FTA(Free Trade Agreement)、自由貿易協定。二国間で結ばれた、たとえば「米韓FTA」。
中野剛志の『反・自由貿易論』(新潮新書)に、「FTA帝国主義」ということばがあった。その説明は、
アメリカは、こうした個別の貿易・投資協定によって、これまでであれば、各国の国家主権によって決められてきたような制度やルールについてまで、アメリカの企業に有利になるような変更を迫っていきました。
アメリカは、自由貿易協定を結ぶことによって、関税だけではなく、様々なルールを押しつけることによって、アメリカ企業がその国で自由に企業活動ができるように、その国の経済の仕組みを変えてしまうのだ。
たとえば米韓FTAでは、車の排出ガスの基準はアメリカの国内基準に合わせることになった。ルールに関しては、強い国の意向が貫徹する。韓国内の様々な共済保険も、民間保険と同等になるように変えられた。アメリカの保険会社の参入への道を開くためである。
更に驚くことに、こうした国際協定は、通常、国内法規より上に来るはずなのだが、アメリカは国内法をつくって、国内法がTPPに優先するようにしているようだ。アメリカでは、WTO(world trade organization)協定についても、国内法を優先させているという。
日本は、アメリカFTA帝国主義により、さらに侵略を受けることになる。