朝、某駅にほぼ予定通りの時刻に到着して、とりあえずバスを待機スペースへ移動させた。「さて、次の発車は…」と運行カードを見ると45分と書いてあり、その横に小さく36分と書いてあった。それは先発バスの発車時刻であると同時に、私のバスの到着予定時刻であった。「36分のバスかぁ… 自分が到着した時の記憶はないが… 今はもう40分を過ぎたし… さすがに36分のバスは行ったのだろう」と思って、バス乗り場に着けて3名のお客様を乗せた。
私のバスは、あと2分ほどで発車… その時、すぐ後ろで“バスの音”がしたのである。既に36分のバスのことが頭になかった私は「あれ? 後ろのバスはここが終点なのかな…」と言いつつ、後のバスが動けるように自分のバスを少し前へ出した。すると後ろのバスが右ウインカーを出したので、私は自分のバスをさらに前へ出した。すると今度は後ろのバスが私のバスの横へ来て扉を開けたのである。ボケの私はまだピンと来なかったのだが、その運転士が「お客さん、いいの?」と言ってくれたことで気が付いた。私はすぐに車内のお客様へ「すいません、横のバスが先に発車しますので…」と案内をしたところ、一人のおばあさんだけがバスを乗り換えた。
そのバスも私のバスも行先は同じ某団地だったのだが、その後、すぐにそのバスは折り返し某団地発の実車、私のバスはそこから某所へ回送して某所発となっていた。実車のバスはバス停で止まりながら進むので、私の回送バスはすぐに追いついてしまった。私の行く先である某所手前までは同じ道路を走るのだが、私は「回送よりも実車優先だろう」と思って、実車のバスの後ろを追走していた。たかがバス1台とはいえ、前後が入れ替わったがために、実車のバスが停留所に着けられないとか、赤信号にかかってしまうとか… いかにもありそうなことだからである。
ある交差点を左折してからは、その先で右折する実車のバスは右車線、その手前の交差点で某所へ向かって左折する私の回送バスは左車線を走っていた。朝の通勤時間帯なので交通量が多くて全体の流れも遅く、どちらのバスも思うように進めなかった。しかし、なぜか左車線の方が少しだけ流れがよく、私のバスは実車のバスを追い抜いてしまった。そして、私は左折しようと思ったのだが… 横断歩道を次々と自転車が渡っていて、すぐに左折できなかった。それなのに、実車のバスは車間距離をとって、私のバスが左折するのを待っていてくれるようだった(バスのような大型車が右左折する時には、バスのお尻が車線からはみ出して危険だから…)。
結局、私のバスは某所の発車時刻に間に合わなかったのだが、その実車のバスも遅れていただろうに… 一度ならず二度までも… 今朝の私は、そのバスに対してグダグダになってしまった。その運転士とはチラッと顔を合わせたけれど、それが誰なのか分からなかった。その運転士はマスクをしていたし… そもそも私がまだみんなの顔を判別できていないし… ただ、少なくとも私より数段男前だったことは間違いない。えっ!? 比較することが間違っている??? 失礼しました…