一昨日の鴻池の日記でも報告したように、昨日、おとといと2日間、
森林インストラクター東京会のメンバーの方4名とスタッフ全員で島を歩きました。
普通に歩くスピードの5~6倍の時間をかけて観察しながら歩いたので、
色々なものが見つかりました。
とてもその全てをここで報告しきれないので、今日はツアー中話題になった植物を、
日曜日に虫を、報告したいと思います。
さて、FITの皆さんの感想の中で一番多かったものが、様々な樹木の葉が厚くて大きい、
というものでした。
大島の植物にはなぜ、そのような特徴があるのでしょう?
本土より多い雨、強い風、保水性の無い土壌、競争する樹種の少なさ、などなど、
きっと様々な環境の違いが重なりあい“厚くて大きな葉”を作っていったのでしょうね。
葉だけではなく大きな実も話題になりました。
ツヤツヤした緑色の、ハチジョウキブシの実です。
本土のキブシよりかなり大きいようで、皆さん「大きい~!」と驚いていらっしゃいました。
ミツバアケビの若い葉が丸いことも本土と違うそうです。
本土のものはどの時期でも葉の縁がギザギザしているとのこと。
大島のミツバアケビは、春の初めは全て葉の縁がギザギザでしたが、
5月後半頃から丸い葉が増え始めました。
本土では全ての葉がいつもギザギザなのだそうです。
なぜ大島では、春遅くに延びだす葉は縁が丸くなるのでしょう?
本土には居て大島には居ない、ミツバアケビの葉の捕食者が、関係しているのでしょうか?
そしてもしそうだとしたら、その捕食者とは一体誰??
考えると興味がつきません。
次に皆さんから歓声があがったのは、この景色。
噴火のダメージから森が再生していく過程の初期の段階を見られる、1986年の溶岩流の上です。
この日は風に運ばれる霧が、まるで生き物の様に黒い溶岩の間をすり抜けて行きました。
三原山が見えないのは少し残念だけれど、これはこれで中々の迫力です。
ハチジョウイタドリ、ススキ、オオバヤシャブシなど成長の早い、荒地でも生きられるパイオニア植物達は、
毎年ドンドン緑を増やし、風景を変えていきます。
三原山がおよそ30年に一度の大噴火を繰り返し、溶岩を噴出する活火山だからこそ、
見ることができる貴重な景色です。
ちょうどこの場所で、火口周辺に新天地を求めて進出したシュスランの話をしていた時、
スタッフの成瀬が「あった~!」と声をあげました。
成瀬の視線の先では、溶岩の隙間にシュスランが葉をひろげていました。
カルデラの中のずいぶん広範囲に、進出しているのですね。
ここなら風も避けられるし、木漏れ日の入る森の中と条件が似ているので、生きやすそうです。
良い場所見つけたね~、頑張れシュスラン!
溶岩流の下のスコリア地帯では、ウツギの純白の花と、カジイチゴの艶やかなオレンジ色の実が、
黒と緑のモザイク模様の中に、彩りを添えていました。
とても美しい、胸がキュンと来るような光景でした。
そして、あたり一面に甘い香りが…。
皆で何の香りか探したら、ハチジョウイヌツゲの小さな花が、ひっそりと咲いていました。
2日目は、切り立った崖の海岸線を歩いてみました。
ここにも春らしい景色が広がっていました。
たとえば、海を背景に咲いていたタイトゴメの可愛い花。
既にガクアジサイも花盛り。カタツムリが絵になっていますね。
ヒメユズリハの、芽生えて間もない葉も沢山見つかりました。
楕円形の丸い葉を持つヒメユズリハですが、小さなうちは縁が少しギザギザしているのですね。
イヨカズラも満開。
あちらこちらで花をつけていました。
FITの中でとりわけ植物に詳しい方も、この花は初めて見たとのことでした。
昨年一緒に歩いた、植物調査を仕事にしている方達も、イヨカズラを見たがっていました。
…ということは、もしかしたら他ではあまり見られない貴重な植物なのでしょうか?
そういえば、島の西側ではかなり数が減ってきているような気も…。
大島のイヨカズラ、大切にしなければ、ですね。
今回、知識と経験豊かなFITの方達と交流できて、とても勉強になりました。
私が殆んど手をつけていないイネ科植物も、沢山教えていただきました。
今回参加されたFITの皆さん、ありがとうございました。
また是非大島を歩きにいらしてくださいね。
(カナ)
森林インストラクター東京会のメンバーの方4名とスタッフ全員で島を歩きました。
普通に歩くスピードの5~6倍の時間をかけて観察しながら歩いたので、
色々なものが見つかりました。
とてもその全てをここで報告しきれないので、今日はツアー中話題になった植物を、
日曜日に虫を、報告したいと思います。
さて、FITの皆さんの感想の中で一番多かったものが、様々な樹木の葉が厚くて大きい、
というものでした。
大島の植物にはなぜ、そのような特徴があるのでしょう?
本土より多い雨、強い風、保水性の無い土壌、競争する樹種の少なさ、などなど、
きっと様々な環境の違いが重なりあい“厚くて大きな葉”を作っていったのでしょうね。
葉だけではなく大きな実も話題になりました。
ツヤツヤした緑色の、ハチジョウキブシの実です。
本土のキブシよりかなり大きいようで、皆さん「大きい~!」と驚いていらっしゃいました。
ミツバアケビの若い葉が丸いことも本土と違うそうです。
本土のものはどの時期でも葉の縁がギザギザしているとのこと。
大島のミツバアケビは、春の初めは全て葉の縁がギザギザでしたが、
5月後半頃から丸い葉が増え始めました。
本土では全ての葉がいつもギザギザなのだそうです。
なぜ大島では、春遅くに延びだす葉は縁が丸くなるのでしょう?
本土には居て大島には居ない、ミツバアケビの葉の捕食者が、関係しているのでしょうか?
そしてもしそうだとしたら、その捕食者とは一体誰??
考えると興味がつきません。
次に皆さんから歓声があがったのは、この景色。
噴火のダメージから森が再生していく過程の初期の段階を見られる、1986年の溶岩流の上です。
この日は風に運ばれる霧が、まるで生き物の様に黒い溶岩の間をすり抜けて行きました。
三原山が見えないのは少し残念だけれど、これはこれで中々の迫力です。
ハチジョウイタドリ、ススキ、オオバヤシャブシなど成長の早い、荒地でも生きられるパイオニア植物達は、
毎年ドンドン緑を増やし、風景を変えていきます。
三原山がおよそ30年に一度の大噴火を繰り返し、溶岩を噴出する活火山だからこそ、
見ることができる貴重な景色です。
ちょうどこの場所で、火口周辺に新天地を求めて進出したシュスランの話をしていた時、
スタッフの成瀬が「あった~!」と声をあげました。
成瀬の視線の先では、溶岩の隙間にシュスランが葉をひろげていました。
カルデラの中のずいぶん広範囲に、進出しているのですね。
ここなら風も避けられるし、木漏れ日の入る森の中と条件が似ているので、生きやすそうです。
良い場所見つけたね~、頑張れシュスラン!
溶岩流の下のスコリア地帯では、ウツギの純白の花と、カジイチゴの艶やかなオレンジ色の実が、
黒と緑のモザイク模様の中に、彩りを添えていました。
とても美しい、胸がキュンと来るような光景でした。
そして、あたり一面に甘い香りが…。
皆で何の香りか探したら、ハチジョウイヌツゲの小さな花が、ひっそりと咲いていました。
2日目は、切り立った崖の海岸線を歩いてみました。
ここにも春らしい景色が広がっていました。
たとえば、海を背景に咲いていたタイトゴメの可愛い花。
既にガクアジサイも花盛り。カタツムリが絵になっていますね。
ヒメユズリハの、芽生えて間もない葉も沢山見つかりました。
楕円形の丸い葉を持つヒメユズリハですが、小さなうちは縁が少しギザギザしているのですね。
イヨカズラも満開。
あちらこちらで花をつけていました。
FITの中でとりわけ植物に詳しい方も、この花は初めて見たとのことでした。
昨年一緒に歩いた、植物調査を仕事にしている方達も、イヨカズラを見たがっていました。
…ということは、もしかしたら他ではあまり見られない貴重な植物なのでしょうか?
そういえば、島の西側ではかなり数が減ってきているような気も…。
大島のイヨカズラ、大切にしなければ、ですね。
今回、知識と経験豊かなFITの方達と交流できて、とても勉強になりました。
私が殆んど手をつけていないイネ科植物も、沢山教えていただきました。
今回参加されたFITの皆さん、ありがとうございました。
また是非大島を歩きにいらしてくださいね。
(カナ)