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野村ノート(野村克也)

2006年05月26日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 この本は、プロ野球の現「楽天」監督である野村克也さんが、阪神監督時代に記した「ノムラの考へ」をベースに、2005年古希を迎えて、野球界に関わった50年以上の歳月をかけて学んできた監督してのあり方、その原則を改めてまとめたものです。

 プロ野球ファンにとっては、なかなか面白い本で読みごたえがあると思います。お勧めです。以下は私が「うーんなるほど」と思った点です。^_^;)


○監督をやっていくうえで、次の5原則に従って職務を遂行してきた

(1)「人生」と「仕事」は常に連動しているということを自覚せよ(仕事を通じて人間形成、人格形成をしていくということ)

(2)人生論が確立されていないかぎりいい仕事はできないということを肝に銘じておくこと。人間はなぜ生まれてくるのか。それは「生きるため」と「存在するため」である。すなわち価値観と存在感である。その人の価値や存在感は他人が決めるものだ。従って、他人の評価こそが正しいということになる。”評価に始まって評価に終わる”といわれる所以である。

(3)野球をやるうえで重要なのは、
 「目」(目のつけどころが大事だ)、
 「頭」(考えろ、工夫しろ)、
 「感性」(感じる力を養え。それには負けじ魂や貪欲な向上心やハングリー精神がポイントとなる)
の3つである。

(4)技術的能力の発揮には次の3点、
 「コツ」(投げる、打つ、守る、走るときのコツ(感覚)を覚える、
 「ツボ」(相手チームの得意な形、相手バッテリーの配球の傾向、マークする選手、打席でのマークする球種、相手打者の攻略法、クセ探しなどのツボを抑えておくこと)、
 「注意点」(相手のなかでマークする選手、投手は相手の得意なコースや球種は絶対に投げない、理想のフォームを崩さないための”意識付け”をしておくこと。性格面もそうであるように無意識だとどうしても欠点がでてしまう)
が重要となる。

(5)無形の力をつけよ。技量だけでは勝てない。形に出ない力を身につけることは極めて重要である。情報収集と活用、観察力、分析力、判断力、決断力、先見力、ひらめき、鋭い勘等々である。


○打者のタイプは以下の4つに分けられる。
A型:直球に重点を置きながら、変化球にも対応しようとする
B型:内角か外角、打つコースを決める
C型:右翼方向か左翼方向か、打つ方向を決める
D型:球種にヤマを張る

 日本人の場合は多くがA型である。D型で臨んでいても、追い込まれるとA型に変わる打者が多い。ただし、A型で常に高い結果を残せるのはイチローや松井秀喜のような天才タイプだけである。

 逆に外国人打者は、追い込まれるまではA型でいて、追い込まれるとフォークやチェンジアップなどその投手のもっとも得意とする球にヤマを張るD型に変わる打者が多い。

 B型は強打者が一時的にとることが多い。また無死1、2塁など走者を進めることが強いられる場面ではB型に変わる。C型はいわゆる騙しで、引っ張ると見せかけて実は右方向を狙う。巨人の元木大介が代表例で、ヤクルトの古田や阪神の桧山も場面によってはこのC型を使う。


○多くの打者には共通する苦手ゾーンが以下の4つある。(1)の外角低めを「原点」、投手の原点への精度を「原点能力」と呼ぶ。先発バッテリーには、1イニング目に何球か原点に投げさせ、その日の投手の原点能力がどれぐらいなのかを確かめ、その日のピッチングを組み立てさせる。

(1)外角低めへのストレート(原点)
(2)低めへの変化球(内野ゴロとなる率が高い)
(3)特殊球(フォークやチェンジアップなど。いいコースに決まれば打たれる危険性は低い)
(4)内角への快速球や鋭く小さい変化球(次の配球につながる)


○配球というのは常にワンペアで成り立っている。速球に対して遅球、内角に対し外角、スライダーに対してシュート。シュートを投げるとひじを壊すというのは迷信。ヤクルトの投手陣が次々とシュートを覚えるようになったしシダックスではシュートは必修科目。左投手は特に有効である。


○西武の松坂投手は160キロ近いスピードとカーブ・スライダー・フォーク・チェンジアップ・カットボールとどれも一級品の球種をもっているので、捕手の思い通りに面白いように打者を三振に取れると思いきや実際はそうでもない。その理由の1つは松坂の原点能力(外角低めへの直球のコントロール)の低さにあるのだが、もう1つの松坂の欠点は投球フォームにある。また彼はリリースの瞬間、指のかかりが一定していないのでないか。スピンをかける意識が弱いため、一流の腕の振りをもってしても打者が腰を抜かすようなキレのある球を連続して投げることができないのだろう。


○レギュラーになって3年で獲れなければ、幸運がないかぎりタイトルは獲れない。王やイチロー、松井、落合らタイトルの常連となり当たり前のようにタイトルを獲るような選手はみな、この法則に当てはまる。逆にレギュラーとなって3年が過ぎてもタイトルが獲れないとなかなか獲ることはできない。清原や立浪(中日)や高橋由(巨人)がそうである。


<目次>
第1章 意識改革で組織は変わる
 教育こそ監督に求められる第一の使命
 心が変われば人生が変わる
 野球選手は野球博士であるべき
 選手に優位感をもたせる
 広沢に教えられた「ギャンブル」の必要性
 「人として生きる」を教え込む
第2章 管理、指導は経験がベースとなる
 技術だけでは限界がある
 打者のタイプは4つに分けられる
 指導者に求められるのは実践力
 打者に共通の苦手ゾーン
 内角球論
 配球の原点は打者への意識付け
第3章 指揮官の最初の仕事は戦力分析にある
 優勝チームに名捕手あり
 配球は3つに分けられる
 正しい理念が正しい応用力を導く
 決断と判断
 ペナンとレースと戦いの性質が異なる短期決戦
 弱者の戦法
第4章 才能は学から生まれる
 小事が大事を生む
 左打者だけがもつ危険ゾーン
 捕手は「疑い屋」であるべき
 松坂に求めたい「興味」と必要
第5章 中心なき組織は機能しない
 はき違えたチーム優先主義
 エースは鑑でなくてはならない
 自己中心は致命傷
 鉄は熱いうちに打て
 個人主義が結集してチーム優先となる
 3年で獲れなければ、幸運がないかぎりタイトルは獲れない
 意外な選手に感謝されていた
 未来創造能力
第6章 組織はリーダーの力量以上には伸びない
 エースと4番は育てられない
 次期監督は星野しかいない
 将来性ほどあてにならない言葉はない
 足と肩にスランプなし
 野村再生工場
 変化球を投げる必要性
第7章 指揮官の重要な仕事は人づくりである
 監督は「気づかせ屋」でなくてはならない
 後継者づくりがチームの伝統を築いていく
 プロだけが野球ではない
 光はあるが影がない
 伝統という無形の力
 チームづくりの終着は「まとまり」
 中途半端は骨の髄まで腐らせる
 潜在意識と顕在意識
第8章 人間学のない者に指導者の資格なし
 士は己を知る者のために死す
 江夏に学んだ愛情とは
 革命を起こせ
 人間教育ができて初めて育成といえる
 結縁、尊縁、随縁
 人間学のないリーダーに資格なし
終章

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<今日の独り言>
 「角栄伝説」という本を読みました。田中角栄はかなり個性があり、なかなか面白かったです。また角福戦争が今の小泉首相まで受け継がれているのがよく分かりました。当時の世情も分かり面白かったです。今度紹介します。

コメント
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