<金曜は本の紹介>
「50歳を超えても30代に見える生き方」の購入はコチラ
この「50歳を超えても30代に見える生き方」という本は、南雲吉則さんが著者で、以前このブログで他の本(「空腹」が人を健康にする)を紹介したこともあります。
その本と趣旨はほぼ同じですが、実際に著者はとても若く見えますし、健康の真実に迫った良書だと思いますので、この本もこのブログで紹介したいと思います。
その中でも特に驚いたのは、ガンというのはそもそも寿命のカギを握るテロメアを複製する酵素を持った修復細胞で、実は不摂生の尻拭いをするために現れた修復細胞だということです。
ガンがなければ、実はもっと早死にしてしまうようです。
従って、ガンを起こさないためには不摂生等をやめることが重要で、特に喫煙や感染症(胃ガンのピロリ菌や子宮頸ガンのHPV、肝炎ウイルス等)、欧米化した食事に気をつけたほうが良いとのことです。
また、メタボとならないためには、脂、塩、砂糖の摂りすぎに注意が必要ですね。
もちろん食べ過ぎにも注意しなければなりません。
それから健康のためには喫煙やアルコールを控え魚や野菜・果物などは丸ごと食べるが食べる量は減らすこと、運動は心臓に負担をかける激しいものは不要で歩くことが大切、美容のためには洗いすぎや日焼けは禁物で睡眠が重要ということがよく分かりましたね。
「50歳を超えても30代に見える生き方」という本は、この本に書いてあることを実際に実践している著者がかなり若く見え、真実に近い内容と思います。
とてもオススメです!
以下はこの本のポイントなどです。
・メタボの三高とは、「高身長、高学歴、高収入」ではありません。もっと怖い「高脂血症(脂質異常症)、高血糖、高血圧」がメタボの三高です。このうち二項目以上を満たしている人がメタボリックシンドロームと呼ばれるわけです。これらの項目に隠されているメッセージとはこういうことです。
・ウエストが太い・・・食べ過ぎ
・高脂血症 ・・・脂の摂り過ぎ
・高血糖 ・・・砂糖の摂り過ぎ
・高血圧 ・・・塩の摂り過ぎ
・肉の脂がだめといったのに、同じ動物性食品の青魚はなぜいいのでしょう?牛や豚、鶏などの動物は、体温がつねに一定に保たれていることから「恒温動物」と呼ばれています。そのため肉を室温でおいておくと脂肪分が白く固まってしまいます。一方、魚は外界の気温によって体温が変動するため「変温動物」と呼ばれています。冷たい水の中にいれば体温は下がりますが、脂肪分が固まってしまうことはありません。そのため、魚の脂は室温でもサラサラしているわけです。動物の肉の脂肪分やバターやラードが室温で固まってしまうということは、血管の中でも固まる可能性があるということです。これに対して、室温では固まらない魚の脂は血管の中でもサラサラと流れていくはずです。
・植物油から作られたマーガリンはバターよりも健康にいいと信じられてきました。私もそれを信じて子供の頃からマーガリン派でした。ところがです。植物油に水素を添加して人工的に固めたマーガリンは、血管の中で固まりやすい「トランス脂肪酸」を含んでいることがわかりました。WHOも、「トランス脂肪酸を多量に摂取すると悪玉コレステロールを増加させ心臓疾患のリスクを高める」として使用を規制するよう、2003年に勧告しています。あまり使わないに越したことはないでしょう。
・砂糖がたっぷり入った食品、たとえばケーキやチョコレート、アイスクリームなどを口にすると、食べた瞬間はハッピーな気分になり、そのあと眠気が襲ってきます。じつはこのとき、血糖値が急激に上がって140以上になっているのです。血中の糖分は血管の内皮細胞を傷つけます。それを修復しようとかさぶたができて動脈硬化を起こすのです。甘いものを食べて血糖値が上がっているときには、タバコ4本分血管が傷ついていると考えてください。また、血糖値が上がると、体は膵臓からインスリンを分泌して、糖を脂肪に作り替えます。こうして脂肪が蓄積されます。さらに糖分を摂り続けていると、インスリンも絶えず分泌され、脂肪は過剰になっていきます。そうすると、私たちの体はこれ以上無駄な脂肪を蓄えないように「飽食」の環境に適応していく。そう、インスリンにあまり反応しなくなるのです。そうなれば脂肪もたまりにくく、「食べても太らない体」を手に入れることができますね。これが糖尿病です。糖尿病にかかると自覚できないまま症状が進行していき、視力障害や神経障害などの合併症が現れるようになります。これがさらに進行して手足が壊死を起こしたり、失明の危機に瀕したりすることがあるのは、私たちの体が自らの生命を守るため抹消の部位から切り捨てていこうとするからです。私たちは病気になると「体が反乱を起こした」と嘆きますが、それは勘違いです。私たちが行った不摂生に対して、体はなんとか適用しようと努力してくれているのです。病気になったことを嘆き運命を呪うのではなく、病気を起こした自らの行いを改め、その行いを起こした自らの心を改めることが大切なのです。
・「塩の摂り過ぎが高血圧につながる」ことはよく知られた事実ではありますが、私は減塩どころか、塩を摂ること自体が毒であると考えています。油(脂)に砂糖にもいえることですが、本来、これらを調味料として用いる必要はないからです。「毒というのはいい過ぎだ」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。野生動物を観察してみてください。たとえば、ライオンがウサギを捕まえたときに塩をかけて食べるでしょうか?シマウマが草を食べるときにドレッシングをかけますか?いや、これは野生動物に限ったことではありません。人間の場合も、赤ちゃんが食べるごはん(ベビーフード)には塩を加えていませんね。自然に近い生き方をしている動物は、わざわざ食べ物に塩をかけたりすることはないのです。なぜなら、そうした肉や野菜の中に、もともと塩分が含まれているからです。厚生労働省が推奨する必要塩分量は1日1.5gですが、現代人の多くはその10倍、10~15gくらい摂っています。
・私たちが喫煙や暴飲暴食などの不摂生をすると、気管や消化管の粘膜が傷つきます。通常、傷のまわりの細胞が分裂して穴を塞ごうとするわけですが、不摂生を続けると細胞分裂のたびに「テロメア」がどんどんと短縮してしまい、やがて限界に達すると、それ以上細胞分裂ができなくなります。このとき、テロメアを複製する酵素(テロメラーゼ)を持っている修復細胞が生まれます。そう、これがガンなのです。ガンは私たちの命を奪う「乱暴者」のように思われていますが、じつは私たちの不摂生の尻拭いをするために現れてくれた修復細胞なのです。こうしたガンを起こす「不摂生」、つまり生活習慣は次の3つに集約できます。
1 喫煙
2 感染症
3 欧米化した食事
・タバコの吸いすぎが肺ガンのリスクを高めるということはよく知られていますが、これはタバコの煙を吸い込むことで気管の粘膜が傷ついて炎症を起こし、その修復のためにテロメアが短縮するからです。タバコの煙で傷ついた喉や肺に咽頭ガンや肺ガンを発症するのはこのためです。タバコを吸わなければ、咽頭ガンの90%、肺ガンの75%は発症しないのです。また、それだけではなく、食道ガンの50%、胃ガンの25%、そして大腸ガンの一部もじつはタバコが原因です。タバコの煙は飲むものではないのに、どうして消化管のガンが増えるのか?不思議に思う人もいるかもしれませんが、タバコを吸うときはたいていコーヒーやビールを飲むでしょう。こうしたタバコと飲食の組み合わせによって、タバコの煙は気管だけでなく消化管にも侵入していきます。コーヒーやビールと一緒にニコチンやタールを飲み込んでしまうので、食道ガンや胃ガンなどの消化管のガンも引き起こされやすくなるのです。言い換えれば、タバコさえ吸わないようになれば、かなりの割合でガンを減らすことができることがわかるでしょう。また、タバコは気管だけでなく、血管の内皮細胞も傷つけるため、心臓病や脳卒中の引き金になり、また老化の要因の一つにもなります。
・不摂生などが続き、ピロリ菌が胃のなかで増殖すると、胃炎や胃潰瘍が引き起こされ、その修復のために周囲の細胞が分裂します。ここで生活習慣を見直し、暴飲暴食と喫煙をやめれば、胃炎や胃潰瘍は起こらなくなりますが、ほとんどの人は不摂生をやめないでしょう。そこでテロメアが限界になったとき、救世主として胃ガン細胞が発現するのです。ピロリ菌は汚染された井戸水から感染するため、かつては日本人のほとんどがこの菌を持っていました。そのため、日本では胃ガンが多かったのですが、衛生環境の改善によって感染が減り、それに伴って胃ガンも激減しました。ピロリ菌は専門の病院で除菌することができるため、今後、胃ガンにかかる人はさらに減っていくでしょう。
・ウイルスに対する過剰反応のサイトカインで肝炎になり、肝炎を修復するときの過剰反応で肝硬変となり、肝硬変を治そうとして肝臓ガンになる-どれもこれも私たちの体が引き起こした過剰反応です。最近では衛生環境が良くなったので、肝炎ウイルス感染は非常に少なくなりました。そのため肝臓ガンはやや減りつつありますが、根本的には不摂生をやめることとともに、子供の頃から土や動物と触れあうことによって、免疫過剰を引き起こさないようにすることが必要です。
・問題になるのは、いわゆる欧米型の食事です。具体的には肉類や牛乳・乳製品などが該当しますが、これらの食品ばあり摂っていると食物繊維が不足するため、腸内の悪玉菌が繁殖しやすくなってしまいます。また、これらの食品には脂肪も多く含まれていますが、これは肝臓で分泌される胆汁酸で消化しなくてはなりません。胆汁酸が分泌されること自体は体の正常な反応ですが、腸内の悪玉菌に分解されると毒性を帯びた二次胆汁酸に変化し、つねに腸の粘膜を刺激するようになります。この刺激が続くことによって大腸ガンが発症すると考えられているのです。
・栄養状態が現代よりも悪かった昔は、女性の生理期間も短い傾向にありました。初潮の年齢が15歳くらいと遅く、逆に閉経は45歳くらいとかなり早かったわけです。これに加え、結婚年齢が早く、子供もたくさん産みました。初潮が始まって数年で嫁入りして、すぐに出産。閉経するまでに5~6人の子供を産み、1人の子に1年も2年も授乳をするのが普通だったでしょう。妊娠、授乳中は生理がないため、ほとんど生理がにまま閉経したのです。つまり、エストロゲンの分泌はとても少なかったので乳ガンが少なかった。これに対して現代は、栄養状態が良くなったこともあり、初潮の年齢が早く、閉経が遅くなりました。しかも、結婚年齢が遅くなり、未婚の人も増えました。こうした少子化が進んだ現代では、子供の数は一人くらいというのが普通でしょう。つまり、昔の人に比べると生理回数がずっと多いことになります。ということは、エストロゲンも生理期間中にひっきりなしに分泌されるわけです。こうしたエストロゲンの分泌によって乳管の上皮細胞のテロメアの消耗が進むと、ガン細胞が生まれやすくなります。しかも、ガン細胞は女性ホルモンを栄養にして増殖することがわかっています。女性ホルモンは「発ガン因子」でも「ガン促進因子」でもあるのです。
・私は2005年に「抗がんサプリメントの効果と副作用徹底懸賞!」という本を出しました。市販されている主なサプリメントの科学的データを仲間の医師たちと2年間にわたって徹底検証したのですが、その結果わかったことは「ガンに効くサプリメントはない」「効くのは野菜や果物の皮だけ」ということでした。ある程度予想していたこととはいえ、ここまで効かないとは私自身ショックでした。それが、野菜の皮から取った「ゴボウ茶」を広めるきっかけになったのです。
・私たちの皮膚は、①角質②皮脂③善玉菌という保護膜が、病原菌の侵入や紫外線などから身を守ってくれています。タオルやスポンジでゴシゴシと体を洗うことで、わざわざこうした保護膜を削ってしまっているわけです。これを毎日続けていると、皮膚は無防備な状態になります。皮膚のトラブルを回避し、改善させていくには、まず体を洗い過ぎる習慣を改めていくことが大事です。手のひらで石鹸を泡立てて、陰部や足の裏など汚れている部分をなで洗いするだけで十分。
・B波は皮膚ガンの引き金にもなりますから、夏に海で日焼けするなど、じつは自殺行為なのだとわかるでしょう。紫外線にもビタミンDを合成させ、骨を丈夫にしてくれるなど、プラスの効果はありますが、そのために必要な日光浴の時間は、「指先1本を10分間日に当てるだけでよい」といわれています。
・シミを取るための一番いい方法は、睡眠です。特に成長ホルモンが分泌される夜10時から深夜2時までは、睡眠のゴールデンタイムに当たります。この時間帯に睡眠をとるようにすると、メラニンが吸収されて肌が白くなる効果が得られます。
・私が考える心のアンチエイジングとは、少々大げさに聞こえるかもしれませんが、「死を覚悟して生きる」ことで初めて得られるものだということです。生きているものはいつか必ず死ぬのです。のんびりしている人でも、「余命1年」だといわれれば、自分が生きている間に何をするべきか真剣に考えるでしょう。その真剣さをつねに持つようにしたら、いやでも心に張りが出てきます。こうした心の張りが若さの源になり、行動力にもつながっていきます。
・何を食べればいいか?まずは、私たちの体に必要な栄養素が過不足なく含まれている「完全栄養」を摂ることを心がける。「人間の体と同じ組成の生き物を丸ごと食べる」ただこの一点を心がけるだけで、十分に条件が満たせるからです。実際、人間、豚、鳥、魚の胚から胎児までの「個体発生」の写真を比べてみると、ほとんど同じ姿をしていることがわかります。
・イワシやアジ、サンマなどの小型の青魚は水銀の害も少なく、脂は血管内で固まることがないので、理想的だといえます。もちろん、その際の目安となるのは「丸ごと食べる」ということ-。江戸時代の天ぷら屋さんは、こうした自然界の法則を経験的に知っていたため、「手一束」の魚しか使わなかったといわれています。一束というのは、手を握ったときの指4本分の幅のことをいいます。ですから、メゴチやハゼのような手のひらの中に入る小魚だけを対象にしていたのです。魚介類全体でいえば、イカとかエビもこれに当てはまるでしょう。たとえば、エビの天ぷらを揚げたら、身だけではなく頭も尻尾も全部食べるわけです。小魚の場合も、頭から内蔵、骨までいただく-こうした食べ方をすれば、魚も立派な完全栄養になることがわかるでしょう。
・白米がやめられない人はぬか漬けを一緒に食べてください。また、ごはんの代わりにパンを食べるときも、精製した白いパンではなく、全粒粉で作った茶色いパンを選ぶようにしてください。
・米ばかりでなく、野菜ももちろん丸ごと食べます。葉ごと、皮ごと、根っこごとです。
・驚く人もいるかもしれませんが、私はリンゴの皮はもちろん、みかんの皮も剥がずにいただいています。「みかんの皮なんて食べられるの?」といつも聞かれるのですが、キンカンやユズも皮を食べていますよね?マーマレードも皮ごとです。実際、中国ではミカンの皮のことを「陳皮」と呼んで漢方薬として用いてきました。いまも漢方薬の7割ほどにこの陳皮が入っているといわれています。
・野菜は「食べられたくない」、果物は「食べられたい」-じつはこれが野菜と果物の決定的な違いなのです。まず、果物がなぜ「食べられたい」と思っているのか、考えていきましょう。果物はだんだん熟してくると、実が赤くなり、いい香りがするようになります。また、糖度が増して甘くなってくるでしょう。まるで「私を見つけて食べて」といっているように思いませんか?実際、サルがやってきて果物をもいで食べますが、咀嚼できるのは甘い実の部分だけ。種は固いので、そのまま飲み込んでしまいます。このサルが一山越えて隣の土地で排泄すると、糞と一緒に種を落とすことになるでしょう。サルが種を運ぶことで果物は新しい土地でまた発芽し、成長することになる。つまり、繁殖地が広がることになるのです。特に大事なのは、「旬の時期に食べる」ということです。まだ種ができ上がっていないときに食べられると、その種は滅んでしまいまう。そのため、種ができあがっていない果物は食べられないように毒を持っているのです。
・一方、「食べられたくない」と思っている野菜は、毒を持っています。まず、葉物の野菜は保護色をしていて「アク」がありますね?これは「蓚酸(しゅうさん)」と呼ばれますが、特有のえぐみや苦みで身を守っているのです。生野菜を食べると蓚酸でおなかをこわすのです。昔の日本人が青野菜を必ずおひたしにして食べたのもそのためです。
・実は豆の中にも毒があるのをご存じでしょうか?「レクチン」と呼ばれ、体内に取り込まれると、消化吸収障害による下痢や嘔吐を引き起こします。多量に摂取すると血液が固まって命にもかかわる危険な成分です。こうしたレクチンの害をなくすには、しっかりと調理することが一番です。それにしても、豆にこのような強い毒性が含まれているのはなぜなのでしょうか?豆=植物の種が動物に簡単に食べられてしまっては、種族が存続できません。毒を保持することによって、種という生命のもとを守ろうとしているのです。
・痛風の原因は「プリン体」という物質で、細胞の遺伝子を作る働きが知られています。このプリン体が代謝されると結晶化して尿酸になりますが、これが足の関節の軟骨を刺激すると、ものすごい激痛に見舞われます。これが「痛風」です。実際に痛風を引き起こすのは、「細胞分裂の盛んなもの」「細胞数の多いもの」だと考えてください。具体的には、「動物の卵」と「植物の種や芽」が該当します。もちろん、同じ卵の中でもニワトリの卵ならば、あんなに大きいのに細胞はたった1個なのでさほど問題になりません。しかし、イクラになれば卵の数が一気に多くなり、プリン体の量はその100倍になります。これがさらにカズノコになれば1000倍、タラコになれば1万倍といったところでしょうか?つまり、卵の数が多くなればなるほどプリン体の数が増え、それとともに痛風になる可能性が増えてくるのです。ほかにも、プリン体は主に肝臓で代謝されるため、レバーなどにも多く含まれます。また、ビールにプリン体が多いのは、原料の「麦芽」が植物の「芽」に当たるからです。麦芽が含まれない発泡酒やワインなら大丈夫です。ブランデーは原料がブドウなので安全ですが、ウイスキーは麦芽が入っているので危険ということになります。なぜプリン体が痛風を起こすようになったかは、卵を食べられれば生物種はどんどん滅びていってしまいます。そこで、「卵をたくさん食べ過ぎたら病気になる」ようにプリン体という毒が仕込まれたのです。
・食事の量が寿命にどう影響するのか調べた実験がありますが、それによるとあらゆる動物で食事の量を増やしたり減らしたりしてみたところ、40%減らしたときが一番長生きで、平均1.5倍寿命が延びることがわかりました。もちろんこれは、人間にも当てはまります。
・イギリスのケンブリッジ大学の研究チームが2008年に男女2万人(45~79歳)を対象に健康調査を行ったところ、次の4つの習慣を持っている人は、そうした習慣がない人に比べて、死亡率が4分の1に、寿命が14年も長くなるという結果が得られました。
1 毎日30分程度の適度な運動をする
2 野菜と果物をこぶし5つ分(約300g)摂る
3 飲酒を適度に抑える
4 喫煙をしない
・激しい運動は体にいいどころか「早死に」の原因です。もちろん、ダイエットの効果もありません。なぜそういえるのか?運動の際にフル稼働する心臓に目を向けてみてください。あらゆる動物は、生まれてから死ぬまでに心臓が20億回拍動します。ゾウは100年、ネズミは数年しか生きませんが、生涯の拍動回数は同じ20億回。寿命の分しか拍動回数を用意していないのです。「スポーツは体にいい」と聞いて、普段運動をしない人が急に走ったりすれば、こうした心拍数を無駄に消費してしまうことがわかるでしょう。
・アメリカの医師フィリップ・マフェトンは、心臓に負担をかけないための最大心拍数は、普段運動している人なら「180マイナス年齢」。運動していない人は「170マイナス年齢」だといっています。たとえば、子供の頃からスポーツをやってきた人の中には、「スポーツ心臓」といって一般の人よりも心拍数が少ないタイプがいます。こういう人が20歳であれば、「マフェトンの公式」では、一度に160くらいに心拍数が上がっても構わないことになります。これに対し、普段運動をしない70歳のお年寄りであれば、100までの心拍数が運動時の限界ということになるでしょう。
・血液を全身に送り出すのは心臓の働きですが、抹消から心臓へと血液を運んでくれる機能はありません。そこで私たちは、歩くことによってふくらはぎの筋肉が収縮して、そのポンプ作用によって抹消に滞っている血液を心臓へと送り返しています。このふくらはぎこそが「第二の心臓」です。毎日しっかり歩いていさえいれば、ふくらはぎが自然と刺激されますから、ポンプ作用がしっかり働いて血液の流れが滞ることがありません。もちろん血流がスムーズであれば、女性の多い足のむくみ、冷え、肩こりなどに悩まされることもないでしょう。
・肩こりの原因は「使わな過ぎ」であるからです。肩甲骨は上半身の「骨盤」です。人類の祖先が四足歩行をしていたときに、上半身を支えていたのが肩甲骨周囲の筋肉なのです。体重の二分の一を支えなければならないわけですから、この一帯には多くの筋肉があります。人類が進化して二足歩行をするようになってからも、私たちの祖先は肩甲骨周囲の筋肉を使って畑を耕したり、薪を割ったりしてきました。つまり、昔の人たちのように上半身(肩甲骨)をしっかり使って生活していれば、肩こりになるようなことはありません。ところが、現代人はデスクワークばかりで上半身の筋肉を使わなくなってしまったため、古い血液がたまりやすくなり、肩こりが生じるようになりました。ということは、「四足歩行」を心がけるようにすることで肩こりに悩まされることはなくなるはずです-ちょっとビックリされたかもしれませんが、現代人が四足歩行でできることといえば、「床を拭く」ということです。
・成長ホルモンはノンレム睡眠のときにしか分泌されません。具体的にいえば、それは「夜の10時から夜中の2時まで」の時間帯です。この「睡眠のゴールデンタイム」の間に起きていたら、せっかくの成長ホルモンの恩恵をまったく受けることができません。いくらたっぷりと睡眠を取ろうが疲れが抜けきらず、知らないうちに老化が進んでいくことになるのです。
・睡眠時間を6時間取っている人が一番長寿だといわれていますから、夜9~10時台に寝て、朝の3~4時くらいに起きる生活がベストです。
<目次>
まえがき「二十歳」の若返りを実現した究極の方法
第1章 アンチエイジング実現の条件
あなたの健康年齢は何歳?
「人生百年計画」とは何か
人生の節目はすべて決まっている
平均寿命の延びには法則があった!
女30代、男40代がリスク年齢
細胞レベルで人生を考え直すと
人の細胞はなぜ50兆あるのか
寿命は何によって決まるのか
寿命が尽きる瞬間とは
「利己的な遺伝子」と寿命
なぜ寿命まで生きられないのか
ガンは必要があって生まれてくる
血管で何が起きているのか?
第2章 メタボの真実
50歳からは1歳ずつ若返る
メタボの本当の意味
大食いタレントはなぜヤセなのか
糖尿病は人間の進化の結果
まず「標準体重」を知る
内蔵脂肪がたまるのにも理由がある
おしりの大きさとメタボの関係
血管を傷つける内蔵脂肪からの毒
コレステロールに善玉悪玉はない
肉を食べないと健康になれる?
青魚の脂が血液をサラサラに
植物油でもマーガリンは危険!
砂糖の摂り過ぎがなぜ毒なのか
甘いものの誘惑を断ち切る方法
減塩で高血圧症が減らない理由
第3章 ガンは悪者ではない!
「増えたガン」と「減ったガン」
ガンが生まれる「3つの原因」
タバコで胃ガンになるのはなぜ?
ウイルス性ガン減少の理由
ウイルス感染=発病とは限らない
欧米型の食事がガンの最大要因
満月の夜に狼男が変身するわけ
乳ガンが急増した意外な理由
欧米女性は閉経後にも乳ガンに
ガンにならない体は若く美しい体
第4章 免疫を高め過ぎてはいけない!
ガンと免疫力の関係
免疫力が高い状態は軍事国家と同じ
インフルエンザで死ぬ理由
肝臓ガンの原因は過剰な免疫反応
免疫力より大事な「免疫寛容」とは
「無菌生活」から抜け出すと
肌は洗うとうるおわなくなる
誰でも実践できる花粉症の撃退法
かゆくてたまらないときは?
イメージトレーニングで健康に
第5章 「老い」にも「病気」にも意味がある!
健康は数値ではわからない
動物界ではオスが美しい理由
人間界で女性に求められるもの
「スモーカーズフェイス」の秘密
日光浴は老化させるのか
ハゲは人類の進化の証し
ストレスで毛が抜けてしまうわけ
加齢臭やフケはバロメーター
年頃の娘はなぜ父親を毛嫌いするか
「心・美・体」をいかに調和させるか
「心のアンチエイジング」に必要なもの
第6章 細胞から若返る食事術
アンチエイジングの第一歩とは
「完全栄養」を摂る簡単な方法
サプリメントで「完全栄養」は
丸ごと食べられる食材を
白米のごはんにぬか漬けを
野菜や果物は皮ごと食べる
ミカンの皮は漢方薬に
野菜と果物の決定的な違い
野菜を生で食べてはいけない理由
日本の農地を枯らした真犯人
根菜の栄養を上手に引き出す調理法
豆をしっかり煮る理由
卵に含まれている「毒」の正体
「腹6分目」が健康長寿の秘訣
「一汁一菜ダイエット」のすすめ
「飢餓」体験で寿命が延びる
毎日「こぶし5つ」の野菜を
寿命が14年延びる4つの習慣
グラス2杯のワインが健康の目安
ゴボウのアクに若返りの秘密が
アンチエイジングの秘薬とは何か
第7章 20歳若返るシンプル生活術
スポーツをすると健康になれない
運動をしてもやせないのはなぜ
歩くだけで燃える内蔵脂肪
電車で吊り革につかまらないと
肩こり解消に「四足歩行」
冷え性の人こそ体を冷やす
「乾布摩擦」の秘密
「風邪をひいたら安静」の間違い
長く寝るだけでは健康になれない
睡眠の「ゴールデンタイム」とは
早起きで幸せな気分になれるわけ
「幸福の総量」は決まっている
あとがき-危機のときに現れる「生命力遺伝子」とは何か
面白かった本まとめ(2013年上半期)
<今日の独り言>
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ガンがなければ、実はもっと早死にしてしまうようです。
従って、ガンを起こさないためには不摂生等をやめることが重要で、特に喫煙や感染症(胃ガンのピロリ菌や子宮頸ガンのHPV、肝炎ウイルス等)、欧米化した食事に気をつけたほうが良いとのことです。
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もちろん食べ過ぎにも注意しなければなりません。
それから健康のためには喫煙やアルコールを控え魚や野菜・果物などは丸ごと食べるが食べる量は減らすこと、運動は心臓に負担をかける激しいものは不要で歩くことが大切、美容のためには洗いすぎや日焼けは禁物で睡眠が重要ということがよく分かりましたね。
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以下はこの本のポイントなどです。
・メタボの三高とは、「高身長、高学歴、高収入」ではありません。もっと怖い「高脂血症(脂質異常症)、高血糖、高血圧」がメタボの三高です。このうち二項目以上を満たしている人がメタボリックシンドロームと呼ばれるわけです。これらの項目に隠されているメッセージとはこういうことです。
・ウエストが太い・・・食べ過ぎ
・高脂血症 ・・・脂の摂り過ぎ
・高血糖 ・・・砂糖の摂り過ぎ
・高血圧 ・・・塩の摂り過ぎ
・肉の脂がだめといったのに、同じ動物性食品の青魚はなぜいいのでしょう?牛や豚、鶏などの動物は、体温がつねに一定に保たれていることから「恒温動物」と呼ばれています。そのため肉を室温でおいておくと脂肪分が白く固まってしまいます。一方、魚は外界の気温によって体温が変動するため「変温動物」と呼ばれています。冷たい水の中にいれば体温は下がりますが、脂肪分が固まってしまうことはありません。そのため、魚の脂は室温でもサラサラしているわけです。動物の肉の脂肪分やバターやラードが室温で固まってしまうということは、血管の中でも固まる可能性があるということです。これに対して、室温では固まらない魚の脂は血管の中でもサラサラと流れていくはずです。
・植物油から作られたマーガリンはバターよりも健康にいいと信じられてきました。私もそれを信じて子供の頃からマーガリン派でした。ところがです。植物油に水素を添加して人工的に固めたマーガリンは、血管の中で固まりやすい「トランス脂肪酸」を含んでいることがわかりました。WHOも、「トランス脂肪酸を多量に摂取すると悪玉コレステロールを増加させ心臓疾患のリスクを高める」として使用を規制するよう、2003年に勧告しています。あまり使わないに越したことはないでしょう。
・砂糖がたっぷり入った食品、たとえばケーキやチョコレート、アイスクリームなどを口にすると、食べた瞬間はハッピーな気分になり、そのあと眠気が襲ってきます。じつはこのとき、血糖値が急激に上がって140以上になっているのです。血中の糖分は血管の内皮細胞を傷つけます。それを修復しようとかさぶたができて動脈硬化を起こすのです。甘いものを食べて血糖値が上がっているときには、タバコ4本分血管が傷ついていると考えてください。また、血糖値が上がると、体は膵臓からインスリンを分泌して、糖を脂肪に作り替えます。こうして脂肪が蓄積されます。さらに糖分を摂り続けていると、インスリンも絶えず分泌され、脂肪は過剰になっていきます。そうすると、私たちの体はこれ以上無駄な脂肪を蓄えないように「飽食」の環境に適応していく。そう、インスリンにあまり反応しなくなるのです。そうなれば脂肪もたまりにくく、「食べても太らない体」を手に入れることができますね。これが糖尿病です。糖尿病にかかると自覚できないまま症状が進行していき、視力障害や神経障害などの合併症が現れるようになります。これがさらに進行して手足が壊死を起こしたり、失明の危機に瀕したりすることがあるのは、私たちの体が自らの生命を守るため抹消の部位から切り捨てていこうとするからです。私たちは病気になると「体が反乱を起こした」と嘆きますが、それは勘違いです。私たちが行った不摂生に対して、体はなんとか適用しようと努力してくれているのです。病気になったことを嘆き運命を呪うのではなく、病気を起こした自らの行いを改め、その行いを起こした自らの心を改めることが大切なのです。
・「塩の摂り過ぎが高血圧につながる」ことはよく知られた事実ではありますが、私は減塩どころか、塩を摂ること自体が毒であると考えています。油(脂)に砂糖にもいえることですが、本来、これらを調味料として用いる必要はないからです。「毒というのはいい過ぎだ」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。野生動物を観察してみてください。たとえば、ライオンがウサギを捕まえたときに塩をかけて食べるでしょうか?シマウマが草を食べるときにドレッシングをかけますか?いや、これは野生動物に限ったことではありません。人間の場合も、赤ちゃんが食べるごはん(ベビーフード)には塩を加えていませんね。自然に近い生き方をしている動物は、わざわざ食べ物に塩をかけたりすることはないのです。なぜなら、そうした肉や野菜の中に、もともと塩分が含まれているからです。厚生労働省が推奨する必要塩分量は1日1.5gですが、現代人の多くはその10倍、10~15gくらい摂っています。
・私たちが喫煙や暴飲暴食などの不摂生をすると、気管や消化管の粘膜が傷つきます。通常、傷のまわりの細胞が分裂して穴を塞ごうとするわけですが、不摂生を続けると細胞分裂のたびに「テロメア」がどんどんと短縮してしまい、やがて限界に達すると、それ以上細胞分裂ができなくなります。このとき、テロメアを複製する酵素(テロメラーゼ)を持っている修復細胞が生まれます。そう、これがガンなのです。ガンは私たちの命を奪う「乱暴者」のように思われていますが、じつは私たちの不摂生の尻拭いをするために現れてくれた修復細胞なのです。こうしたガンを起こす「不摂生」、つまり生活習慣は次の3つに集約できます。
1 喫煙
2 感染症
3 欧米化した食事
・タバコの吸いすぎが肺ガンのリスクを高めるということはよく知られていますが、これはタバコの煙を吸い込むことで気管の粘膜が傷ついて炎症を起こし、その修復のためにテロメアが短縮するからです。タバコの煙で傷ついた喉や肺に咽頭ガンや肺ガンを発症するのはこのためです。タバコを吸わなければ、咽頭ガンの90%、肺ガンの75%は発症しないのです。また、それだけではなく、食道ガンの50%、胃ガンの25%、そして大腸ガンの一部もじつはタバコが原因です。タバコの煙は飲むものではないのに、どうして消化管のガンが増えるのか?不思議に思う人もいるかもしれませんが、タバコを吸うときはたいていコーヒーやビールを飲むでしょう。こうしたタバコと飲食の組み合わせによって、タバコの煙は気管だけでなく消化管にも侵入していきます。コーヒーやビールと一緒にニコチンやタールを飲み込んでしまうので、食道ガンや胃ガンなどの消化管のガンも引き起こされやすくなるのです。言い換えれば、タバコさえ吸わないようになれば、かなりの割合でガンを減らすことができることがわかるでしょう。また、タバコは気管だけでなく、血管の内皮細胞も傷つけるため、心臓病や脳卒中の引き金になり、また老化の要因の一つにもなります。
・不摂生などが続き、ピロリ菌が胃のなかで増殖すると、胃炎や胃潰瘍が引き起こされ、その修復のために周囲の細胞が分裂します。ここで生活習慣を見直し、暴飲暴食と喫煙をやめれば、胃炎や胃潰瘍は起こらなくなりますが、ほとんどの人は不摂生をやめないでしょう。そこでテロメアが限界になったとき、救世主として胃ガン細胞が発現するのです。ピロリ菌は汚染された井戸水から感染するため、かつては日本人のほとんどがこの菌を持っていました。そのため、日本では胃ガンが多かったのですが、衛生環境の改善によって感染が減り、それに伴って胃ガンも激減しました。ピロリ菌は専門の病院で除菌することができるため、今後、胃ガンにかかる人はさらに減っていくでしょう。
・ウイルスに対する過剰反応のサイトカインで肝炎になり、肝炎を修復するときの過剰反応で肝硬変となり、肝硬変を治そうとして肝臓ガンになる-どれもこれも私たちの体が引き起こした過剰反応です。最近では衛生環境が良くなったので、肝炎ウイルス感染は非常に少なくなりました。そのため肝臓ガンはやや減りつつありますが、根本的には不摂生をやめることとともに、子供の頃から土や動物と触れあうことによって、免疫過剰を引き起こさないようにすることが必要です。
・問題になるのは、いわゆる欧米型の食事です。具体的には肉類や牛乳・乳製品などが該当しますが、これらの食品ばあり摂っていると食物繊維が不足するため、腸内の悪玉菌が繁殖しやすくなってしまいます。また、これらの食品には脂肪も多く含まれていますが、これは肝臓で分泌される胆汁酸で消化しなくてはなりません。胆汁酸が分泌されること自体は体の正常な反応ですが、腸内の悪玉菌に分解されると毒性を帯びた二次胆汁酸に変化し、つねに腸の粘膜を刺激するようになります。この刺激が続くことによって大腸ガンが発症すると考えられているのです。
・栄養状態が現代よりも悪かった昔は、女性の生理期間も短い傾向にありました。初潮の年齢が15歳くらいと遅く、逆に閉経は45歳くらいとかなり早かったわけです。これに加え、結婚年齢が早く、子供もたくさん産みました。初潮が始まって数年で嫁入りして、すぐに出産。閉経するまでに5~6人の子供を産み、1人の子に1年も2年も授乳をするのが普通だったでしょう。妊娠、授乳中は生理がないため、ほとんど生理がにまま閉経したのです。つまり、エストロゲンの分泌はとても少なかったので乳ガンが少なかった。これに対して現代は、栄養状態が良くなったこともあり、初潮の年齢が早く、閉経が遅くなりました。しかも、結婚年齢が遅くなり、未婚の人も増えました。こうした少子化が進んだ現代では、子供の数は一人くらいというのが普通でしょう。つまり、昔の人に比べると生理回数がずっと多いことになります。ということは、エストロゲンも生理期間中にひっきりなしに分泌されるわけです。こうしたエストロゲンの分泌によって乳管の上皮細胞のテロメアの消耗が進むと、ガン細胞が生まれやすくなります。しかも、ガン細胞は女性ホルモンを栄養にして増殖することがわかっています。女性ホルモンは「発ガン因子」でも「ガン促進因子」でもあるのです。
・私は2005年に「抗がんサプリメントの効果と副作用徹底懸賞!」という本を出しました。市販されている主なサプリメントの科学的データを仲間の医師たちと2年間にわたって徹底検証したのですが、その結果わかったことは「ガンに効くサプリメントはない」「効くのは野菜や果物の皮だけ」ということでした。ある程度予想していたこととはいえ、ここまで効かないとは私自身ショックでした。それが、野菜の皮から取った「ゴボウ茶」を広めるきっかけになったのです。
・私たちの皮膚は、①角質②皮脂③善玉菌という保護膜が、病原菌の侵入や紫外線などから身を守ってくれています。タオルやスポンジでゴシゴシと体を洗うことで、わざわざこうした保護膜を削ってしまっているわけです。これを毎日続けていると、皮膚は無防備な状態になります。皮膚のトラブルを回避し、改善させていくには、まず体を洗い過ぎる習慣を改めていくことが大事です。手のひらで石鹸を泡立てて、陰部や足の裏など汚れている部分をなで洗いするだけで十分。
・B波は皮膚ガンの引き金にもなりますから、夏に海で日焼けするなど、じつは自殺行為なのだとわかるでしょう。紫外線にもビタミンDを合成させ、骨を丈夫にしてくれるなど、プラスの効果はありますが、そのために必要な日光浴の時間は、「指先1本を10分間日に当てるだけでよい」といわれています。
・シミを取るための一番いい方法は、睡眠です。特に成長ホルモンが分泌される夜10時から深夜2時までは、睡眠のゴールデンタイムに当たります。この時間帯に睡眠をとるようにすると、メラニンが吸収されて肌が白くなる効果が得られます。
・私が考える心のアンチエイジングとは、少々大げさに聞こえるかもしれませんが、「死を覚悟して生きる」ことで初めて得られるものだということです。生きているものはいつか必ず死ぬのです。のんびりしている人でも、「余命1年」だといわれれば、自分が生きている間に何をするべきか真剣に考えるでしょう。その真剣さをつねに持つようにしたら、いやでも心に張りが出てきます。こうした心の張りが若さの源になり、行動力にもつながっていきます。
・何を食べればいいか?まずは、私たちの体に必要な栄養素が過不足なく含まれている「完全栄養」を摂ることを心がける。「人間の体と同じ組成の生き物を丸ごと食べる」ただこの一点を心がけるだけで、十分に条件が満たせるからです。実際、人間、豚、鳥、魚の胚から胎児までの「個体発生」の写真を比べてみると、ほとんど同じ姿をしていることがわかります。
・イワシやアジ、サンマなどの小型の青魚は水銀の害も少なく、脂は血管内で固まることがないので、理想的だといえます。もちろん、その際の目安となるのは「丸ごと食べる」ということ-。江戸時代の天ぷら屋さんは、こうした自然界の法則を経験的に知っていたため、「手一束」の魚しか使わなかったといわれています。一束というのは、手を握ったときの指4本分の幅のことをいいます。ですから、メゴチやハゼのような手のひらの中に入る小魚だけを対象にしていたのです。魚介類全体でいえば、イカとかエビもこれに当てはまるでしょう。たとえば、エビの天ぷらを揚げたら、身だけではなく頭も尻尾も全部食べるわけです。小魚の場合も、頭から内蔵、骨までいただく-こうした食べ方をすれば、魚も立派な完全栄養になることがわかるでしょう。
・白米がやめられない人はぬか漬けを一緒に食べてください。また、ごはんの代わりにパンを食べるときも、精製した白いパンではなく、全粒粉で作った茶色いパンを選ぶようにしてください。
・米ばかりでなく、野菜ももちろん丸ごと食べます。葉ごと、皮ごと、根っこごとです。
・驚く人もいるかもしれませんが、私はリンゴの皮はもちろん、みかんの皮も剥がずにいただいています。「みかんの皮なんて食べられるの?」といつも聞かれるのですが、キンカンやユズも皮を食べていますよね?マーマレードも皮ごとです。実際、中国ではミカンの皮のことを「陳皮」と呼んで漢方薬として用いてきました。いまも漢方薬の7割ほどにこの陳皮が入っているといわれています。
・野菜は「食べられたくない」、果物は「食べられたい」-じつはこれが野菜と果物の決定的な違いなのです。まず、果物がなぜ「食べられたい」と思っているのか、考えていきましょう。果物はだんだん熟してくると、実が赤くなり、いい香りがするようになります。また、糖度が増して甘くなってくるでしょう。まるで「私を見つけて食べて」といっているように思いませんか?実際、サルがやってきて果物をもいで食べますが、咀嚼できるのは甘い実の部分だけ。種は固いので、そのまま飲み込んでしまいます。このサルが一山越えて隣の土地で排泄すると、糞と一緒に種を落とすことになるでしょう。サルが種を運ぶことで果物は新しい土地でまた発芽し、成長することになる。つまり、繁殖地が広がることになるのです。特に大事なのは、「旬の時期に食べる」ということです。まだ種ができ上がっていないときに食べられると、その種は滅んでしまいまう。そのため、種ができあがっていない果物は食べられないように毒を持っているのです。
・一方、「食べられたくない」と思っている野菜は、毒を持っています。まず、葉物の野菜は保護色をしていて「アク」がありますね?これは「蓚酸(しゅうさん)」と呼ばれますが、特有のえぐみや苦みで身を守っているのです。生野菜を食べると蓚酸でおなかをこわすのです。昔の日本人が青野菜を必ずおひたしにして食べたのもそのためです。
・実は豆の中にも毒があるのをご存じでしょうか?「レクチン」と呼ばれ、体内に取り込まれると、消化吸収障害による下痢や嘔吐を引き起こします。多量に摂取すると血液が固まって命にもかかわる危険な成分です。こうしたレクチンの害をなくすには、しっかりと調理することが一番です。それにしても、豆にこのような強い毒性が含まれているのはなぜなのでしょうか?豆=植物の種が動物に簡単に食べられてしまっては、種族が存続できません。毒を保持することによって、種という生命のもとを守ろうとしているのです。
・痛風の原因は「プリン体」という物質で、細胞の遺伝子を作る働きが知られています。このプリン体が代謝されると結晶化して尿酸になりますが、これが足の関節の軟骨を刺激すると、ものすごい激痛に見舞われます。これが「痛風」です。実際に痛風を引き起こすのは、「細胞分裂の盛んなもの」「細胞数の多いもの」だと考えてください。具体的には、「動物の卵」と「植物の種や芽」が該当します。もちろん、同じ卵の中でもニワトリの卵ならば、あんなに大きいのに細胞はたった1個なのでさほど問題になりません。しかし、イクラになれば卵の数が一気に多くなり、プリン体の量はその100倍になります。これがさらにカズノコになれば1000倍、タラコになれば1万倍といったところでしょうか?つまり、卵の数が多くなればなるほどプリン体の数が増え、それとともに痛風になる可能性が増えてくるのです。ほかにも、プリン体は主に肝臓で代謝されるため、レバーなどにも多く含まれます。また、ビールにプリン体が多いのは、原料の「麦芽」が植物の「芽」に当たるからです。麦芽が含まれない発泡酒やワインなら大丈夫です。ブランデーは原料がブドウなので安全ですが、ウイスキーは麦芽が入っているので危険ということになります。なぜプリン体が痛風を起こすようになったかは、卵を食べられれば生物種はどんどん滅びていってしまいます。そこで、「卵をたくさん食べ過ぎたら病気になる」ようにプリン体という毒が仕込まれたのです。
・食事の量が寿命にどう影響するのか調べた実験がありますが、それによるとあらゆる動物で食事の量を増やしたり減らしたりしてみたところ、40%減らしたときが一番長生きで、平均1.5倍寿命が延びることがわかりました。もちろんこれは、人間にも当てはまります。
・イギリスのケンブリッジ大学の研究チームが2008年に男女2万人(45~79歳)を対象に健康調査を行ったところ、次の4つの習慣を持っている人は、そうした習慣がない人に比べて、死亡率が4分の1に、寿命が14年も長くなるという結果が得られました。
1 毎日30分程度の適度な運動をする
2 野菜と果物をこぶし5つ分(約300g)摂る
3 飲酒を適度に抑える
4 喫煙をしない
・激しい運動は体にいいどころか「早死に」の原因です。もちろん、ダイエットの効果もありません。なぜそういえるのか?運動の際にフル稼働する心臓に目を向けてみてください。あらゆる動物は、生まれてから死ぬまでに心臓が20億回拍動します。ゾウは100年、ネズミは数年しか生きませんが、生涯の拍動回数は同じ20億回。寿命の分しか拍動回数を用意していないのです。「スポーツは体にいい」と聞いて、普段運動をしない人が急に走ったりすれば、こうした心拍数を無駄に消費してしまうことがわかるでしょう。
・アメリカの医師フィリップ・マフェトンは、心臓に負担をかけないための最大心拍数は、普段運動している人なら「180マイナス年齢」。運動していない人は「170マイナス年齢」だといっています。たとえば、子供の頃からスポーツをやってきた人の中には、「スポーツ心臓」といって一般の人よりも心拍数が少ないタイプがいます。こういう人が20歳であれば、「マフェトンの公式」では、一度に160くらいに心拍数が上がっても構わないことになります。これに対し、普段運動をしない70歳のお年寄りであれば、100までの心拍数が運動時の限界ということになるでしょう。
・血液を全身に送り出すのは心臓の働きですが、抹消から心臓へと血液を運んでくれる機能はありません。そこで私たちは、歩くことによってふくらはぎの筋肉が収縮して、そのポンプ作用によって抹消に滞っている血液を心臓へと送り返しています。このふくらはぎこそが「第二の心臓」です。毎日しっかり歩いていさえいれば、ふくらはぎが自然と刺激されますから、ポンプ作用がしっかり働いて血液の流れが滞ることがありません。もちろん血流がスムーズであれば、女性の多い足のむくみ、冷え、肩こりなどに悩まされることもないでしょう。
・肩こりの原因は「使わな過ぎ」であるからです。肩甲骨は上半身の「骨盤」です。人類の祖先が四足歩行をしていたときに、上半身を支えていたのが肩甲骨周囲の筋肉なのです。体重の二分の一を支えなければならないわけですから、この一帯には多くの筋肉があります。人類が進化して二足歩行をするようになってからも、私たちの祖先は肩甲骨周囲の筋肉を使って畑を耕したり、薪を割ったりしてきました。つまり、昔の人たちのように上半身(肩甲骨)をしっかり使って生活していれば、肩こりになるようなことはありません。ところが、現代人はデスクワークばかりで上半身の筋肉を使わなくなってしまったため、古い血液がたまりやすくなり、肩こりが生じるようになりました。ということは、「四足歩行」を心がけるようにすることで肩こりに悩まされることはなくなるはずです-ちょっとビックリされたかもしれませんが、現代人が四足歩行でできることといえば、「床を拭く」ということです。
・成長ホルモンはノンレム睡眠のときにしか分泌されません。具体的にいえば、それは「夜の10時から夜中の2時まで」の時間帯です。この「睡眠のゴールデンタイム」の間に起きていたら、せっかくの成長ホルモンの恩恵をまったく受けることができません。いくらたっぷりと睡眠を取ろうが疲れが抜けきらず、知らないうちに老化が進んでいくことになるのです。
・睡眠時間を6時間取っている人が一番長寿だといわれていますから、夜9~10時台に寝て、朝の3~4時くらいに起きる生活がベストです。
<目次>
まえがき「二十歳」の若返りを実現した究極の方法
第1章 アンチエイジング実現の条件
あなたの健康年齢は何歳?
「人生百年計画」とは何か
人生の節目はすべて決まっている
平均寿命の延びには法則があった!
女30代、男40代がリスク年齢
細胞レベルで人生を考え直すと
人の細胞はなぜ50兆あるのか
寿命は何によって決まるのか
寿命が尽きる瞬間とは
「利己的な遺伝子」と寿命
なぜ寿命まで生きられないのか
ガンは必要があって生まれてくる
血管で何が起きているのか?
第2章 メタボの真実
50歳からは1歳ずつ若返る
メタボの本当の意味
大食いタレントはなぜヤセなのか
糖尿病は人間の進化の結果
まず「標準体重」を知る
内蔵脂肪がたまるのにも理由がある
おしりの大きさとメタボの関係
血管を傷つける内蔵脂肪からの毒
コレステロールに善玉悪玉はない
肉を食べないと健康になれる?
青魚の脂が血液をサラサラに
植物油でもマーガリンは危険!
砂糖の摂り過ぎがなぜ毒なのか
甘いものの誘惑を断ち切る方法
減塩で高血圧症が減らない理由
第3章 ガンは悪者ではない!
「増えたガン」と「減ったガン」
ガンが生まれる「3つの原因」
タバコで胃ガンになるのはなぜ?
ウイルス性ガン減少の理由
ウイルス感染=発病とは限らない
欧米型の食事がガンの最大要因
満月の夜に狼男が変身するわけ
乳ガンが急増した意外な理由
欧米女性は閉経後にも乳ガンに
ガンにならない体は若く美しい体
第4章 免疫を高め過ぎてはいけない!
ガンと免疫力の関係
免疫力が高い状態は軍事国家と同じ
インフルエンザで死ぬ理由
肝臓ガンの原因は過剰な免疫反応
免疫力より大事な「免疫寛容」とは
「無菌生活」から抜け出すと
肌は洗うとうるおわなくなる
誰でも実践できる花粉症の撃退法
かゆくてたまらないときは?
イメージトレーニングで健康に
第5章 「老い」にも「病気」にも意味がある!
健康は数値ではわからない
動物界ではオスが美しい理由
人間界で女性に求められるもの
「スモーカーズフェイス」の秘密
日光浴は老化させるのか
ハゲは人類の進化の証し
ストレスで毛が抜けてしまうわけ
加齢臭やフケはバロメーター
年頃の娘はなぜ父親を毛嫌いするか
「心・美・体」をいかに調和させるか
「心のアンチエイジング」に必要なもの
第6章 細胞から若返る食事術
アンチエイジングの第一歩とは
「完全栄養」を摂る簡単な方法
サプリメントで「完全栄養」は
丸ごと食べられる食材を
白米のごはんにぬか漬けを
野菜や果物は皮ごと食べる
ミカンの皮は漢方薬に
野菜と果物の決定的な違い
野菜を生で食べてはいけない理由
日本の農地を枯らした真犯人
根菜の栄養を上手に引き出す調理法
豆をしっかり煮る理由
卵に含まれている「毒」の正体
「腹6分目」が健康長寿の秘訣
「一汁一菜ダイエット」のすすめ
「飢餓」体験で寿命が延びる
毎日「こぶし5つ」の野菜を
寿命が14年延びる4つの習慣
グラス2杯のワインが健康の目安
ゴボウのアクに若返りの秘密が
アンチエイジングの秘薬とは何か
第7章 20歳若返るシンプル生活術
スポーツをすると健康になれない
運動をしてもやせないのはなぜ
歩くだけで燃える内蔵脂肪
電車で吊り革につかまらないと
肩こり解消に「四足歩行」
冷え性の人こそ体を冷やす
「乾布摩擦」の秘密
「風邪をひいたら安静」の間違い
長く寝るだけでは健康になれない
睡眠の「ゴールデンタイム」とは
早起きで幸せな気分になれるわけ
「幸福の総量」は決まっている
あとがき-危機のときに現れる「生命力遺伝子」とは何か
面白かった本まとめ(2013年上半期)
<今日の独り言>
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