グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

コウモリ類(伊豆大島の動物シリーズ3・ジオガイド養成講座より)

2019年02月12日 | 哺乳類、爬虫類、他
伊豆大島の動物シリーズ3は、伊豆大島のコウモリ類について。

まずは、講座資料の抜粋です。
「コウモリ類で最も個体数が多いのはキクガシラコウモリである。島内の洞窟や防空壕、廃屋などに集団で住んでいて、夜には飛び回る姿をみることがある。集落の近くにも生息しており、島内では最も目にする機会の多いコウモリである。このコウモリが正式な文献に記載されたのは1993年のことであり、それまでは伊豆諸島にはコキクガシラコウモリのみが生息している、とされていた。しかし現在コキクガシラコウモリはほとんど見られず、最近では死体が拾得されたり撮影された記録は数例しか知られていない。」

(ちなみにグローバルの10年前の成瀬氏のブログに、コキクガシラコウモリとアブラ(イエ)コウモリのことが書かれています)

私も毎年、暖かい時期の夜に、車の前をビュン!っと横切るコウモリの黒い影を目撃しています。

また、塹壕や廃屋や洞窟など普通人が行かないような場所で、冬眠中のキクガシラコウモリを見たことも何回かあります。

(天野氏撮影の写真です)

う〜ん…
逆さまだし、遠いし…あまり顔が良くわかりません。

で、キクガシラコウモリの顔を絵に描いてみました!

面白すぎる!
っていうか、絵が下手すぎる…(笑)

っていうか、このぶちゃいくが特徴みたい…
コウモリは、超音波を出して位置を確認していることは知られていますが、どうもこの真ん中の鼻(鼻葉と呼ばれる)から超音波を出すらしいです。詳しく知りたい人は検索してみてください。

一方、都会ではイエコウモリ(=アブラコウモリ)という、キクガシラよりもやや小型のコウモリが住んでいるようです。

小さいので屋根裏などにも潜り込み、場所によっては糞や尿による落下汚染とそれに伴う臭いやダニの発生なども問題になっているとか…

(写真は2002年に伊豆大島で保護されたイエコウモリ・成瀬氏撮影)

キクガシラと違い、イエコウモリの顔は、ぬいぐるみ系(?)です。

(ホント?笑)
こっちは、口から超音波を出しているそうです。

これについて資料には…
「イエコウモリ(=アブラコウモリ)についても正式な記載がなかったが、2002年ごろ幼獣と思われる死体が拾得されている他、それらしい目撃例や死体の拾得などの記録がある。本州では人家周辺に普通に生息しているので船の積み荷や資材に紛れて偶発的に移入された可能性もあり、自力で飛来する可能性も十分あるが、おそらく大島に定着はしていないと思われる。」となっています。

都市部では、有機物量の多い汚濁河川から大量に発生するユスリカがイエコウモリの重要な食物となっていることが多いそうです。

イエコウモリが大島に定着しないのは、大きな河川がないからでしょうか?それとも民家が少ないからでしょうか?

さて実は大島では、もう一種類、別のコウモリが記録されたことがあります。

資料によると…
「2009年には新たな第4のコウモリとしてユビナガコウモリが発見された。9月から11月初旬まで最大10頭ほどの群れで観察されたが、その後居なくなったので鳥類の渡りと同じような長距離移動の途中だったと思われる。本種は小型コウモリ類としてはかなり長距離の季節的移動をする種として知られている。」

…ということでユビナガコウモリです。

(天野氏撮影)

この時の調査には私も同行させてもらっていましたが、ワクワク・ドキドキしっぱなしでした。

(成瀬氏撮影)

この時の調査以降、目撃例は報告されていないようですが、ユビナガコウモリは長距離移動することで有名なコウモリらしいので、ももしかしたらひっそりと大島に立ち寄っているかもしれませんね😀

(かな)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする