南京事件を必死に否定したい人びとが、そのかわりに声高に叫ぶ通州事件。しかし、これについてはきちんとした研究がこれまでなかった。声高に叫んでいる方々は、通州にいた日本人や当時は大日本帝国臣民であった朝鮮人がたくさん殺害されたことだけを主張する。それに対して、当時日本の傀儡政権であった冀東防共自治政府の軍、保安隊にたいして日本軍が爆撃したことが契機となって保安隊が蜂起し、通州の日本軍と交戦し、通州にいた日本人らを殺害したのだという反論がなされていた。
声高に叫んでいる方々は、殺害された事件についてのみ問題とし、歴史研究者らはその事件に至った経過を説明しようとしていた。
しかし、通州事件については、今まで研究が進んでいなかった。本書は、様々な資史料を利用して、それらをもとにして、事件のほぼ全容を示すことができた。
日本軍の通州駐留は、北京議定書ならびに塘沽停戦協定違反であること
通州にいた日本人の中には、アヘンやヘロインを取り扱う者がいた
関東軍の軍用機が、味方である保安隊を爆撃したこと
保安隊のなかには抗日意識をもった者もいて、さらに中国共産党や中国の軍事組織から工作が行われていたこと
保安隊の不審な動きは日本の機関によって察知されていたが、その対策がなされなかったこと
通州にいた日本軍の装備は不十分であったこと
この事件について日本軍の責任ある者は責任をとらなかったこと
日本外務省は、傀儡政権側に、日本人被害者らに補償金を支払ったこと など
通州事件を考える上で必要な史実の提示が、本書でなされたのではないかと思う。
声高に叫んでいる方々は、殺害された事件についてのみ問題とし、歴史研究者らはその事件に至った経過を説明しようとしていた。
しかし、通州事件については、今まで研究が進んでいなかった。本書は、様々な資史料を利用して、それらをもとにして、事件のほぼ全容を示すことができた。
日本軍の通州駐留は、北京議定書ならびに塘沽停戦協定違反であること
通州にいた日本人の中には、アヘンやヘロインを取り扱う者がいた
関東軍の軍用機が、味方である保安隊を爆撃したこと
保安隊のなかには抗日意識をもった者もいて、さらに中国共産党や中国の軍事組織から工作が行われていたこと
保安隊の不審な動きは日本の機関によって察知されていたが、その対策がなされなかったこと
通州にいた日本軍の装備は不十分であったこと
この事件について日本軍の責任ある者は責任をとらなかったこと
日本外務省は、傀儡政権側に、日本人被害者らに補償金を支払ったこと など
通州事件を考える上で必要な史実の提示が、本書でなされたのではないかと思う。