7月25日〜27日まで、R高校の研修(のうちの数時間)を案内しました。
R高校は茨城県にあるSSH指定校。
秋にハワイ島に調査にいくそうで、今回はその練習もかねて、筑波大学の上條先生を講師に迎えての3日間の研修だったようです。
上條先生は火山地質と植物の生態をテーマに伊豆諸島全体を研究されている方で、伊豆大島のジオガイド講習でも講師を務めてくださっています。
この3日間の間に、様々な「へ〜!」と思う気づきがあり、幸せな時間を過ごしました。
今日のブログはその「へ〜!」をまとめてみたいと思います。
1日目
スダジイの巨木がひしめく大宮神社へ。
最初は、10mの四角を作って、その中の植生分布を調べる実習でした。
上條先生は、まだ芽生えたばかりの小さな葉を、どんどん見分けて名前を言っていきます。
すごいスピード…以前も調査に同行させていただいてその早さに驚きましたが、再び感動〜😃
頭上高く伸びた巨木(スダジイ)。
この木の高さを測る実習では…
測りたい木からメジャーを伸ばして、そこから木のテッペンまでの角度を測って計算。
約20mとのことでした!(7階建てのマンションぐらい?)
続いてちょっぴり砂浜へ。
上條先生、迷わず靴を脱いで海の中へ!
普通は学生さんが裸足になり、先生が見ている…というパターンが多いのですが…
逆でした〜😃
2日目
車の前を横断するヘビ(アオダイショウ)を見つけて慌てて車を止めたところ、上條先生が素早く外に出てアッという間にヘビを捕まえてくれました。
「ヘビの動きを妨げないようにそっと持つと良い」と、学生さんに教えています😃
最初は見ているだけだった学生さんも、ついに…
ヘビ使いに!?😃
桜株の前の道には、オオバエゴノキの実がたくさん落ちていました。
私は、これらの実は全てタイワンリスが食い散らかしたのだろうと思っていたのですが…
左はヤマガラが食べたのだろうとのこと。
ヤマガラという鳥は、このように中身を綺麗にほじって食べるのだそうです!
オオバエゴノキの実は毒だけれど、外皮ほど毒があり身を包む薄い皮は毒が弱いのだそう。
「イガイガして舌が痺れる感じがするので、これは絶対食べない方が良いです」と教えてもらいました😆
桜株の木の下が、ヨウシュヤマゴボウという植物で覆われていたので驚きました!
あたり一面、ヨウシュヤマゴボウ…こんなに群生しているのは見たことがありません。
全草毒があると言われるヨウシュヤマゴボウがこれほど繁殖したのは「他の食べやすい植物をキョン(動物園から逃げた小型の鹿)が食べてしまったからではないか?」と上條先生。
他にもシマヤマブキショウマなどのキョンが好む植物が激減しているそうです。
言われてみれば…確かに今まであった場所で、今年はほとんど花を見ていないような…。
意識して見ていないと気づかないけれど、実は危機に瀕している植物がいくつもあるのだな…と、改めて思いました。
大島の夏を彩るラセイタタマアジサイの群生地にも立ち寄りました。
人の顔より大きな葉っぱ!
この大きさは、伊豆諸島全体の中で、最も大きいサイズだそう(同じサイズは他の島にもあるとのこと)
「湿度があり、日が当たるけれども日陰もできるこの場所は、ラセイタタマアジサイにとって最適な環境なのだろう」とのことでした。(太陽が当たるすぎると葉から水分が蒸発してしまうので、あまり葉を大きくできないし、逆に太陽が当たらないと光合成ができず、大きくなれないのだそうで、ここは絶妙なバランスで好条件が保たれている場所らしいです)
3日目
裏砂漠で、カラスたちが数10羽集まっていました!
黒い大地に黒いカラスが点在する風景が面白くて、みんなで写真を撮りました。
「若いカラスが集まっているんだと思います」と上條先生。
この後しばらくしたら、一斉に空を飛び回り、どこかに行ってしまいました。
いつも風が強い裏砂漠で、たくましく根を張り、他の植物の住処を作るハチジョウイタドリの緑の塊は…
人間にとっても、お茶を飲むのに最適な場所を作ってくれます。
イタドリに感謝しながら、時を過ごし…
帰り道は、植物の根の違いの講義。
「地面に落ちていたススキの根は、菌根菌が中にいるので柔らかい」と教えてもらいました。
菌根菌は植物の根と共生している菌で、9割の植物には菌根菌がいると言われているそう。
昔は培養しないと調べられなかったものが、今は根をすりつぶし分析すると、どの菌がいるかわかるようになったそうです!
でもハチジョウイタドリには菌根菌が見つかっておらず、自力で丈夫な長い根を伸ばして頑張るタイプ。
そしてオオバヤシャブシは、根粒菌という細菌(菌とは違う)と共生しているタイプ。
荒地に一番乗りで入り込む植物たちが、それそれ個性的な生き方をしている、というところが面白かったです。
海岸では肉厚の葉を持つ植物を観察。(写真はタイトゴメ)
CAM型光合成について、みんなで話し合っていました。(実は初めて聞いた言葉で、後から調べました(^◇^;)
波浮港で生徒さんのリクエストのタイ焼きを食べ、しっかり地層も写真に撮って3日間の行程を無事終えました。
いや〜、いっぱい色々な話が聞けて面白かったです。
(あ、一応ガイドらしく(?)火山の話はしました〜^^;)
今回の伊豆大島での経験を生かして、学生さんたちのハワイ研修が、実り多いものになりますように!😃
(かな)
R高校は茨城県にあるSSH指定校。
秋にハワイ島に調査にいくそうで、今回はその練習もかねて、筑波大学の上條先生を講師に迎えての3日間の研修だったようです。
上條先生は火山地質と植物の生態をテーマに伊豆諸島全体を研究されている方で、伊豆大島のジオガイド講習でも講師を務めてくださっています。
この3日間の間に、様々な「へ〜!」と思う気づきがあり、幸せな時間を過ごしました。
今日のブログはその「へ〜!」をまとめてみたいと思います。
1日目
スダジイの巨木がひしめく大宮神社へ。
最初は、10mの四角を作って、その中の植生分布を調べる実習でした。
上條先生は、まだ芽生えたばかりの小さな葉を、どんどん見分けて名前を言っていきます。
すごいスピード…以前も調査に同行させていただいてその早さに驚きましたが、再び感動〜😃
頭上高く伸びた巨木(スダジイ)。
この木の高さを測る実習では…
測りたい木からメジャーを伸ばして、そこから木のテッペンまでの角度を測って計算。
約20mとのことでした!(7階建てのマンションぐらい?)
続いてちょっぴり砂浜へ。
上條先生、迷わず靴を脱いで海の中へ!
普通は学生さんが裸足になり、先生が見ている…というパターンが多いのですが…
逆でした〜😃
2日目
車の前を横断するヘビ(アオダイショウ)を見つけて慌てて車を止めたところ、上條先生が素早く外に出てアッという間にヘビを捕まえてくれました。
「ヘビの動きを妨げないようにそっと持つと良い」と、学生さんに教えています😃
最初は見ているだけだった学生さんも、ついに…
ヘビ使いに!?😃
桜株の前の道には、オオバエゴノキの実がたくさん落ちていました。
私は、これらの実は全てタイワンリスが食い散らかしたのだろうと思っていたのですが…
左はヤマガラが食べたのだろうとのこと。
ヤマガラという鳥は、このように中身を綺麗にほじって食べるのだそうです!
オオバエゴノキの実は毒だけれど、外皮ほど毒があり身を包む薄い皮は毒が弱いのだそう。
「イガイガして舌が痺れる感じがするので、これは絶対食べない方が良いです」と教えてもらいました😆
桜株の木の下が、ヨウシュヤマゴボウという植物で覆われていたので驚きました!
あたり一面、ヨウシュヤマゴボウ…こんなに群生しているのは見たことがありません。
全草毒があると言われるヨウシュヤマゴボウがこれほど繁殖したのは「他の食べやすい植物をキョン(動物園から逃げた小型の鹿)が食べてしまったからではないか?」と上條先生。
他にもシマヤマブキショウマなどのキョンが好む植物が激減しているそうです。
言われてみれば…確かに今まであった場所で、今年はほとんど花を見ていないような…。
意識して見ていないと気づかないけれど、実は危機に瀕している植物がいくつもあるのだな…と、改めて思いました。
大島の夏を彩るラセイタタマアジサイの群生地にも立ち寄りました。
人の顔より大きな葉っぱ!
この大きさは、伊豆諸島全体の中で、最も大きいサイズだそう(同じサイズは他の島にもあるとのこと)
「湿度があり、日が当たるけれども日陰もできるこの場所は、ラセイタタマアジサイにとって最適な環境なのだろう」とのことでした。(太陽が当たるすぎると葉から水分が蒸発してしまうので、あまり葉を大きくできないし、逆に太陽が当たらないと光合成ができず、大きくなれないのだそうで、ここは絶妙なバランスで好条件が保たれている場所らしいです)
3日目
裏砂漠で、カラスたちが数10羽集まっていました!
黒い大地に黒いカラスが点在する風景が面白くて、みんなで写真を撮りました。
「若いカラスが集まっているんだと思います」と上條先生。
この後しばらくしたら、一斉に空を飛び回り、どこかに行ってしまいました。
いつも風が強い裏砂漠で、たくましく根を張り、他の植物の住処を作るハチジョウイタドリの緑の塊は…
人間にとっても、お茶を飲むのに最適な場所を作ってくれます。
イタドリに感謝しながら、時を過ごし…
帰り道は、植物の根の違いの講義。
「地面に落ちていたススキの根は、菌根菌が中にいるので柔らかい」と教えてもらいました。
菌根菌は植物の根と共生している菌で、9割の植物には菌根菌がいると言われているそう。
昔は培養しないと調べられなかったものが、今は根をすりつぶし分析すると、どの菌がいるかわかるようになったそうです!
でもハチジョウイタドリには菌根菌が見つかっておらず、自力で丈夫な長い根を伸ばして頑張るタイプ。
そしてオオバヤシャブシは、根粒菌という細菌(菌とは違う)と共生しているタイプ。
荒地に一番乗りで入り込む植物たちが、それそれ個性的な生き方をしている、というところが面白かったです。
海岸では肉厚の葉を持つ植物を観察。(写真はタイトゴメ)
CAM型光合成について、みんなで話し合っていました。(実は初めて聞いた言葉で、後から調べました(^◇^;)
波浮港で生徒さんのリクエストのタイ焼きを食べ、しっかり地層も写真に撮って3日間の行程を無事終えました。
いや〜、いっぱい色々な話が聞けて面白かったです。
(あ、一応ガイドらしく(?)火山の話はしました〜^^;)
今回の伊豆大島での経験を生かして、学生さんたちのハワイ研修が、実り多いものになりますように!😃
(かな)