5月20日、幕張で開かれた地球惑星会議のジオパークセッションに参加してきました。
9時~15時40分まで、世界ジオパークに申請する3地域と、日本ジオパークに申請する10地域のプレゼンテーションと、質疑応答が行われました。
360席用意された椅子がほぼ満席状態になるほど、沢山の人が聞きに来ていました。

ジオパークの短期間での拡大ぶりに、目を見張る思いです。
プレゼンテーションの最初に日本ジオパーク委員会事務局の渡辺真人氏の講演がありました。
渡辺氏の語る「日本ジオパークネットワークのメンバー」とは?
1活動の根本にジオ(地球科学的)なものがあり、それを保存していること。
2ジオと人との関わりを伝える
3持続可能な地域の営みを探す
4地域の人が地域の価値を再発見できる場所となる
5各地域がネットワークの一員としてともにジオパークの価値を高める
以前よりもいっそう、ジオパークネットワーク全体への貢献が求められているように感じました。
これ以外に各地からのポスター発表があり、昼休みからなかなかの賑わい。

発表者がそばについて説明する夕方の時間は、もっとずっと混んでいて歩きにくいぐらいでした。
大島からは2つ。
ジオデータミュージアムの取り組みと…

先日のロゲイニング大会をまとめて発表しました。

写真を見ての「楽しそうですね」という感想とともに「オリエンテーリングとどう違うんですか?」という質問も数人からありました。各地の参考になると良いのですけれど…。
日本各地から関係者が集まるこの会場は、貴重な情報交換の場でもあります。発表のため会場に来ていたホテル椿園(IN大島)の娘さん(地震学会)から、最近話題の赤色立体図の作者、千葉さんを紹介してもらいました。

千葉さんは1986年の大島の噴火のとき、ずっと大島に滞在していたとのこと。
お話もとても面白く、いつかぜひ大島に来て語っていただきたいと思いました。
伊豆半島のジオガシ旅行団の人たちも、ブースを出してジオガシを売っていました。
地層を模したお菓子全種類が入ったコンプリートボックスを300箱も作ったのだそうです。

白い壁が、地層になっています!
頑張ったなぁ~。
ところで、13地域の発表を聞いてメモった内容を、少し自分でも調べてまとめてみたので、印象に残った発表者の言葉とともに紹介します。
以後文字のみですが「どんな地域がどんな理由でジオパークに申請しているのか?」に興味のある方はお読みください。
世界ジオパーク申請地域3カ所
霧島(鹿児島県、宮崎県)
2011年1月に噴火した活火山。プレートの沈み込み帯に並んだ火山が並んでいるのが目で見えるのが特徴。山によって植生が異なる。現在、防災ポスター、登山者用のサイレン、登山の届出制度などで安全対策実施中。「新燃岳の噴火は自治体が結束し、人と人がつながるきっかけになった。」とのこと。
白山手取川(石川県)
世界で最も低緯度の豪雪地帯。 盛り上がろうとする山を雪や雨が削る。白山は水が山を削るスピードが速い地域。地域の人は上手に水害とつき合いながら歴史を作ってきた。「ジオパークをはじめたことで、地域の人が足もとに素晴らしい財産があると気づきはじめた。」とのこと。
アポイ岳(北海道)
私たちが暮らす地殻のさらに下にある岩「マントル」が、プレート同士の衝突で地下から上がって来て、山を作ったのがアポイ岳。地球の内部の岩を、目の前で見られる貴重な場所。低緯度ながら高山植物が見られて有名。採石が持続可能かは検討のしどころ。
日本ジオパーク10カ所
本部半島(沖縄県)
プレートの移動で、サンゴの死骸などが海底にたまり、石灰化して本部の大地を作った。石灰岩は水に溶けやすく雨で削られてできた様々な地形が見られる。
佐渡(新潟県)
プレートの動きで東西からぎゅうぎゅう押されることで、300万年かかって今の形(傾いた“N"のよう)になった佐渡。古い地層の中に化石も見つかるし、金山の歴史もジオ。「ホントの意味での佐渡を子ども達に教えたい。」とのこと。
四国西予(愛媛県)
海抜0m~1400mまでの多様な自然、文化が特徴。黒瀬川周辺からは約4億2500年前のサンゴや三葉虫の化石が見つかり、ここが幻の古大陸だった可能性も!?
桜島(鹿児島県)
ここ3年間は年間1000回以上噴火している活発な火山。火山活動が自然や歴史、文化、産業に大きな影響を与えながら、60万都市と共存してきた点が最大の特徴。「火山と人と自然のつながりを全てのジオサイトで語れる。」とのこと。
豊後大野(大分県)
阿蘇火山の巨大噴火から9万年。厚い火砕流がこの地域をおおい、冷え固まって70mの柱のような崖や滝を作った。こうしてできた岩は加工しやすく粘りがあり、アーチ型の石橋や磨崖仏(まがいぶつ)など、独特な文化を発展させた。
三陸(青森県、岩手県、宮城県)
青森県八戸市から岩手県の沿岸全域、宮城県気仙沼市までが対象エリア。多様なジオを持ち申請準備中だったが東日本大震災で被災。災害からの復興そのものがジオパーク。災害遺構をジオサイトにしていくかは検討中の地域が多いらしい。
三笠(北海道)
今から5000万年前に生息した植物がもとになってできた地層から掘り出された石炭で栄えた町。同一地域の地層の年代や地形を比べることで、これらが産業や人の歴史に深く関わるという、ジオ物語を楽しめる。
とかち鹿追(北海道)
冬零下30°夏35°の温度差が独特の生態系や産業を育んだ。小規模な溶岩ドームが密集する“単成火山群”によって川がせき止められてできたとされる「然別湖」、日本最大規模の「風穴地帯」、日本最古の可能性がある「永久凍土」など。
姫島(大分)
一周17kmの火山島。灰石色の黒曜石がとれる神秘の島(黒曜石は普通黒い)。小さいが故に様々な環境が一度に見られる。
美祢市(山口県)
石灰岩が長い年月の間、雨水に溶かされてできる独特の凹凸(カルスト地形)で有名な秋吉台のほか450を越える鍾乳洞がある。3億年前にサンゴ礁だったといわれ、様々な化石も見つかっている。石炭、銅などの産業の歴史もある。
(カナ)
9時~15時40分まで、世界ジオパークに申請する3地域と、日本ジオパークに申請する10地域のプレゼンテーションと、質疑応答が行われました。
360席用意された椅子がほぼ満席状態になるほど、沢山の人が聞きに来ていました。

ジオパークの短期間での拡大ぶりに、目を見張る思いです。
プレゼンテーションの最初に日本ジオパーク委員会事務局の渡辺真人氏の講演がありました。
渡辺氏の語る「日本ジオパークネットワークのメンバー」とは?
1活動の根本にジオ(地球科学的)なものがあり、それを保存していること。
2ジオと人との関わりを伝える
3持続可能な地域の営みを探す
4地域の人が地域の価値を再発見できる場所となる
5各地域がネットワークの一員としてともにジオパークの価値を高める
以前よりもいっそう、ジオパークネットワーク全体への貢献が求められているように感じました。
これ以外に各地からのポスター発表があり、昼休みからなかなかの賑わい。

発表者がそばについて説明する夕方の時間は、もっとずっと混んでいて歩きにくいぐらいでした。
大島からは2つ。
ジオデータミュージアムの取り組みと…

先日のロゲイニング大会をまとめて発表しました。

写真を見ての「楽しそうですね」という感想とともに「オリエンテーリングとどう違うんですか?」という質問も数人からありました。各地の参考になると良いのですけれど…。
日本各地から関係者が集まるこの会場は、貴重な情報交換の場でもあります。発表のため会場に来ていたホテル椿園(IN大島)の娘さん(地震学会)から、最近話題の赤色立体図の作者、千葉さんを紹介してもらいました。

千葉さんは1986年の大島の噴火のとき、ずっと大島に滞在していたとのこと。
お話もとても面白く、いつかぜひ大島に来て語っていただきたいと思いました。
伊豆半島のジオガシ旅行団の人たちも、ブースを出してジオガシを売っていました。
地層を模したお菓子全種類が入ったコンプリートボックスを300箱も作ったのだそうです。

白い壁が、地層になっています!
頑張ったなぁ~。
ところで、13地域の発表を聞いてメモった内容を、少し自分でも調べてまとめてみたので、印象に残った発表者の言葉とともに紹介します。
以後文字のみですが「どんな地域がどんな理由でジオパークに申請しているのか?」に興味のある方はお読みください。
世界ジオパーク申請地域3カ所
霧島(鹿児島県、宮崎県)
2011年1月に噴火した活火山。プレートの沈み込み帯に並んだ火山が並んでいるのが目で見えるのが特徴。山によって植生が異なる。現在、防災ポスター、登山者用のサイレン、登山の届出制度などで安全対策実施中。「新燃岳の噴火は自治体が結束し、人と人がつながるきっかけになった。」とのこと。
白山手取川(石川県)
世界で最も低緯度の豪雪地帯。 盛り上がろうとする山を雪や雨が削る。白山は水が山を削るスピードが速い地域。地域の人は上手に水害とつき合いながら歴史を作ってきた。「ジオパークをはじめたことで、地域の人が足もとに素晴らしい財産があると気づきはじめた。」とのこと。
アポイ岳(北海道)
私たちが暮らす地殻のさらに下にある岩「マントル」が、プレート同士の衝突で地下から上がって来て、山を作ったのがアポイ岳。地球の内部の岩を、目の前で見られる貴重な場所。低緯度ながら高山植物が見られて有名。採石が持続可能かは検討のしどころ。
日本ジオパーク10カ所
本部半島(沖縄県)
プレートの移動で、サンゴの死骸などが海底にたまり、石灰化して本部の大地を作った。石灰岩は水に溶けやすく雨で削られてできた様々な地形が見られる。
佐渡(新潟県)
プレートの動きで東西からぎゅうぎゅう押されることで、300万年かかって今の形(傾いた“N"のよう)になった佐渡。古い地層の中に化石も見つかるし、金山の歴史もジオ。「ホントの意味での佐渡を子ども達に教えたい。」とのこと。
四国西予(愛媛県)
海抜0m~1400mまでの多様な自然、文化が特徴。黒瀬川周辺からは約4億2500年前のサンゴや三葉虫の化石が見つかり、ここが幻の古大陸だった可能性も!?
桜島(鹿児島県)
ここ3年間は年間1000回以上噴火している活発な火山。火山活動が自然や歴史、文化、産業に大きな影響を与えながら、60万都市と共存してきた点が最大の特徴。「火山と人と自然のつながりを全てのジオサイトで語れる。」とのこと。
豊後大野(大分県)
阿蘇火山の巨大噴火から9万年。厚い火砕流がこの地域をおおい、冷え固まって70mの柱のような崖や滝を作った。こうしてできた岩は加工しやすく粘りがあり、アーチ型の石橋や磨崖仏(まがいぶつ)など、独特な文化を発展させた。
三陸(青森県、岩手県、宮城県)
青森県八戸市から岩手県の沿岸全域、宮城県気仙沼市までが対象エリア。多様なジオを持ち申請準備中だったが東日本大震災で被災。災害からの復興そのものがジオパーク。災害遺構をジオサイトにしていくかは検討中の地域が多いらしい。
三笠(北海道)
今から5000万年前に生息した植物がもとになってできた地層から掘り出された石炭で栄えた町。同一地域の地層の年代や地形を比べることで、これらが産業や人の歴史に深く関わるという、ジオ物語を楽しめる。
とかち鹿追(北海道)
冬零下30°夏35°の温度差が独特の生態系や産業を育んだ。小規模な溶岩ドームが密集する“単成火山群”によって川がせき止められてできたとされる「然別湖」、日本最大規模の「風穴地帯」、日本最古の可能性がある「永久凍土」など。
姫島(大分)
一周17kmの火山島。灰石色の黒曜石がとれる神秘の島(黒曜石は普通黒い)。小さいが故に様々な環境が一度に見られる。
美祢市(山口県)
石灰岩が長い年月の間、雨水に溶かされてできる独特の凹凸(カルスト地形)で有名な秋吉台のほか450を越える鍾乳洞がある。3億年前にサンゴ礁だったといわれ、様々な化石も見つかっている。石炭、銅などの産業の歴史もある。
(カナ)