テラスバレー型の集合住宅は、傾斜地の崖に沿って配置するならば適切な建築形態だ。それを更地に設けるとバックヤードの空間をどうするかが問われる。もちろんバックヤードを設けず建築をオーバーハングさせ知らん顔をする方法もある。しかし構造的には無理筋だろう。
そこで都市部に設えたらバックヤードの問題も解決できるかもしれない。そこで京都市内の1街区をテラススタイルの建築にしてみた。バックヤードは敷地四方が周囲の道路に面しているから商業施設にすることができる。
京都の街区は、外側が高容積であり、中側が低容積のところが多い。当然内側は、古い民家が建ち並んでいる。これを囲い込むように建築を設けた。新旧の景観の対比も面白いかもしれない。建築の端部を西北方向と南側に空間的に抜いておけば、風も入るだろう。あながち不可能な話ではなさそうだ。今のようにビルが外側に乱立しているよりは快適な環境が提供できそうだ。
そんな考え方で建築CGをつくってみた。まあなんとかいけるんじゃないかということはわかったが、もう少し住戸の密度を高くしないと事業面では厳しいだろうなと思われた。
快適な環境をつくることと、事業採算性とは、いつも矛盾する。