浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

大橋巨泉の「遺言」

2016-06-28 23:17:24 | その他
 82歳の大橋巨泉の健康状態がよくないようだ。彼は、『週刊現代』に「遺言」を掲載しているが、最期のそれが、

安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせてください。7月の参院選挙、野党に投票して下さい。最後のお願いです。


http://buzzap.jp/news/20160628-ohashi-kyosen-will/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中江兆民(2)

2016-06-28 23:05:51 | その他
 中江兆民の著作を読み進むと同時に、兆民という人物はいかなる者であったかも読んでいるが、彼の奇行には驚くばかりである。

 「中江兆民奇行談」(『全集』別巻所収)にその奇行が具体的に記されているので、大笑いしながら読んでいる。しかし、現代にこういうことをしていたら、いくら良いことを主張したり書いていたとしても、信用をなくし、一挙に谷底に落とされてしまうだろう。

 ということは、つまり、こういう奇行癖の持ち主でもその論説などが現在も評価されながら残されているということは、明治というのはなかなか寛容な社会であって、豪放磊落が大いに許されていたのだろうと思う。

 しかしこうした奇行は、松永昌三先生の『中江兆民評伝』などには記載がなかった。
 
 ボクは、兆民についての講座で、こうしたことも隠すことなく話すつもりだ。人間の評価は、その全体でなされなければならぬ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

沖縄の不条理は続く

2016-06-28 14:32:42 | その他
 今日の『琉球新報』社説。


<社説>米軍属飲酒事故 個人責任では済まされぬ

2016年6月28日 06:01

 米軍属が県民を被害に巻き込む飲酒運転、車両事故がまたも発生した。女性暴行殺人事件を受けた「哀悼期間」中の飲酒事犯の続発だ。米軍が声高に喧伝(けんでん)する再発防止徹底がお題目にすぎないことが証明された。

 在沖米軍は基地外での飲酒、深夜外出の自粛を命じる「哀悼期間」を28日に解除すると発表したばかりだが、実効性のなさが証明された以上、期間の延長や、より厳格な対応を検討すべきだ。
 酒気帯び運転で逮捕された軍属の男は基準値の4倍ものアルコールが検出された。酒酔い運転に近い相当の飲酒量ではなかったか。
 国道を逆走する人身事故で自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)罪で起訴された海軍兵被告も、基準値の6倍のアルコールが検出されていた。

 日本に比べ飲酒運転に寛大な米国の文化風土が改まることなく持ち込まれてはいないか。日本の法令、規範を順守させる教育の不徹底とともに、沖縄県民に対する差別、植民地意識をうかがわせる。
 池宮城紀夫弁護士が重要な指摘をしている。「公務外の事故は軍人・軍属の個人に責任があり、損害賠償の判決が確定しても支払い能力がなく泣き寝入りすることがほとんど」。また「日米地位協定では軍人・軍属の給与差し押さえの規定がない」ことなどだ。

 日米地位協定は米軍人・軍属を特権的に保護し公正な刑事訴追を妨げているが、事件事故の補償の面でも県民・国民に不利益を強いているという指摘である。
 今回の米軍属による女性暴行殺人事件で、日本政府は米側の意向を酌む形で、日米地位協定の対象から軍属を除外する方向で調整している。
 沖縄からの地位協定の抜本改定の要求に対し、トカゲのしっぽ切りのように軍属のみを除外して鎮静化を図る思惑が透けて見える。

 一方で軍属による事件事故の民事賠償が、これまで以上に個人責任として放置され、米国と日本政府の責任が免除されることがあってはならない。

 軍人・軍属をひっくるめた抜本的な日米地位協定の改定。事件事故が公務中か公務外に関わらぬ日米政府の共同責任による十全の被害補償。そして基地あるが故の事件事故をなくすためには、構造的暴力装置の基地を撤去、縮小していくしかない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

政治家はウソをつく

2016-06-28 12:19:27 | その他
 イギリスでも、それは同じ。自らの政治的野望のためには、平気でウソをつく。政治家はそういうものであると考えて、政治行動をしなければならない。

http://www.asahi.com/articles/ASJ6W5D0VJ6WUHBI026.html?iref=comtop_favorite_01
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

読む価値あり、堤実果氏のインタビュー

2016-06-28 08:19:19 | その他
 下記のサイト。

http://diamond.jp/articles/-/93794?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

支配者の眼

2016-06-28 07:31:21 | その他
 〇〇文化センターや公民館(浜松市では協働センターと呼ぶ)で、歴史などの教養講座が展開されている。同じ人があちこちで、異なったテーマで講師を引き受けているが、ボクではとてもやれない。一つのテーマに最短でもほぼ一ヶ月の時間を費やして準備するボクとしては、驚くばかりだ。

 さてそういうことではなく、歴史講座で人気があるのは戦国時代である。したがって、戦国時代の研究者はあちこちで講師を依頼されたりするからなかなか収入は良いようだ。しかしおもしろい話をするためには、一次史料だけではだめ、どうしても後の時代に書かれた書物をもとにし、あたかも史実であったかのように話さなければならない。徳川家に関わるものだったら江戸時代にたくさん書かれている。
 そういうものをつかってストーリーをつくるのだろうが、そうなるとウソを伝えるということにもなり、ボクではとてもできない。

 今浜松市では、「井伊直虎」を売り出そうと多額の予算をつかって宣伝に努めている。NHKの歴史大河ドラマで彼女を取り上げることになっているからだ。ホテルや製菓会社などももうけようと、「直虎御膳」など、創作に余念がない。

 ところでこの人物についての史料は圧倒的に少ない。一年間、おそらく虚実取り混ぜて(といっても虚がほとんどだろう)ストーリーをつくるのだろう。
 最近のNHKのそれは、ほとんど虚によって構成されていると思う。

 この戦国時代に関心があるというのは、もちろん戦国大名についてである。つまり支配階級。戦国時代はまさにその名の通り騒乱の時代、何でもありだ。その時代を、支配階級の眼で見ていく。支配領域の拡大のためには兵を用いる、権謀術数をめぐらす。
 藤木久志氏の研究(『戦国の村を行く』、『飢餓と戦争の戦国を行く』など)を読むと、我が祖先はよくこの時代を生き抜いてこられたものだと思ってしまうほどだ。

 しかし戦国時代に関心のある人々は、藤木氏がテーマとする戦国時代の民衆ではなく、戦国大名のあれこれに注目し、支配者の眼からこの時代を眺める。

 社会科学も人文科学も、いかなる立場からみるかによって描かれる世界は大きく変わる。ボクは常に底辺から(「底辺の視座」とボクはいっている)みるが、戦国時代に関心を持つ人々はまさに「上から目線」である。

 そうした見方が、ひょっとしたら、現在を見つめるところにも現れているのではないか、と思う。

 安倍政権の支持率が、昨日だかNHKの世論調査で47㌫となっていたと記憶する。あり得ない話だ。しかしその数字がなかなか減らない。

 男たちに安倍政権を支持する人が多いようだ。男たちは、本当は庶民なのに、支配層(つまり経団連や不労所得でいきる富裕者)の視点で現代社会をみているのではないか。戦国時代に関心を持つ人々と重なる。

 こうした錯覚が、安倍政権を支持させているのではないだろうか。となると、現在認識と歴史認識とが直結していることとなり、歴史を研究し、語る者としての責務はなかなか重大だということになる。

 支配者の眼ではなく、被支配層からみつめることが、本当は大切なのだが・・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする