浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

カードの恐怖

2019-01-20 20:50:53 | その他
 Tカード、私も持っているが、提示を求められても出さない。というのも、日常的には持っていないからだ。家に置いてある。よかった。というのも、次のような記事が配信されたからだ。

 共同配信記事。


Tカード情報令状なく捜査に提供 規約明記せず、当局は保秘

2019年1月20日 19時38分


 コンビニやレンタルショップなど、さまざまな店で買い物をするとポイントがたまるポイントカード最大手の一つ「Tカード」を展開する会社が、氏名や電話番号といった会員情報のほか、購入履歴やレンタルビデオのタイトルなどを、裁判所の令状なしに捜査当局へ提供していることが20日、内部資料や捜査関係者への取材で分かった。「T会員規約」に当局への情報提供を明記せず、当局も情報を得たことを本人に知られないよう、保秘を徹底していた。

 Tカードの会員数は日本の人口の半数を超える約6700万人で、提携先は多業種に広がる。
(共同)
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AIとかゲノム編集

2019-01-20 14:23:24 | その他
 今月号の『Journalism』を読みはじめた。巻頭は、野家啓一氏のAI、ゲノム編集についての科学者の倫理や責任、あるいは科学研究の制約についてであった。

 私はAIやゲノム編集についてまったく学んでいない。しかし野家氏の一連の著作は、なかなか知的刺戟に富むので、何冊かは読んでいた。

 AIが、人間の能力を超えるということに関し、新井紀子氏の「AIには、意味を理解できる仕組みが入っているわけではなくて、あくまでも、『あたかも意味を理解しているようなふり』をしているのです。しかも、使っているのは足し算とかけ算だけです」という言葉を引いて、「コンピュータは計算は得意だが「意味」は理解できない」が、しかし近年の研究では、若者の読解力が下がっていることから、コンピュータと同様の欠陥をもつ人間をつくらないために、政府文科省が否定しようとしている人文学、リベラル・アーツを重視しなければならないという主張をしている。至極もっともな主張である。

 いずれにしても、本を読まない人々が増えている現在、それは若者に限らないのだが、読解力の低下は日本人全体の問題ではないかと思う。

 ゲノム編集に関して、中国の科学者が倫理的な検討を省いて、生殖細胞にゲノム編集を施したという情報。その科学者の顔が載っているのだが、まったくノーテンキな顔で、やりそうな感じである。そういえば、中国も神はいないなあ。

 野家氏はこのことに強い警戒感を示し(当然だ!)、日本生殖医学会などの提言、「時との生殖細胞や肧に対するゲノム編集の臨床応用については、全ての医療関係者やあらゆる分野の技術者、研究者に対し禁止する措置をとる」ことに強い支持を表明している。

 AIやゲノム編集。今に生きる者として、勉強しなければならないと思った。


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理不尽

2019-01-20 10:04:39 | 社会
 『朝日新聞』記事に、学校プールの栓閉め忘れ、水道代の半分を7人に賠償請求があった。

 もちろんこの関係者は、意図的ではない。

 しかし、厚労省の役人達は意図的に不正をはたらき、いつものように誰もその責任を問われることもないだろうが、その結果、新たに795億円を投下しなければならなくなった。そのカネを負担するのは国民だ。

追加支給予算案795億円 統計不正 閣議決定やり直し

 ミスでプールの水を止水しなかった、その結果、関係者が(私にとっては大金であるが)7人で負担するという。厚労省の役人と、この関係者。

 何というアンバランス。
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この記事を読んで情けなく思った

2019-01-20 09:45:04 | 社会
 私は、相撲には何の関心も持っていない。新聞でも、相撲記事は読み飛ばす。しかし、稀勢の里という横綱が引退したことくらいは知っている。

 この問題に関して、以下のようなことが起きていることを、はじめて知った。記事中にあるが、これも、立場をかえて考えれば不当であることが、容易に想像できる。

 アメリカ・大リーグで日本人選手がバッターボックスに立つ、すると観客席からピッチャーへの異様な応援が始まる、そういう光景を想像してみよう。

 何と情けない日本人であることよ。

稀勢の里「歪なナショナリズムのアイコン」として政治利用された相撲人生! 受け続けた「日本スゴイ」の重圧が…


 その日本人は、急激に人口を減らしていくのだよ、そちらのことを心配した方がよい。エネルギーの投入先が間違っている。

 
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今日の『東京新聞』社説

2019-01-20 09:15:05 | 近現代史
 私は、すべての国民が帚木蓬生の『三たびの海峡』を読むべきだと思う。

 戦時体制下、たくさんの朝鮮人労働者が日本に強制的に動員され、暴力支配の下、過酷な労働を強制された。その体験者から話を聞いたことがあったが、「帰国してから日本人には一度も会ったことはない」と言いつつ、「なんで日本人はあんなに暴力を振るうのだろうかと思っていた」と、具体的な暴力の話をされた。

 もと徴用工のことを考えるとき、その人の立場に立って考えてみることが必要なのではないか。日本と韓国(朝鮮)の関係を、きちんと知るべきである。私は、はじめて韓国を訪問したとき、日本人としての罪を考えた。それは今もかわってはいない。

 日本と韓国の関係を考えるということは、日本の近現代史に於ける日朝関係をもとにしなければならないということだ。韓国を蔑むような姿勢からは何も生まれない。

 
週のはじめに考える 海峡をはさむ国と人

2019年1月20日


 日韓関係が揺れています。韓国人元徴用工への賠償支払いを日本企業に命じる判決が、韓国で相次いでいるからです。有効な手だてはあるでしょうか。

 「十五時間も穴にもぐらされているのに、飯は少ない。石炭を掘りながら、食い物のことばかり考えているよ」

 一九四三年に朝鮮半島から日本に来た、十七歳の男性を主人公にした小説「三たびの海峡」(帚木蓬生(ははきぎほうせい)著)の一節です。

 貨物列車で九州の炭鉱に連れて行かれた男性は、坑道の奥深くで働きますが、その後逃亡して祖国で成功、日本を再訪問する-。映画化もされたこの小説は、フィクションではありません。
◆日本での厳しい境遇

 韓国政府は、第二次大戦末期、日本の植民地だった韓国から、軍人などを除く約十五万人が日本で働かされたと認定しています。

 暴力も伴う厳しい監視の下、日本人も避ける危険な仕事に回されました。賃金は強制貯金され、支払われないこともありました。

 この問題に関連し日本政府は、六五年に実現した日韓国交正常化の際、有償二億ドル、無償三億ドル分を「経済協力」の名目で韓国政府に渡しています。

 この時交わした日韓請求権協定には、「問題は完全かつ最終的に解決」との文言が盛り込まれ、韓国政府も同意しています。

 韓国が経済成長した後、韓国政府が責任を持って、強制労働させられた人などへの補償(請求権)問題を解決する-そういう意味を持った合意でした。

 当時は東西冷戦やベトナム戦争があり、米国を含めた三カ国の結束を固める必要から、さまざまな問題を一括妥結させたのです。

 韓国に無償で渡されたのは現金ではありません。金額分に当たる、日本の生産物や役務でした。
◆決着済みだった問題

 その韓国で、元徴用工や女子勤労挺身(ていしん)隊員として働いた人たちへの賠償を命じる判決が相次いでいます。問題を蒸し返すのか。そう感じた人も多かったはずです。

 ただ、家族から離れ、過酷な環境で働かされた人たちの体験を、忘れてはならないでしょう。

 この人たちは帰国後、ねぎらわれるどころか「日本に協力した」と白い目で見られました。

 日韓両政府の問題処理にも納得できず、支援者の協力を得て訪日を果たし、企業との直接交渉を始めたのです。

 一部企業は和解に応じましたが、多くは和解を拒んだため、賠償を求めて日本で裁判を起こします。九〇年代のことです。

 日本での判決は、原告たちの厳しい労働実態を認定しています。しかし、すでに外交的な解決が図られたことから、請求はできないとの判断を下し、原告は敗訴。裁判は韓国に場所を移します。

 この間、韓国は民主化を果たし、市民の声が政治を動かすようになりました。それが徴用工問題にも反映していきます。

 協定では決着済みでも「未解決」部分が残っているのなら、解決すべきだという考え方です。

 日本の植民地支配に対する解釈でも日韓は対立していますが、重要なのは高齢となった被害者の心を満たし、どう救済するかです。

 原告らは判決に従い、資産の差し押さえを行う構えを見せています。もしそうなれば、日韓関係はさらに緊張するでしょう。

 一方、別の被害者らは、「補償責任は韓国政府にある」として、昨年暮れ、逆に韓国政府を相手に集団訴訟を起こしています。

 混乱を防ぐため、韓国政府は、日本からの援助で利益を得た韓国企業、日本企業による三者で基金をつくり、幅広い救済に当たる構想を持っています。日本政府は基金には否定的で、韓国側に協議を申し入れています。差し押さえには対抗措置をとる姿勢です。

 一致点はなかなか見つかりません。例えば、米中の国交樹立をはじめ、難しい交渉を実らせたキッシンジャー元米国務長官の外交術は一助にならないでしょうか。

 タフな交渉者のイメージが強い人ですが、意外にも「相手の趣味や関心に理解を示し、相手の視点に共感し、同じ心境になろうとした」(「キッシンジャー超交渉術」日経BP社)そうです。当たり前ですが、大切な姿勢です。
◆今後も続く隣国関係

 今、日韓間ではレーダー照射問題などを巡っても、激しい応酬が繰り返されています。理屈は双方にあるにせよ、この「視点や共感」が不足しているのではないでしょうか。

 両国の外相は、二十三日に会談する予定です。元徴用工の人たちが味わった思いを考えたい。そして引っ越せない隣国である両国が知恵を寄せ合って、なんとか方策を探ってほしいと思います。


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