グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

去年の今頃は

2019年02月15日 | 歴史・文化
2日前、「伊豆大島の酪農業」及び「伊豆大島の農業」と題して、ジオガイド講座が行われました。

どちらも興味深い内容で、後日改めてまとめたいくらいなのですが、
本題より少し(かなり?)はずれて、個人的にめちゃくちゃ気になったったのが、、、

当時の酪農の様子の写真資料をみて、牛より(失礼!)端っこに写ってる屋根に釘付け👀
これ茅葺き屋根じゃない??


皇太子殿下(当時)のいらした時のレセプションパーティーの時に、
牛を前にして踊ったという、どんなに牛が大事に思われていたかを示す写真を見てまた、
後ろのこれ、茅葺き屋根?だよねぇ??
と静かにテンションが上がっておりました(後日写真をよく見たら違う気もしてきました)



そう、去年のちょうど今頃は、為朝神社の茅葺き屋根改修のための素材集めとして
茅刈りしまくりの日々だったのです。
茅葺き屋根プロジェクトの話



↑去年の様子

カヤは大島ではススキのことなのですが、カルデラ内の様子を見るとわかるように、
下界でもススキヶ原をそのままにしておくと、やがて樹木が侵食していって林になっていきます。
もう茅葺き屋根のためにカヤを刈ることもなくなった今、
なぜ大島にススキヶ原=茅場が残されていたかというと、農家の方が肥料にするために毎年茅を刈る、
つまり茅場を維持してくれていたからなのです。

講座では、カヤを集めてある場所の写真も紹介されました↓

去年の茅刈りでは、農家さんのご好意で、肥料用の茅場を何ヶ所か提供していただきました。
感謝です。

為朝神社は、もちろん大島に数々残された為朝伝説の中心地としての文化的価値がありますが、
大島の中で今や唯一残された茅葺き屋根という価値もあります。
という事で、ちょいと久しぶりに為朝さんに会いに行ってきました。


ホテル赤門さんの敷地内にありますが、
去年の暮れあたりに周りの木を大幅に伐採され、ホテルに向かう道からもかなり見えやすくなりました。
目立つ!という利点だけでなく、
屋根の上に木がかからないと、葉に集まって大粒になった雨粒が落ちない、
ということは、水が奥まで滲みにくい=傷みにくくなります。
雨の後なのでちょっと雨のシミができてますが💦
でも内側には滲みてませんでした。
また風通しが良くなるのも、乾きやすく良いことです。

昔の家屋は囲炉裏があるので、日々屋根が燻されて水分も飛ぶし虫も避けられる、
しかし神社の屋根はなかなかできないので朽ちるスピードも速くなる、
と聞いていたので、これで少しでももつかな〜とホッとしました。

あとはカラスが巣作りのためにカヤを引っこ抜いちゃうという話も聞いていましたが、、、
カラスも近くにいましたが、とりあえず今のところは外観は全く変わっていませんでした!

小道を挟んだ向こう側には河津桜が咲き誇っていました。
ちょうど茅葺き屋根もフレームインしてくれた!



2015年時点で大島の農家さんは約150戸だそうです。(5年ごとに調査するそう)
時代により酪農をメインにしたり、様々な要因から衰退したのちはキヌサヤ全盛期、
からのまた衰退そして花卉メインへ、花の中でも安定して作れて売れるものの模索、、、
農業従事者は天候や害獣だけでなく、常に変わり続ける市場の影響をモロに受ける
大変な仕事なんだな〜と思いました。
しかし新規就農者も少しずつ増えているそうです。
大島の農業がずっと豊かに続いていきますように!(あい)
コメント
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