グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

季節来遊魚

2010年06月16日 | 海の生物

初めての書き込みになります、海スタッフの石田と言います。水中の常識・情報などを写真と共に書き込んでいきたいと思います。

 季節来遊魚?ダイビングをされている方には聞き慣れた言葉ですが、普通?の方には何のことやら???
陸上も同じですが、水中も季節によって見ることのできる生物が変わっていきます。
陸上生物の様に水中生物も温度によって棲み分けをしていますが、夏になれば沖縄などの熱い地域の生物が伊豆などの暖かい地域で見ることも出来ます。
長い距離を水中で泳いできたのか?人為的に運ばれたら?勿論それもあるかもしれませんが、多くは「黒潮」と呼ばれる潮にのってくることで長い距離を移動します。
私達の様に伊豆近海で潜っている人にとって、沖縄など見ることの出来る魚はなかなか見る事が出来ません。
しかしこれぐらいの季節(6月~)から黒潮が伊豆近海に近づく事によって、本人?の意思にかかわらず潮にのってしまい彼達にとっては寒~い伊豆まで来てしまうのです。
その魚たちを季節来遊魚と呼んでいます。以前は死滅回遊魚なんて呼ばれていましたが、死滅という言葉が悪かったのか少し前に変わってしまいました、そっちの方がなじみがあったのですけどね。
その季節来遊魚の代表格といえば、ツユベラやカンムリベラなどのベラの仲間です。

この写真はその幼魚になります、伊豆近海では幼魚しか見る事が出来ません。
何故か?彼達は冬になり水温が下がってしまうと寒さのせいで死んでしまうからなんです。
ただここ最近の温暖化の影響か?時折冬を越える個体も出てきます、今年もカンムリベラの幼魚が一匹だけ越冬してまだ頑張っています。
どちらにせよ相手がいないので繁殖する事はできませんが、もう一冬越せれば大人になれるかも?
今年は黒潮が例年より近く、季節来遊魚が期待できますね~。今年は何がやって来るのかな?

コメント
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