バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

石を跨ぐお婆さん、天を仰ぐお姉さん

2019年02月04日 21時06分00秒 | バス運転士
あるバス停で3人の乗客が待っていたのだが… 最初に私の目に入ったお婆さんは、バス停の1.5mくらい手前に… お爺さんは、お婆さんとはバス停を挟んで反対側すぐの所に… もう一人はバス停から2~3m離れた場所に立っていた。そう、“バス停の手前すぐ横”という先頭の位置には誰も立っていなかったので、私は「最初にここへ来たのはお爺さんなのか、お婆さんなのか… どちらに前扉を合わせればいいのだろう?」と迷ってしまった。

「バス停が立っている場所には“バスの床面よりも低い縁石”があるから、それを階段の代わりに使ってもらえることだし…」と思った私は、誰も立っていない“先頭の位置”に前扉を合わせてバスを止めた。すると、最初にお婆さんが動き出し… 「なんで、こんな変なところに止めるかなぁ~!」と怒ったように独り言を呟きながら“縁石を跨いで”乗ってきたのだった…

また、あるバス停で乗降客扱いを終え、前扉を閉めて発車した… その瞬間! バスの前方約20m、片側一車線の道路を右から左へ駆け抜けたお姉さんが、歩道上で「あぁ~! 間に合わなかった…」と言うように天を仰いだのだった。その姿がとても可愛らしかったので、オジサンの胸はキュンキュンしてしまった。

私がバスを止めて前扉を開けながら心を開くと、「ありがとうございます!」と言いながら駆け込んだお姉さんも心を開いてくれ… ないわなぁ~ ハハハ… それじゃあ、せめて胸元だけでも開いて…(アホかぁ~! この××オヤジ~! 自分の“社会の窓”が開いてないか、ちゃんと確認しとけぇ~!)