グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

【 かくれんぼ 】

2010年05月12日 | 海の生物
    
先日、朝の散歩で林道を歩いていると、フト!足元でこんなモノを見付けました。


枯れ枝そっくり凄い擬態です。


さて海の中にも、“かくれんぼ”が上手いモノ達が沢山居ます。
身を守ったり、周囲に同化して獲物を待ち伏せたり・・・様々な効果を得ている様です。
そこで今回は、水中世界の擬態名人を幾つかご紹介します。

まずこれは“イソコンペイトウガニ”・・・ 何処に居るか判りますか~?
比較的浅い水深のトゲトサカ (ソフトコーラル) に付き、カメラ派ダイバーに人気です。



因みに子供の頃のおやつは“コンペイトウ”
このカニを見て妙に懐かしく感じました。 でも、食べていません。笑

これは“ベニカエルアンコウ”
岩壁に付着したカイメンと同系色で、上手く背景に溶け込んでいます。



彼は身を守る目的以上に、“捕食の為“隠れていると言った方が良いかも知れません。
餌となる魚が近づくまで、ジッと待ちます。
必殺必中・・・100%相手が射程距離に入るまで微動もしません。

焦って食い付き捕り逃がすと、自分の存在がばれてしまうからです。
実に忍耐強い魚です。

さてこちらは、“カイメンガニ”
全身に、トゲトサカや色とりどりの海綿を付けています。



岩壁に張り付いていれば、中々ダイバーに気付かれる事はありません。



しかし、一旦動き出すと、これ程目立つ格好はありません。
擬態でも何でもない、単なる“目立ちたがり屋“になってしまうのです。

でも、身に纏っているモノは魚達にとって美味しくないものばかり、カモフラージュと言うよりも
「俺様を食べても不味いぞ~」ってアピールしているのかも知れませんね。

陸の上でも海の中でも、永い歴史の中で培われてきた様々な知恵
こんな素晴らしい出会いを与えてくれる恵まれた環境に、感謝々の日々です。
皆さんも、是非伊豆大島へ遊びにいらして下さい。 そして、感動を分かち合いましょう。
スタッフ一同、お待ちしています。

文・画像  海チーム K・Y
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若い命、ぞくぞく

2010年05月11日 | 植物
 今日は朝からあいにくの雨・雨・雨・・・。

ここ数日に見た、元気な若い命をお伝えします。

まずはツツジ。
日曜日のツアーではカルデラ内のあちこちにオオシマツツジのピンクが見えてきていました。
この週末ぐらいにはピンクと緑のコントラストが綺麗になってくるでしょうか!?

中にはこんなに固まって咲いていて、まるで人工物?と思わせるぐらい目をひく状態のものもありました。

山へ行く別のルート、温泉ホテルさんからの登山道ではメギの花がかわいく、そして静かに下を向いて咲いていました。


うす黄色の花で、ぱっと見ると目立ちませんが、ちゃんと見てみると可憐で良いですね。
写真がはっきりしていなくてごめんなさいっ。


サルトリイバラの黄緑色の花もカルデラ内で満開で、実がつく頃よりもはっきり存在が目に飛び込んできて、「あらぁ、こんなにいっぱいあったのね!」と思うほどでした。
今回は、これはオスの花~、これもオス・・オス・・あれ?オスばっかりですね!
なんて言いながら歩いてみました。
メスは時々、「ココヨ!」って主張をしていて、近寄ってみるとやっぱりメスだった~、って事が何度かありました。
写真はメスです。メスとオスの写真は4月20日の日記をご覧下さい。


次は海岸です。

ハマボッスの花もどんどん咲いてきています^^
これは、肉厚な緑と白い花のコントラストが良いですね♪
そよ風の吹く日、海岸の散歩をするのが最高に気持ちいい季節になってきました!!

そして、最後は山全体のお話。

先週軽くふれましたが、スダジイが黄色い冠をつけて、あちこちでカリフラワーのようになっているので、山が黄色と緑のまだらになっています。

近づいて1本の木を見てみると・・・


新しい葉っぱが、古い葉の上にたわわになっているのがわかります。

さらにズーム

同じ枝で、先端のほうへ新しい枝が伸び、そこから新しい葉と花芽が出ているのですね。
昨年からあった枝の部分は濃い緑の葉がついています。

しばらくするとオスの花が全体的にモワ~っとした印象を作り上げる事でしょう。
またその撮影が出来るのを楽しみに、経過観察していきます^^。

(友)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あしいれこん

2010年05月10日 | 歴史・文化
大島には“あしいれこん“(足入れ婚)なるものが存在していたそうであります。今では聞いたことがありませんが、全国でもそのような風習があったことは聞いたことがありました。

疑問に思ったのは郷土資料館にある家屋敷。

母屋があって同じ屋敷の土地に別棟の“隠居”成る建物があります。結婚すると両親は母屋から

隠居所に移るそうですが、右も左も分からないお嫁さんが新婚から母屋で切り盛りするのは大変だな…  と、我が事のように考えたのでしたが、実は実は“あし入れ”と言う秘密があったのでした。

婚姻は昔ほど同じ地域に限られていたそうです。
未婚の男女(もちろんですが)本人の意向も聞いたうえ(家の格式やもろもろもあったかもしれませんが)結婚がOKとなった場合(まだ結婚してないので婚約がなった場合でしょうか)

女の人は朝起きると婚家(まだ結婚していないけれど)に朝の支度に行きます。自分の朝食は実家に戻り済ますと、また婚家に行き朝の仕事にかかります。昼は実家に戻りお昼ごはんを食べ、午後はまたまた婚家に行き仕事をして夕食後実家に戻る。(夕食は実家で食べる)夜は実家で寝る。

これを早い人では6ヶ月、遅い人では1~2年。
本人がこれで嫁いでもOKと成ったら正式に『結婚おめでとう!』 と成るそうです。

でも、やっぱり結婚なんて出来ない!  としたらどうするのでしょうか? 
狭い地域の中で途中で止めることなんて なかなか言えないよね。(女の人は我慢したのかな)
我慢したのは婚家の人達だったりして!

“足入れ婚”がすべて同じとはいかなくても こんなことも在ったと郷土資料館に行ったとき思い出してください。

まあ、いろいろな人達が、沢山の時代を生きていたのだから沢山の人生があったことと思います。

私の ? が1つ解決しました。    (しま)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

沢山の発見

2010年05月09日 | ツアー
またまた天気の良い週末でした。
今日は4名のお客様と、半日山を歩いて来ました。

お客様の「感動したい。」というリクエストを受けて、
先駆植物たちの生きるカルデラ、樹海、巨樹の森、海岸、自然の中にたたずむ神社など、
少しずつ様々な環境の中を歩きました。

そして今日もお客様に、たくさんの素敵なものを、見つけていただきました。
観察力のあるお客様と歩くのは、本当に楽しいです。

では、今日見つけていただいた“素敵なもの”を報告します。

まず樹海の中で。

完全にゴミと一体化していたカミキリムシ(たぶん)の仲間です。
周辺が薄暗いので見難くて、どちらが頭かわからなかったぐらいでした!
こんな風に見事に隠れているものを見つけた時の嬉しさは、格別ですね。

虫の名前はかなり調べましたが、確証が得られません。
どなたか詳しい方がいらっしゃいましたら、是非教えてください。

次に温泉ホテルの駐車場で。

これは何でしょう~?

綿毛をいっぱいつけたタンポポが、まるでシダの新芽のように丸まっていました!
こんな形のタンポポの綿毛を見たのは初めてだったので、かなりビックリしました!!

中に虫がいるのかと思って少し茎を伸ばしてみましたが、特に虫は目に入らず、
かなりしっかり丸まっていて、なかなか剥がれませんでした。

それにしても、こんな状態でもシッカリ綿毛を飛ばそうとしているタンポポはすごいですね。

そして桜株で。

これは4匹のハナバチの仲間らしき昆虫が、路上で団子状になって転がりながら格闘(?)している図です。
何だかわからない写真ですが、激しく動いているという臨場感だけは伝わるかと。(笑)

縄張り争い?餌争い?交尾??
人間が近づいてもまるで気にすることもなく、ず~っと、転がりながら戦い続けていて、
その真剣さにしばし釘づけになりました。

さらに波治加麻神社で。

自然の中にひっそりとたたずむ神社入り口の鳥居の上に、小さな若葉が芽生えていました。
ずいぶん空に近い、素敵な場所を見つけましたね。

さて、最後は、沢山の素敵なシーンを見つけてくれた皆さんの写真です。
15倍虫メガネを手に、様々なものを観察中。

とびきりの笑顔と、沢山の楽しい発見を、ありがとうございました!

(カナ)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イルカがいるよ。

2010年05月08日 | 哺乳類、爬虫類、他
私がこのイルカたちの存在を知ったのは一昨日の夜でした。
すぐさま昨日の朝見に行ってみました。

場所は知っていても、広い海です。
果たしてそう簡単に見つかるのか・・・?

幸い穏やかな波が味方してくれてすぐにその姿を見つけることができました。
遠くのほうで背ビレが見えたかと思うと、ぐんぐん近づいてきます。
2頭です。






見事なまでのシンクロ。
こんな場面が何度も何度もありました。

野生のイルカをこんなに近くで見るのは初めてです。
ハンドウイルカのようですね。





ちょっと背ビレが見えたかと思うとすぐに潜ってしまいます。
次に出てくるのはそのすぐ先か、ずっと遠くか・・・まったく予想がつきません。

今度どこに姿を現すのか、なんだかドキドキワクワクします。
私の目の前だったらいいのに!

一旦潜ると10分くらいは出てこないことがありました。
とても遠くに見えるときもあれば、私が見ている岸から40~50メートルくらいのところをゆっくり泳いでいるときもありました。
もっと近いときもあったかもしれません。





あ!
なんか捕まえた?


魚をくわえているように見えます。
ってか、魚でしょう!!




同じような写真ばかりですが・・・(汗)



背ビレの後ろってギザギザなんですね。





おー、鼻の穴が見える(笑)



この2頭はどんな関係なんでしょうか?
いろいろと想像がふくらみます。



と、ここまでが昨日の写真です。




今日も見に行ってきました。

昨日は薄曇りでしたが、今日は快晴!
海もきちんと青くなりました。




うむ。
やっぱり笑っている。

ハンドウイルカはこの笑顔が特徴ですよね。




今日も仲良し。



ス~イスイっと。





かわいいオデコ(でいいの!?)



ぐいぐい水を切ります。





なんか捕まえたっぽい!?



クチビル(でいいの!?)がグニ~って!




見ていると時が経つのを忘れます。
大勢の人がこの生き物に魅了させられる気持ちがわかります。

広い広い海の中で、ここ伊豆大島を選んでちょっと立ち寄ってくれたイルカたち。
いつまでいてくれるかは誰にもわかりません。

車を停めたそのすぐ先に、悠々と泳いでいます。






本日のオマケ。



波浮港(『はぶみなと』です。 つい先日のテレビ番組で『はぶこう』と何度もナレーションされていてガックシきました。誰もチェック入れんのかね)にまだいるシノリガモ。

2羽ともオスですがなんとなく仲良し。
まったりとお休み中でした。

今年も越夏するのかしないのか!?


         がんま
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゲゲゲのゲジ

2010年05月07日 | 
 トップ画像は、一昨日、子どもの日にちなんで撮ったカシワの木の枝です。右下に細長く垂れ下がっているのが、雄花序です。同じブナ科のスダジイの花と似た感じですね。まだ、葉は薄く、やわらかいので、餅を包むのには適しません。旧暦の5月5日(6月中旬)になれば、葉が厚くしっかりするので大丈夫です。葉のみどり色が良いですね!

 みごとに晴天の続いた連休でした。まだ、明後日まで休暇を楽しむ方々もいらっしゃるようですね。うらやましい! 今日の大島は昼過ぎから雨になりました。雨で屋外での自然観察に行く気が起きない時には、屋内で観察できるものを探しましょう!? その点でも大島は、打って付けです(笑)。



ゲゲゲのゲジ

 何年か前、岡田地区の戦争遺跡を現地調査にいった時、半地下構造のトーチカ(基地跡)の天井一面に、このゲジゲジがいて驚きでした。暗くて湿度のある場所で、冬は暖かい所が好みなんですね。住宅の床下だけでなく、浴室やトイレなどにも出没します。
 ゲジが和名(漢字もある!)で、ゲジゲジは俗称なのですね。大島には、体が4センチ近いものもいますよ。長い足は、捕まえようとすると、すぐに取れてしまいます。小虫を捉えて食べ、ヒトに害はありません。
 たくさんいる所へ、ご案内できます(笑)


ムムムのムカデ

 しばらく玄関に置いておいた長靴を履いたら何か違和感があり、あわてて脱いだことがありました。大きなムカデでした! 居心地よくて、ぐっすり眠っていたのでしょうか、噛まれずにすみましたが、ゾッとして、それ以来、靴は逆さにして振ってから履くようにしています(笑)  
 ムカデ(百足)もゲジ同様に、唇脚類の節足動物です。これは、頭部が茶褐色をしているトビズムカデのようです。鳶色の頭でトビズ。頭部に1対の触覚と大顎(あご)があり、大顎から毒液を注射して小虫を捕って食べます。黄色っぽい足が21対。
 この個体は、5センチほどで、特大のものより、このくらいのサイズのに噛まれると痛いらしいですが、本当でしょうか?! いろいろ経験を積んだ方がいらっしゃるんですね(笑)
 大島の特大サイズは、15センチくらいでしょうか。


ヤヤヤのヤスデ

 ゲジやムカデに比べると出会う機会が少な目なヤスデです。やはり暗く湿った場所に集まりますが、落ち葉や朽ち木の下に潜んでいることが多いからでしょうか。
 ヤスデは、なぜか馬陸と書くのですね。こちらは、倍脚類の節足動物。1節に2対ずつ歩脚があるから倍脚。胴は20節に分かれているから、40対で80脚ですか! 全国にいるヤケヤスデでしょうか。 物に触れると、巻曲して円くなり臭気を放つそうですが?!
 逃げられてしまいました。



お口直しの今日のオマケ。

 昨年11月下旬に薪(まき)に付いているサナギを見つけました。すでに、腹の先が枝から取れていたので、セロファンテープで止めて、立てかけて置きました。


 そして、昨日の朝、起床して窓のカーテンを開けかけたところ、羽化したばかりの素晴らしくキレイなキアゲハが窓枠に止まっていました。
 

 キアゲハの春型のオスでしょうか。ナミアゲハとの違いは、前ばねの外べり沿いの黄色紋が大きいこと、前ばね基部の黒色紋が広いこと。幼虫の食草は、セリ、ミツバ、ニンジン、アシタバも食べるので害虫になりますか?! いくらキレイでも。

 わがガイドチームでは、ひそかなブームで、チョウ・ガ・ハチまでも手乗りにして楽しんでおります(笑)。変な趣味も、こんな具合に美しいチョウならいいですね! 

 上の3種は、手乗りにしたくなかったもので・・・。


(なるせ)


 【後記】NHKの朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」が始まりました。
  マンガ家水木しげる氏とお連れ合いをモデルにしたフィクションとか。
  このドラマの原作本に関係して、
  『ゲゲゲの娘、ラララの娘、レレレの娘』とかいう対談集(?)がでているそうな。
  ゲゲゲはゲゲゲの鬼太郎で、水木しげる。
  ラララは鉄腕アトムの主題歌の冒頭部で、手塚治虫。
  レレレは天才バカボンのレレレのおじさんで、赤塚不二夫。
  ということらしい。

  これにあやかって、今回は「ムムム」と「ヤヤヤ」も登場してもらいました。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自然からの宿題

2010年05月06日 | 今日の大島
晴天続きの連休中、何組かの方を山へご案内しました。

山の中腹ではシマガマズミが純白の花を付けているので、毎回立ち寄って見ていただきました。

ガマズミは今が一番綺麗な時期かも知れません。

ところで今回も、いくつかの疑問にぶつかりました。
今日はその疑問を報告します。

疑問1
朝8時ごろ、林道を歩いていたら普段忙しそうに飛び回っているハチ達が、
まるで動かず固まっている(?)のを発見しました。

たとえばニホンヒゲナガハナバチは花の上に乗っかったまま微動だにせず…。

しかも、あちらこちらで同じ状態で花に乗っていました!

さらにコマルハナバチは、道の真ん中の草にしがみついて、なんとも頼りない姿。
ヨロヨロしながら草に這い上がろうとしていました。

寝ぼけていたのでしょうか?

手を伸ばしたら乗ってきて、何とコマルハナバチの手乗りに成功しました!

欲しかった縫いぐるみを手に入れたような気分で、ちょっとうれしかったです。(笑)

この時の状況に対して「明るくなって巣穴から張り切って出てきてみたら、予想外に寒くて(17度ぐらい)
動けなくなってしまった…。」という物語を想像してみましたが、皆さんはどう思われますか~?

疑問2
アカメガシワに薄い灰青色のイモムシを発見しました。

何かハバチの幼虫っぽいと思いながらも確証が得られず、
気になって今日見に行ってみたら、1.5倍ぐらいの大きさになり、色も白くなっていました。

枝につかまったまま動かないので、このまま蛹になるつもりなのかもしれません。

「う~ん、この白いイモムシならネットで探せそうな気がする…。」と思いながら歩いていたら、
私の目の前に変身前のイモムシと同じものが、糸をたらして降りてきました!

どうやら私の“正体調べ”に協力してくれているようです(笑)。
変身後のイモムシと同じ枝に乗せたら、さっそく新居の偵察を始めました。

ネット検索の結果、ハバチの幼虫ではなく、ニトベニエダシャクという蛾の幼虫が一番近いようでした。
顔が白いのとアカメガシワについていたのが気になりますが…。
どなたか詳しい方、違っていたら是非教えてください。

疑問3
ここ最近、お客様をご案内する度に楽しみにしていたのが、溶岩流の上に乗って石をめくることでした。
長さ1mm~2mmぐらいイタドリの瑞々しい緑色の新葉が、かならず見つかったからです。
岩の下でも頑張って芽を出し、葉を広げるその逞しさは、何度見ても感動的でした。

ところが、昨日は同じ場所でいくら石をめくっても、新葉が見つかりませんでした。
とても不思議だったので今日、林道の火口の上に沢山芽生えていたイタドリを見に行ってみました。

ここでも、数日前までの新緑の芽生えは、ほとんど見当たりませんでした。
そして残っていたいくつかの葉は、みんな赤い色になっていました!

新葉が赤いのは、紫外線から若い葉を守るためであるとされています。
連休中の毎日の晴天と急激な気温の上昇の中で、緑色の小さな葉達は生き続けることができず、
葉を厚く、赤く変化させることができたものだけが生き残ったのでしょうか?

無数ともいえるイタドリの種からの芽生え達には、高温、日照り、強風、雨、時には雪、という
様々な過酷な環境が待ち受けていて、成長できるものはごく僅かなのかもしれません。

そんなことを想像してみたら、目の前の小さな赤いイタドリの新葉に「頑張ったね~。」と声をかけたい気分になりました。

歩くたびに出てくる疑問。
その疑問の回答を探すたびに、自然の奥深さに触れることができるような気がします。

(カナ)






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【海の中にも鳥?】

2010年05月05日 | 海の生物
 
先週ご紹介した“ツバメウオ“もそうですが、海の中には鳥と名前が被るものが色々います。

ウミスズメやシマアジ、この他に部分的に“カラス”や“スズメ”“ホオジロ”“カツオ“”セグロ“”アカハラ“が付くモノ等、数え上げたらきりがありません。

中でも、海の中で“ヤマドリ”・・・この名前は、ダイビングを始めた当初かなりインパクトがありました。何故こんな名前が付いたのか?未だに良く分かりません。
しかし、“顔付きがキジ科の“ヤマドリ“ に似ているから”と言う説が有り「成る程」と思わせる部分もあります。

《ヤマドリの♂です。大きな背鰭は普段閉じています。》


さて、この“ヤマドリ”と同じネズッポ科に、アカオビコテグリと言う魚がいます。
どちらも大島ではポピュラーな部類に入り、7・8月には繁殖行動(放精放卵)も観察されています。
長年観察していると、実に様々なドラマが見えてきます。そんな中で、幾つか面白い出来事をご紹介しましょう。

彼らの繁殖行動は放精放卵、昼間活動する魚達が寝床に戻り、まだ夜行性の生き物達が動き始めない夕暮れ時、何処からともなく何時も決まった所に集まってきます。

其処は水深24メートル、広さは30畳程の小さな岩等が点在するガレ場・・・。

♀の個体数が多く、♂のバランス(数や強さ)が取れている時には、何匹かの♂が3~5匹の♀をテリトリー内に持ち、其々の場所で繁殖行動を繰り広げます。
反対に、♀の数が少ない時は大変です。♂達は少しでも多くの♀を確保する為に、熾烈な戦いを繰り広げます。
そして優劣が決まると、勝った♂はテリトリー内の♀を順番に回り放精放卵を繰り返します。

《背鰭を大きく広げ、一生懸命♀を誘っています。シーズン中は毎晩こんな光景が見られます。》


しかし、あぶれた♂も簡単には引き下がりません。勝った♂の繁殖を邪魔するのです。
基本的にネズッポの仲間は殆ど泳がず、海底を這う様に移動し生活しています。

しかし繁殖の時には、♂が♀を胸鰭に乗せて海底を離れ、1~2m浮き上がった所で放精放卵をします。
海藻や岩陰に隠れた♂は、ペアの気分が高まって浮上を始めると頃合いを見計らって、海底から物凄い勢いでアタックします。

当然、寄り添って上昇していたペアは、バラバラになり海底へ降りてしまいます。♂の方は、邪魔をした相手を追い払い、再び♀を放精放卵に誘います。余程何度も妨害され気分を損なわれない限り、目的を達成するまで諦めないのです。

《海底から1m以上浮上し、長い時はこの状態が1分以上続きます。》


さてある日の夕方、私達が観察をしていると・・・い~ぃ感じで浮上を始めたペアが居ました。
すると例のごとく海藻の影から飛び出す奴が・・・

しかし、邪魔をした相手をみて私達は、呆気に取られてしまいました。何と!邪魔をしたのは“ヤマドリ”の♂だったのです。同じネズッポ科に属するとはいえ、繁殖の相手ではありません。単なる嫉みか?はたまた余程仲間にモテナイ♂だったのでしょうか?

それから私達は、このヤマドリ♂を“ジャマドリ”と呼ぶ事になりました。

又ある日の事、♂が♀にアプローチして「さぁ、そろそろ浮上を始めよう」とした矢先、岩陰にいた別の♂が♀と一瞬で入れ替わった事が有りました。

そして何と!まんまと大きな♂の胸鰭にチャッカリ乗って一緒に浮上を始めたのです。
見ていた私達は、目が点になってしまいました。しかし、流石に途中で気付いた大きな♂は慌てて?海底に降りてしまい、凄い剣幕でチビ♂を追い払ったのでした。

さて、騙したチビ♂は、大♂の放精までさせたかったのでしょうか? だとしたら、凄い作戦ですね。

こんな感じで、海の中でも子孫繁栄に向け様々な生き物達が日々戦いを繰り広げています。

滞在時間に限りある海の中、生態観察は中々難しいのですが、出逢えた時の感動は何物にも代え難いものが有ります。
機会が有れば、皆さんもダイバーの仲間入りをして、こんな魅惑的な世界を覗いてみませんか?   私達、”海チーム”がご案内致しま~す。

画像・文  海チーム KY
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日もツアー

2010年05月04日 | 今日の大島
 連休4日目が無事終了しました。
今日も一日、ツアーでお外にいました。
今日は従兄ファミリーグループの6名様と会社仲間というお二人、計8名様のご案内でした。
Nさんファミリー、Sさん方、ツアーご参加、ありがとうございました!

一日のツアーの場合は三原山だけでなく、桜っ株や石の反り橋、樹海や溶岩流などを組み合わせて行くのでたくさんの違った環境を楽しめます。

朝のうちは曇って山にはキリが出ていたため、先に石の反り橋や桜っ株を見て回りました。
そのうちに気温もあがり、キリが晴れている事を予想して山頂口に行ってみると、予想的中!山が見えていました^^
それから火口までみんなでわいわいと歩いたのですが、今日は風が強く当たっていると予測したものの、意外と火口展望台では風が弱かったのでとてもラッキーなツアーとなりました!!


山頂まで行ったあたりで、噴火の際にはこのあたり一面が溶岩の海だった事をお話すると、とても噴火の事をイメージしてもらいやすくなります。
本当に何度行っても迫力ある場所ですね。

その後は割れ目噴火口や溶岩樹形、地層断面を見て過ごしました。

今日とても目についたもの。

シマガマズミがあちこちで一斉に花を咲かせていました!

昨日、一昨日までは全く気がつかなかった気がするのですが、ここ数日の陽気で一気に咲きだしたのでしょうか?

また、もう一つ目立つのがスダジイの若い葉です。
黄色、とも言えるような明るい黄緑の葉が木のてっぺんを覆っています。
車で一周道路を走っていてもそこかしこで目立っています。
まるでブロッコリーがカリフラワーになったようです^^
(この表現でわかってもらえるのかしら^^;)

カルデラの中のツツジもこの陽気で結構な勢いで開花し始めています。
あと1週間ぐらいで見時かもしれません!!

ツツジ以外に目立った花は少ない季節ではありますが、新緑の気持ちよさがダントツに良いシーズンです!!

明日もツアーのお客様と楽しい発見をしてきます!

(友)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

連休あれとこれとそれ

2010年05月03日 | その他
連休まっだ中です。山は緑一面で外出がとても気持ちが良いです。
例年になく連休は雨が無く毎日晴天が続いていますので大島にもお客さんが沢山来てくれているようです。

私の連休と言えばやはり三原山に行ってきました。昨日は温泉ホテルから裏砂漠・樹海へと、今日は三原山から滑走台下りコースでした。


固有種のオオシマツツジ今年はまだまだ蕾でした。あと2~3週間ほど後になるようです。(咲くのが楽しみです)

樹海に沢山あったサルトリイバラ今花の時期かわいい花が咲きました。かわいい(とても小さな水色の花)と言えばきゅうり草は茎は青臭いきゅうりの匂いがしました。

園芸種ですが今年もクマガイソウが咲きました。


特徴があるお花ですね。アツモリソウとは花が似ていますが葉が違います。どちらも武将の名前から命名されたようです。



これは我が家に届いたシドケ(モミジガサ)秋田の人はよく食べるそうです。その後は調理されてしまうのですが(山の恵み)


ヤシャブシ今年の雄花は3月に地面に落ちていたのはいつもの通りだったのですが、雌花が4月の天候不順で落ちてしまったのか見当たらない枝が多いのです。(去年の茶色い実はまだついていましたが)山でも下の街中でも今年は少ないように思います。

毎年毎年同じなんて自然の中では無いのかもしれませんね   (しま)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする