昨日、デザイン事務所を経営されているデザイナーのご夫婦と、三原山を歩きました。
歩きはじめは霧で山が隠れていましたが、春の森は何か楽しいものが見つかりそうでワクワクしながら歩き出しました。
歩きはじめて間もなく、葉の下にひっそりと咲く小さなメギの花に気がつきました。
葉っぱにキラキラの雨粒が乗っていて、可愛さ倍増です!
こんなものも、木に引っかかっていました!
10cmないような小さな鳥の巣…中は座り心地が良さそうなのに、表面はボコボコです。
なにを編み込んでいるのでしょう? 木の枝に、コケ、そして黄色の丸いものは?
う~ん、拡大して見てもなんだかわかりません。それにしても、こんな鳥の巣見たの初めてです。きれいに飾り立てているつもり??
オオモミジの小さな花も咲いていました!
これまた小さい。5mmぐらいです。かわいい~。
激写~。
わ~、サルトリイバラますます満開!これまたかわいい~!
…とまあこんなふうに、春の森を歩くと次々に小さな花が見つかって、ちっとも前に進みません(笑)が、それでも少しずつ歩いているうちに、前方の白い霧が流れて景色が見えてきました。
まるで劇場の幕が開くみたいに、ゴツゴツ溶岩と黒い山が現れました。
「カッコいい~!」「素敵~!」by全員。…なんとも素敵な演出です。
ゴツゴツ溶岩の上を歩きながら…「夜、しゃべっているかも」と奥様。その気持ち、すごく良くわかります!
緑の中からニョキニョキ立ち上がる溶岩を見ていると、影絵の登場人物達が集まって劇をしているように思えますよね!
このあと裏砂漠で空を見上げて寝転び、モクモク湯気にあたり、火口一周コースを歩きました。
伊豆諸島の島々は霞んでいて一番近くの利島しか見えませんでしたが、海全体が銀色に光って渋~い景色を作っていました。
青空と青い海も良いけれど、これはこれで本当に素敵です。「自然はすごいよ。人間は決して真似できない。だって同じ景色って2度とないんだから。」と奥さん。(同感です!)
私の大好きなタヌキの尻尾(シマタヌキランの花です)に囲まれながら、昼食!
この茶色のフサフサが元気に咲き誇っている景色を見ると、なんとも幸せな気分になるんですよね。だってこのキビシい環境に生きる、伊豆諸島固有の植物なのですから。(3年前の日記にシマタヌキランの花についてくわしく書いてあります。興味のあるかたはご覧ください。http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/e/801ff3845f17f07b4e22390b366756a1)
奥さんはこの日、歩きながら「枯山水の庭に溶岩をいかが?って感じだね」とも語っていました。
枯山水…さすがデザインを仕事にしている方の感性ですね。
小さな祠にお参りもしてくれました。
「大島を守ってください」という言葉が、嬉しかったです。
また、旦那さんの発見の数々も面白かったです。例えば「何ですかこれ?」と聞かれて振り返ったとき、目に入ったものは…
いつも見慣れた木の杭でした(笑)。
旦那さんの疑問は「なんでここだけ出っ張っているんですか?これ枝の部分だけが丈夫で残ったんですよね?他が腐ってだんだんはがれたんじゃないですか?」…今まで、何回もこの杭を見ていたはずなのに、このことを疑問に思ったことは一度もありませんでした。デザインを仕事にしている人には「普段と違う形」を認識する力があるのかも…?
それにしても、こういう質問があるからガイドって面白くてやめられません。確かに、あらためて観察してみたらこれって…
休憩の時に、すごく役立ちそうですよね!(笑)
旦那さんは、5mmぐらいの緑の虫が砂の上をぴょんぴょん飛んでいるのも見つけてくれました。(目が良いです)この鮮やかな色をご覧ください!
「名前、調べておいてくださいね。」と言われましたが、正確にはわかりませんでした。ミドリグンバイウンカで良いのかなぁ…?
終点近くの草むらで、キョンに食べられて枝だけになっていたツルマサキに、新しい葉がどんどん出て来ているのに気がつきました。
「これじゃ~、キョン、増えるわ。植物たくましいもん。」と奥さん。確かに…噴火で焼かれてもどんどん再生するたくましい植物たちですから、動物に食べられたぐらいではへこたれないですよね。
毎日ぐんぐん伸びる若い葉や、元気に動き始めた虫達や、鳴き交わす鳥の声を楽しみながら、GWツアー続行中です!
(カナ)