<金曜は本の紹介>
「熱き心 寛斎の熱血語10カ条(山本寛斎)」の購入はコチラ
この本は、デザイナーでプロデューサーである山本寛斎さんが、その熱き心を、人生を振り返って、熱血語10カ条でまとめた本です。
新しい道を選ぶこと、夢を追いかけること、失敗しても必ず道はあること、好きなことに没頭すること、勝つべき理由を明確にすること、やりたいことはすべてやること等について書かれています。
と前向きな良い人生をおくるためのエッセンスがまとめられた本で、とてもお薦めです!!
なお、山本寛斎さんは、1971年ロンドンにおいて日本人として初めてファッションショーを開催し、74年パリ・コレクション、79年ニューヨーク・コレクションに参加し、近年は、ファッション・デザイナーの枠を超え、大型イベントのプロデューサーとして、93年モスクワ、95年ベトナム、97年インドにてスーパー・イベントを開催しています。
日本でも、2005年3月には「愛・地球博」の開幕イベントを手がけるなど、数万人にのぼるボランティアとともに創り上げた巨大なライブイベントを次々に発表し、熱狂的な支持を集めています。
以下は、特に良かったポイントなどです。
・10億円の夢を描けば、10億円を手にすることは可能なのだ。それは、あなたの夢に賛同する人があらわれるからだ。夢に向っていくあなたの真摯な姿勢に賛同して「お金を出そう」と言い出す人もいるかもしれない。「一緒にやろう」と協力を申し出る人もいるかもしれない。夢とは、そのぐらい価値があり、人を動かすことができるものなのだ。大切なのは、10億円を稼ぐ人間になることではなく、10億円分の夢を描くこと。そしてその大きい夢に見合うだけの大きい人間になっておくことである。
・人になんと言われようと信じる道を進めば、やがて活路が開かれるものである。ある時、デパートの重役から、「君は面白いかっこうをしているね。今度うちの渋谷店に君の作品を置いてみないか」と声をかけられた。願ってもないチャンスである。さっそく数着の服を作って納入したところ、なんと1週間で完売してしまったのだ。私の奇抜なファッションも、芸能人など流行に敏感な人たちからしだいに支持されるようになっていった。
・たしかにチャレンジにはリスクもある。だが、思いがけない力が出て、「自分はこんなものだ」というワクを飛び越えられる。自分ができると思えば、できる。できないと思えばできない。すべては自分の心の中のエネルギーしだいなのだ。だったら、そのエネルギーを最大限に引き出す生き方をしたほうがトクじゃないか。迷ったら、安易な道より、困難な道を選べ!やったことがあるほうより、まだやったことのないほうを選べ!そのほうが、人は、より大きく羽ばたけると信じている。
・私はデザイナーであると同時に経営者でもあったが、パリのショーで散在した上に、不況の波が私の会社を直撃したのである。その後に予定していたショーも、もはや資金繰りのメドが立たず打ち切りにせざるを得なかった。泣きっ面にハチとはこのことだ。まるで潮が引くように私の周りから人が去っていった。あれだけ私をチヤホヤしていた日本のファッション業界も、手のひらを返したように冷たくなった。街ですれ違っても、まるでボロ雑巾でも見るような目つきをされた。しかし、一番辛かったのは、裏切りや社会的な地位や名誉を失うことではない。私に貸したお金を買えせと迫ってくる人々は、私とはまったく価値観の違う別人種である。彼らは拝金主義の親玉のような人間たちで、ファッションやデザインといった創造の世界などまったく理解しない。そんな人間に「そろばん玉の上に正座しろ」などと命令されるのが、どれほど誇りを傷つけられることかと思い知った。人は、誇りを失った時には生きる気力をなくしてしまう。
・ある夜、私は突然こう思った。私は、まだ死んでないぞ。死んでないなら、新撰組の土方の道を行こうと思った。最期の力をふり絞って、もう一度生き直してみようと思ったのだ。死ぬと思えば死ぬ、生きると思えば生きる。遭難した登山家が奇跡の生還をとげる時もそうだと聞く。生きようという強烈な意志が、命をつなげるのである。家族にも心配をかけただろうが、私の伴侶は、さらりと一言「やり直しってあると思う」と言った。その言葉も私の背中を押してくれた。「神さま、マジにやります。もう一度未来をください」その年生まれた下の娘に「未来」と名付けたのは、その壮絶なる私の思いからである。
・人間の価値は失敗したかどうかで決まるのではない。その失敗から起き上がれるかどうかで決まるのだ。土方歳三なら、たぶん、そう言ってニヤリと笑ったんじゃないだろうか。
・今なら分かる。何事もないただ平和な人生など、のんべんだらりんとして退屈きわまりない。人生は山あり谷ありだから面白い。笑ったり泣いたりするから、生きることにワクワクできるのだ。失敗?ありがたいじゃないかと。
・日本には年間3万人以上の自殺者がいると聞く。やむにやまれぬ事情があったのだろう。けれど、私がそうだったように、どんなに四面楚歌、八方塞がりで、もうどうしようもないと思った時でも、生きてさえいれば必ずどこかに打つ手がある。道はひらける。もちろん、一足飛びにベストな道が見つかるわけではない。だが、現状よりほんの少しでもベターな道は必ずあるのだ。私の場合で言えば、自分で作った服をトランクに詰め、アメリカへ行商の旅に出た体験がそれにあたる。華やかなファッションショーは開けなかった。けれど、コツコツと地道なビジネスを続けることで、やがてもう一度開花する糸口を見つけることができたのだ。30歳の挫折の時、どん底の窮地にあっても「死」を選ばなかった新撰組の土方歳三の生き方に救われた。
・パリの失敗以降、生活態度を一変させた。二日酔いの毎日をきっぱりやめて早寝早起きの毎日だ。それが今まで続いている。接待などで遅くなることもあるが、普段は、たいてい10時には寝る。起きるのはだいたい5時。目がさめたら、暗がりでたたまれた服を手探りで順番に身につけていく。それから顔を洗って歯を磨く。朝食は自分で作るから、みそ汁のダシをとったり野菜の下ごしらえをするところまではやっておく。それから自転車に乗って犬と一緒に散歩に出発だ。眠いし、冬はまだ真っ暗だ。しかし、外へ出て朝の空気をスーッと吸った瞬間に、「ああ、早起きして良かった」と思う。そのまま近くの公園まで自転車を走らせ、公園内を1時間半ほどグルッと歩く。明け方の空のブルーか紫か分からないような色が、だんだんオレンジ色に変わり輝いてくる。土の匂いと樹木の緑の色が心地いい。そんな中で深呼吸していると、前日のストレスが吹き飛んでいく気がする。私の場合、スポーツジムで汗を流すより、自然とじかに接したほうが心にも身体にもいいようだ。身体を動かして血がカラダをぐるっと回ると、細胞の一つ一つが目覚めてくる。発想が変わってものごとをポジティブに考えられるようになる。運動を終えて家に帰る頃、空を見上げるとまだ月が残っている。ああ、人類はあそこまで行っているんだな。そう考えると勇気が出る。自分の悩みなど小さいと思える。こうして私の1日は始まる。この爽快さは、一度覚えたらなかなかやめられない。
<目次>
はじめに-夢を描かなければ、何も手に入らない
プロローグ 「熱き心」のルーツ
「自分だけの表現」を見つけた瞬間
ファッション・デザイナーになる夢
ロンドンでの大成功。ファッション界の革命児となる
”パリの挫折”が転機に
一着一着の服作りに、命がけの気迫を込める
ファッション・デザイナーだけでは、何か物足りない・・・・・
こんな熱いおっちゃん、見たことない
”熱血語”で語り、”熱き心”で生きよう!
1章 自己表現の秘訣
極意1 外見こそが最も重要な自己表現だ!
「我、何者なり」をアピールするのが、ファッション
他人と同じものを着るのは、誰かの意見に「私も同じ」と言っているようなもの。
他人の評価より、自分が最高の笑顔でいられる服を着よう。
美しい色が、人の心を奮い立たせる
「年相応の服装」なんて、誰が決めたの?
こだわりを貫き通すことで、その人のスタイルが印象づけられる。
どうコーディネイトするか迷った時は、まだ着たことの無い組み合わせを選ぼう。
オシャレに必要なのは、ブランド以上に、目の輝きや肌ツヤの”元気要素”だ。
極意2 才能を見つけるのは自分自身である
「空気を読む」ことばかり気にするな!自分を抑え込んでも虚しいだけだ。
「恥ずかしい」と思っているうちは、自分を伝えることはできない!
私の子育て法は「どんどんやれ!」やりたいことは「GO!GO!GO!」
どんどん外へ出て人と会おう!出会いが、人を磨き、成長させる。
第2章 夢と情熱の出発点
極意3 夢を叶えるコツは、狂ったように欲しがること
”モテたい””注目されたい”は健全な精神。それが夢の出発点だっていいじゃないか。
絶対に欲しい、何がなんでも欲しいと身をよじるくらい切望したことがあるか?
私は「異常」が好きだ。ケタはずれの夢と情熱を持つ人間が好きだ。
「やめよう」というブレーキより、「やろう」というアクセルを踏む人生のほうが面白い。
10億円あったら何がしたいかを常に考えろ!
夢を追いかけていれば、お金は後からついてくる
極意4 未来に前例などない。迷ったら新しいほうを選ぼう!
目の前に2つの道があったら、新しい道を選らぶ。たとえリスクをともなっても。
未来には「前例」などない。だからチャレンジするんじゃないか。
第3章 失敗や挫折という糧
極意5 人生には浮き沈みがある。だから退屈しない。
人間の価値は、成功か失敗かではなく、失敗から起き上がれるかで決まる!
死を覚悟するほどのどん底を知っていれば、すべてがありがたいと思える。
寂しい少年時代があったから、美しい世界に憧れた
不幸や苦しみを、親や家庭環境のせいにしてはいけない
どんな過去でも、必ず意味はある。消しゴムで消したい過去などない。
極意6 必ず道はある。最後まであきらめない人に未来は開かれる。
最悪の状況でも、安易に死を選ぶな。ベストはなくても、ベターな道は必ずある。
恐怖心とは幻影のようなもの。考え方しだいで、あっさりと消えてしまう。
10時に寝て、5時に起きる。早起きすれば、すべてが前向きになる。
それまでの自分と決別するなら、生活スタイルをガラリと変えよう!
4章 成功をつかむ行動学
極意7 好きなことに没頭しよう!そうすれば辛いことも苦にならない
義務感だけでこなす仕事は、大した成果を上げられない!
私は好きなことしかしない。なぜなら時間がもったいないからだ。
好きなことをやって飢え死にした人はいない
極意8 戦いの前に「勝つべき理由」を明確にせよ!
「100」の行動を起こして、「30」の成功体験を積み重ねよう!
秘書があわてて社長室に飛び込むような、そんな手紙を書こうじゃないか!
たとえ結果が「NO」でも、真剣勝負に挑んでいれば、やがて理解される時がくる!
大事な決断ほど、理屈ではなく直感に従おう。早朝、運動の後が、最もいい判断ができる。
予習・復習を忘れないから、人との出会いが濃密になる。
「やる!」と決めたら、とっとと取りに行け!
行き詰ったら、海外へ出ろ!
私たちが持つ”心エネルギー”は限りがない
単に「一生懸命やりました」ではダメだ。戦う前に、必ず勝てる理由を明確にせよ!
第5章 感動こそが財産
極意9 人生の目的はお金を拝むことではない
「これだけは譲れない」という信念を貫けるか
3000万円あったら、貯めるより、存分に使って、やりたいことをやろう!
自分を小さな枠に閉じ込めるな。やりたいことは、すべてやろう!
出演してくださる方にも最高の刺激を感じて欲しい
日本の祭りには”すさまじい遊び”がある。それが寛斎流スーパーショーの精神だ。
日本の資源は、人間のエネルギーと感性と知性だ!
お金をかけるだけが「スーパーショー」ではない。これからは、村祭りのようなショーをめざそう。
極意10 見たことのない「美」をとことん追求しよう
日本人は世界に誇れる美意識を持っている
日本の美しいものは世界でも通用する。日本人であることを誇れる時代がやってくるはずだ。
ファッションもモノ作りも、まず「人」ありき。21世紀は「人」の時代である。
お手本のない未来がやってくる。これからは、夢を持って自分で道を切り拓くしかない!
人生最期のその日は、「じゃあ、またね」と笑顔で逝きたい。
面白かった本まとめ(2007年)
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<今日の独り言>
今度はベートーベンの「エリーゼのために」をYoutubeへアップしてみました。良かった聴いてみてください。ちょっとカメラをピアノに近づけすぎですかね・・・。