隷にした気分になって・・・。それで朝起きたら、どんなんだったの?」

文「朝、起きたら普通のオッサンよ。だから私が、ちゃんとお風呂でペニスを洗ってくださいねって、いったの。私肛門に入れられた後遺症でまだ痛かったもん

晃子「味をしめてまたやるよ(^_^)」

文「もう、肛門お掃除しておかなきゃ。健さんの太いペニスでやぶれなきゃいいけどねぇー」

晃子「それでペニスを入れてしごいていたら激しすぎてプチッと音が聞こえた気配がして、肛門を締める神経を破っちゃった若い女の子がいたよ」

文「それで、どうなったん?」

晃子「肛門の神経って修復できないから、ひらっきっぱなしよね。だから垂れ流しですぅー。そうなるとオムツか、手術で昔の安全カミソリみたいなメスで肛門を切り取って、それから腹にパイプを回して袋をぶら下げる人工肛門よ。ストーマっていうの。ウキャーッ!、二十代の女の子がオムツ、ストーマ・・・」

文「若いのに、年寄り扱いなんだ」

晃子「ご主人様の奴隷だから、もう離れないことね。ご主人様が遊びすぎたと反省しても後の祭りよ。オムツの若い女の子の面倒を一生見るんじゃない。男の人も可哀想ねぇー(^0^))☆爆笑☆((^Q^)v」

文「だってぇー、面倒見てくれなかったら裁判沙汰よねぇー」

晃子「1億はもらわないとねぇー、3億でもいいかぁー、旦那の一生の稼ぎ分よ。だから臭い奥さんの面倒を一生見るんだな。女の子の股間は大切に扱おうね・・・・」

文「へぇーーっ、そうなるのかぁー、でも子供はできるよね」

晃子「臭い奥さんと正常位でね。肛門性交って少しずつ細いのから入れて肛門を慣らしてゆくのよ。それがいきなり太いのでしょう。文さんもやぶれなくてよかったねぇー。それに神経をバスッとしちゃうと肛門が開きっぱなしだから雑菌が入るでしょう。だからとっちゃうのよ。ほっとくと、いずれなんらかの病気になると思うよ・・・」

文「フゥーーん、臭い仲で一生暮らしてゆくんだ」

(^0^))☆爆笑☆((^Q^)v

・・・

文さんの店の看板メニューのステーキの燻製を食べながら、そんな話ができるあたりが看護師の合理的精神だ。

小樽も、相変わらず空には星が出ている、北国の夏の空だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドローイング484. 小説:小樽の翆412. 一太郎君、デザインで悩む

2021年08月03日 | Sensual novel

 

 アチキは、夏休みとはいえ、仕事場である名古屋の大学へ行かざるを得ない時がある。そう教授会の日だ。なぜかこの日は全員が集まる。といって懸案次号を黙々と処理して、あとはコロナ対策だ。けっこうこれが大変なんだ。

 そうして午後の飛行機で新千歳に戻ると真っ先に空港の札幌ラーメン屋にゆく。暑い季節の、熱々の札幌ラーメンを汗を流しながらすするというのは、サディスティックな快感に近い。

 空港から小樽まで1本の電車がありがたい。札幌ラーメンの余韻で寝てゆけるからだ。どうせ寝そびれても終点だし。

 札幌を過ぎる頃、「ここいいですか?」

いいよぉー・・・・・。

薄眼をあけるとボケた人物に次第にピントが合ってハッキリしてくる。

「なんだツカモッチャン家の一太郎君じゃないか・・・」

一太郎「はぃ、仕事帰りですぅーー」

「あら!、フォートフォリオケースを持参しているから、クルマのデザインでも考えているのかな?」

一太郎「仲間達と電気自動車第2号のデザインを考えてます」

「あっ、みたい」とおねだり。

フォートフォリオケースからPM紙に描かれた、レンダリングを抜き出した。

一太郎「まだ、デザインが決まってないんですーー。これとか・・・・」

「へーーっ、格好いいじゃん」

一太郎「どうもガソリン車のイメージから離れられなくてねぇー、悩ましいのよねぇー・・。これでもボディの半分はバッテリーを想定しているんですよ。動く乾電池だねぇー」

「今も、パステルとマーカーでドローイングするの?」

一太郎「そうです、デザインの原案を考えるときは手書きの方が早いですから・・・。デザインが固まるとCADに落として。手書きのドローイングをCADにおとせるソフトがあるんですよ。それから形を修正したら、町の工房に持って行ってFRPで三次元成形で立体にして、あとはみんなで磨き上げるとボディが完成するわけ。今は随分と楽になったです」

「そんな風にいろんなパーツをつくるわけね」

一太郎「メカは、ほほでできているんです。まるでゴーカートみたいに骨だらけ。あとは我が社の廃車から部品を調達するんです。結構スホーツカーって乱暴な運転をするから廃車があるんですよ。それで部品再生して、メーターとか椅子を組み込んだら完成ですーー」

「いつごろできるの?」

一太郎「あと一ヶ月ぐらいかなぁー」

「楽しみが増えたね・・・・」

・・・

そんな会話をしながら、列車は恵比寿島をすぎ、遠くに小樽の街の灯りが見える。

小樽の山の端が赤くなっている。夕焼け空だけど、列車からはみえない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドローイング483. 小説:小樽の翆411. ボッキマンとトシコさんのデート

2021年08月02日 | Sensual novel

 

 翆は夜勤でトシコさんと一緒だ。

ローテーションが同じだから、気の置けないトシコさんと夜の休息タイムのお話。

トシコ「この間ボッキマンを誘って朝里岳へ登山デートにいったの。冬登山の山だから平日に登山する人は少ないのね」

翆「あっ、いいなあ山デートかあ・・・」

・・・

トシコさん「そいでね、登山ってオンナの人のペースに合わせるから、私が先に歩いているわけ・・・

ボッキマン『トシコさんの尻ばかり見せられてさぁー』

トシコ『だって登山は、オンナの人のペースで歩くからしょうがないじゃない』

ボッキマン『だって登り道ばかりだから、トシコさんの尻が鼻先にぶつかりそうなほどにかすめてゆくんだよ』

トシコさん『あら、ぶつかったっていいわよ』

ボッキマン『そうじゃなくてさあ、その尻の曲線と切れ込んだ股間が刺激するんだよ、僕のを!』

トシコさん『そうお、じゃぁ、青姦でもするーーう』ってからかったの。そしたら・・・

ボッキマン『やったあ!』

そういって私の手を引いて登山道から外れて藪の中へつれてゆくのよ。

トシコ『ここじゃ、全部脱げないよ!』

ボッキマン『トシコさんの裸体はインプットされているからイメージできるよ。裸体をイメージしながらしようよ!』だって。

それで木の幹に私を押しつけて私のウェアをおろすわけ。登山ウェアって下はスパッツにパンツじゃん。下げるだけだからお尻を出しやすいのよね。

それでボッキマンが私のお尻をもぎ取るように引き寄せて後ろから立バックなの。それで斜面で立っているから入れにくいじゃん。そこ肛門だっでばぁー、だからボッキマンが腰をさげて私が手で導いてあげて、そしたらグニョグニョと入ってくるわけ。

でっ、上り詰めてボッキンマンが、『ウォーーっ、ウォーーツ』って大きな声で叫ぶの。

それがこだまになって響いてゆくわけ。

誰か聞いていたら恥ずかしいなと思ったけど、今日は登山者がいないもんね。

それでボッキマンの精子があふれだすように一杯でて股間をズルズルとたれてゆくのよ。

やっぱ溜まっていたか・・・。

でね私、今日は危ない日だっていったの。

そしたら『できたら生めばいいじゃん』っていうわけ。

生んでいいのっていったら『できたら入籍でも何でもするからさぁ』だって。

『それってプロポーズかな?。私、仕事があるから一人でも育てられるし未婚の母でもいいよ』っていったの。

ボッキマン『どっちでもいいよ、でも二人がやりたいという共感が大切、すべては後の話さ』だってさ。

・・・

翆「ボッキマンって意外とフランス人みたいな考え方じゃない!?」

トシコさん「エンジニアだから合理的なところがあるよね」

翆「きっと男と女の世界と、子供の世界とを別けて考えられるのよ。だから子供を産んで、さっさと寄宿舎に預けて恋人気分を続けようというタイプじゃないかなぁー」

トシコさん「そっかぁー、ずっと彼のままでいられるんだ、大切にしなきゃね」

翆「それっていいじゃん。トシコさん大当たり!、だよ」

・・・

小樽湾の朝焼けが綺麗だ。

こんなのは夜勤をしていないと見られないなと思いつつ、もうひとがんばりしよう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする