グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

スゴイ場面

2013年05月09日 | ツアー
一昨日のツアーは、一人旅の女性(Nさん)とのノンビリツアーでした。
空は青空、ツツジは華やか、そしてNさんは、素敵なセンスの持ち主でした。

「火口から流れて来た大きな大きな溶岩は、なんで山の斜面を流れてしまわずに残ったのか?」のクイズに対しても、初の一発回答!

「斜面で流れが急になって厚みがなくなり、浮かべられなくなったんじゃないですか?」
(スゴイ、良くわかりますね!)

ここで写真を撮る感性も素敵です!

ちょっと庭におきたいような、イタドリON溶岩(笑)

そうそう、この日のツアーでは、葉の真ん中に花が咲く「ハナイカダ」をぜひ見ていただきたくて立ち寄りました。いつもは葉の上から見るだけでしたが…

裏から見ると、意外に葉が薄くて、光を通してキレイだということに気がつきました。
爽やかなグリーンで、葉の周りのトゲトゲもキラキラしてます。花は影絵状態(笑)

花と気づかないぐらい小さいけれど、よく見ると立派な花です。


ところで私は一昨日のツアーで、一生に一度あるかないかの(大げさ?)スゴイ場面に遭遇しました!
それは、ツツジが彩りはじめたパホイホイ溶岩の丘を鑑賞した直後のこと…

なにやら足もとにモゾモゾ動く、小さな虫を見つけたのです。

数10匹いたのではないかと思います。薄茶の小さな虫が、ある一カ所からウワ~っという感じで拡散していきました。(と、いうか私たちに気がついて逃げていきました)

「何?」

近づいて良く見たら、バッタの子どもたちでした。

逃げそびれた数匹が、発生場所と思われる場所の溶岩につかまって、こちらを見上げています。人の爪より小さい…かわいいです!

「トノサマバッタの幼虫が孵ったんだ!」

実は以前、三原山周辺の細かい溶岩の上で数回トノサマバッタの交尾、産卵を観察しています。

2011年9月には、交尾シーンを目撃しました。


2010年9月と2011年9~11月に計4回、産卵シーンに出会いました。

産卵管を地面に突きさして、私たちが近づいても逃げることもなく、頑張って産んでいました。

そして2011年の9月には、前日にバッタが産卵していた場所を掘ってみたら、地表面から3cmのところにオレンジ色のツブツブ卵を確認しました。

そんな数年前の記憶が一気に蘇りました。
「もしかしたら溶岩の下に卵があるかも!」

バッタの赤ちゃん達が這い出て来た溶岩をどけてみたら…
ありました!

溶岩とは明らかに質の違う、白いツブツブ。卵に違いありません!
きっと卵から出てきて、地上に這い上がったばかりだったのでしょう。

バッタの子ども達は見る見る間に、バラバラの方向に散っていきました。地面にはコニワハンミョウなど獰猛なハンターがウロウロしているから、生き残れる者はわずかに違いありません。頑張れ~子ども達!

それにしても、今まで散々歩いていた場所にトノサマバッタの卵が産みつけられていたなんて…よくつぶれなかったなぁ…。

三原山が短い周期で噴火して天然の野焼きをするからこそ見ることができる三原山周辺のススキ野原。そしてススキを餌にするトノサマバッタたち。ジオですね~。

そのバッタ達の交尾、産卵、卵、孵化をフィールドで見ることができるなんて…とても嬉しいです。なんとも絶妙な、タイミングに感謝です!

あれれ?ツアー報告のつもりが、バッタについて熱く語ってしまいました(笑)

でもとにかく、楽しかったです!

(カナ)



コメント
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