グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

崩壊斜面モニタリング調査 2019年2月

2019年02月07日 | 火山・ジオパーク
一昨日、久しぶりに表題の調査に参加しました。

土砂災害の専門家、環境省、気象庁、大島支庁土木課、ジオパーク事務局、自然愛好会会長、ジオガイドなどでチームを組み、調査を継続しているこの取り組み…私は仕事が忙しい時期は参加できないので、前回の参加から8ヶ月以上が経っていました。

昨年5月の調査では、緑の葉がワサワサ茂っていた調査場所は…

(2018年5月11日)

すっかり葉が落ちて景色が木々の向こうに透けて見えました。

これ、あと3ヶ月ちょっとで「緑の葉ワサワサ」に戻るのですよね?
そう考えると、植物ってすごいです!

斜面に役場が手すりを付けてくれたので、以前より安全に歩けるようになりました。

感謝😀

周囲には常緑の木はまだほとんど育っておらず、木の幹と枝だけですが…

オオバヤシャブシなどはかなり成長速度が速く、グングン高くなっている感じがします。
(正確な樹高は他の方が測ってくれています)

植生調査をしている地面で、いちばん元気だったのは「オオシマカンスゲ」という伊豆諸島の固有種です。


あちらこちらで花を咲かせていました!

春ですね(^_^)

昨年5月に青々としていた常緑のミゾシダは…

(2018年5月11日)

枯れている葉や黄色くなっている葉が混ざっているものの、元気でした!
(同じ場所だっかたかは不明)

湿度を好むシダの中では、ミゾシダは比較的乾燥に強いのだとか…

そして5月に若い葉を伸ばしていたシロダモは…

(2018年5月11日)

あまり成長せず、ボロボロの状態で生きていました。

急成長するオオバヤシャブシなどに比べ、なんて成長が遅いのでしょう!

これらがオオバヤシャブシより背が高くなり、光を奪える状態になる日はいつなのでしょうか?
(台風による塩害、土砂崩れや噴火など、前途多難な運命が待ち受けているような気も…)

前回の調査で群生していたというセイタカアワダチソウは…

ロゼットの状態(冬の寒さを乗り切るために地表に葉を平らに広げた状態)で生きていました。

周囲には数mmの小さな二葉がいくつも芽生えていましたが…
どなたでしょう〜?

自然愛好会のO会長が「ここにコマツナギ(4年前にヘリから種子散布した植物)がある。でもこれはこのサイズ止まりだから」と2mぐらいの高さの細い茎を指差して教えてくれました。

う〜む…

この状態からコマツナギだけ見分けるのは、私には至難の技なんですけれど…

(^◇^;)

ところで、この日確認した植物たちは、オオシマカンスゲ、ミゾシダ、シロダモ、セイタカアワダチソウなど、4年前にヘリから種子散布されていない植物が多くを占めていました。

この調査に参加するたびに、島の植物たちのたくましさに圧倒されます。

最後に、この日の私のトキメキポイント!

小さな葉っぱに1粒の赤い胞子をつけたベニシダです!(調査範囲の外です)

いつも葉裏に赤い胞子が並んでいるベニシダですが、小さいうちは1粒だけなんですね😀
とても可愛かったです💕

(かな)
コメント
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