安倍が、1月27日、大統領になったトランプに会いに行こうとしているようだ。
「飛んで火に入る安倍訪米 1・27会談ならトランプの餌食に」という『日刊ゲンダイ』の記事がある。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/197572
アメリカの最大限の利益を追求するトランプ。そのためには、日本との貿易赤字を減らしたい、となると日本がアメリカから買う物としては、兵器くらいしかない。おそらく安倍は、トランプの歓心を買うために、アメリカからの武器購入額を大幅に引き上げていくことだろう。財政赤字という消費税を上げるための宣伝文句は宣伝文句だけであって、国民のカネをフィリピンに1兆円プレゼントするという約束をしたりしているから、アメリカにだって大金をプレゼントするようになるだろう。トヨタだって、大金をアメリカに投資することを発表している。政府も、企業も、トランプに平身低頭している。右翼の諸君は、こうした屈辱的な光景を見て怒らないのだろうか。
さて、アメリカは世界に軍隊を派遣している。それは世界のためではない、あくまでもアメリカの利益のためである。アメリカは建国当初から、国益最優先できている。アメリカの諸外国での様々な策動は、アメリカの国益、アメリカ企業の利益を確保し、より拡大するために行われてきた。戦争直後の日本に大量の小麦を送り込んできたのは、食糧不足に苦しむ日本国民のためではなく、余った小麦を日本に輸出しパン食を根付かせようというセコい魂胆だった。ことほどさように、アメリカがやることは独善的な利益確保が目的である。
今、石垣島とか、沖縄県に自衛隊基地が新設されてきている。またアフリカの南スーダンへの自衛隊駐留、そしてジブチにおける自衛隊基地の恒久的施設建設。「防衛省、ジブチの自衛隊拠点を来年度拡張 基地建設の中国に対抗」という記事がある。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/10/post-6028.php
しかしこれらすべて、アメリカの戦略に沿った配備である。南スーダンには米軍はいない。米軍の代わりに自衛隊がいるのだ。すでに自衛隊は、米軍の補完部隊として現前している。
トランプが中国を攻撃している(もちろん武力でではない)が、すでに米軍は対中国軍事戦略を立てている。「オフショア・コントロール戦略」という。対中国については、日本列島、南西諸島、台湾、フィリピンに防衛戦をはって、戦争はここだけに限定しようという作戦である。米中間の対立を、中国とそれらの国との対立にもちこんで、それらの国に中国と戦わせようとしているのだ。
まったく危険な戦略に、安倍政権ははまっている。この戦略では、沖縄の自衛隊基地は、まっさきに戦場となり、破壊されるのである。
そのために、自衛隊は米軍と共同訓練を繰り返し行っている。それはまさに「周辺事態」を前提にし、日本列島が対中国との戦争の最前線になるということだ。
こういう危険な政策を展開する安倍政権の支持率が、67%だって? 日本国民は、まったく、これこそ「平和ぼけ」をしているのだと思う。