グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

梅雨になると・・・

2010年06月02日 | 海の生物
早いものでアッと言う間に6月・・・6月と言えば梅雨・・・梅雨と言えば雨・・・
雨と言えば “アメフラシ“ (強引に持ってきてしまいました。)



ダイバーでなくても、この名前をご存じの方は多いと思います。
この名前の由来を調べると、“体内から出す紫色の液体が、水中で雨雲の様に見えるから“とありました。
私はてっきり、梅雨時に姿を現すので付けられた名前かと思っていたのですが、どうやら違っていたようです。

この液体、以前“癌の薬に利用できるのではないか?と研究が進められている”との記事も読んだ事があります。
その後、研究はどうなったのか?気になるところですね~。

さて横道に逸れましたが、この季節海の中には、数センチから数十センチにもなる色々な種類の“アメフラシ”が沢山発生します。
一部はタイドプール等にも入り、磯遊びに興じる子供達や一般の方達も目にする機会が増える事でしょう。
磯を歩いていて、知らずにグッニョッ!としたモノを踏み付け、更に紫色の液に驚かれた方も居るかも知れません。

これからが本格的な繁殖シーズンに入り、あちらこちらの浅場で交接をしています。
しかも雌雄同体の彼ら、何匹もが数珠つなぎになっている事も珍しくありません。
多い時には、7~8匹が連なっている事も有ります。

アメフラシに対するダイバーの反応は「キャ~気持ち悪い~!」と言う方が殆ど。
でも中には、とても気に入って「連れて帰りた~い!」と言う方もいらっしゃいました。

あまり注意深く見る人は少ないのですが、可愛いグリーンの目も有ります。



しかし、殆ど光を感じる程度で、実際にモノを見る役割は果たしていない様です。

さてアメフラシの仲間にウミウシと言うのが居ます。
こちらはアメフラシと違って、色や形も可愛いモノが沢山居ます。
ウミウシ好きのダイバーも多く、良い被写体となっています。

これは“ニシキウミウシ”
カラーバリエーションが多く、10cm以上の個体もいます。



“トゲトゲウミウシ“ 
手荒く触ると、この突起が取れてしまう事もあります。



“バライロマツカサウミウシ”
黄色いツブツブは卵、このホスト(アカガヤ)以外の所で見た事が有りません。



“アオウミウシ“ おそらく交接中



“キイロイボウミウシ“ 交接中
見辛いですが、2匹の間に透き通った交接管が判ると思います。



さて、広い海の中で動きの遅い彼ら、よく繁殖相手を見付けるものです。
以前は不思議でなりませんでした。

どうやら彼らは、自分の通った後に航跡を残している様です。
ナメクジが這った後にテカテカ光る筋が残りますが、あれと同じ様なものでしょう。

繁殖期になると仲間の残したシグナルを探して、相手を見付けるのです。
数少ないチャンスを逃さない為、雌雄同体という技?も身に付けたのかも知れません。
凄いですね。

文・画像  海チーム K・Y
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする