浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】加藤紘一『テロルの真犯人』(講談社α文庫)

2019-01-29 16:54:24 | 
 賢明な保守政治家がいなくなった。読みながらそう思った。加藤紘一のような政治家であったなら、共通の認識を持って話し合いができると思った。加藤は、社会や政治、そして歴史に対して、学問に裏付けられた認識をもっている。近頃の自民党や維新の議員とはまったく異なる。

 加藤は、安倍晋三という人物に危うさを感じていたようだ。ハンチントンの「自国の外に敵を作り出せば、必ず匡のなかはひとつにまとまる」を引いて、小泉政権からの危ういナショナリズムに警鐘を鳴らしている。

 本書は、まっとうな保守政治家の気概と、その思想が記されている。安心して読むことが出来る。

 保守的な方々も、是非読んで欲しい。

 内容をあまり紹介しなかったが、裏付けのある主張をもった政治家はほとんど消えていったという気がする。

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防衛相幹部の「ぼやき」

2019-01-29 09:49:13 | メディア
 『朝日新聞』1月26日付に、「「韓国疲れだ。日本を米西海岸沖に移したい」 防衛省幹部ぼやき」という記事が載った。

 もちろんこれを書いたのは、『朝日新聞』記者。いったい何のために?書いたのか。

 防衛相幹部は、韓国との対立が激しくなっているので、「日本列島を(米西海岸の)カリフォルニア沖に移したい」とぼや」いたそうだ。

 自衛隊は米軍がつくり育ててきた軍隊、近年は米軍との一体化が進んでいるから、要するにほんとうに米軍と一体化したいという本音を語ったのだろう。

 しかし、ぼやきに対しての記者のコメントはない。これはコメントをつけるべきである。ひょっとしたら、この防衛省幹部と『朝日新聞』記者とは同じ考えをしているのだろうか。だとしたら、より恐ろしい。

追記 リテラがこの件で、書いた。

朝日が報じた「日本を米西海岸沖に移したい」発言の防衛省幹部はトップの事務次官だった! 対米従属ここまで

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厚労省の杜撰さ

2019-01-29 08:45:50 | 政治
 政治家も劣化しているが、それに劣らず官僚の劣化も甚だしい。日本を先進国だとか、一流国だとか思わない方がよい。

 今日の『朝日新聞』記事。「有料記事」ではないから、全文貼り付ける。

基幹統計に新たな誤りか コンドーム生産量「月4億個」

薬や医療機器の生産実態をまとめた国の基幹統計の「薬事工業生産動態統計」に誤りがある可能性が浮上している。2009年12月のコンドームの生産量が通常より1ケタ多く、09年の年間生産量も上回っていた。統計を所管する厚生労働省は、生産者からの報告が間違っていた可能性もあるとみて、事実関係の確認を進める方針。

 厚労省がホームページで公表している同統計によると、09年1~11月のコンドーム生産量は月約2900万~3700万個。だが、12月は十数倍の「4億7538万」個となっており、09年の生産量をまとめた年報の「4億365万」個を超えていた。08、10年の12月は3500万個前後だった。

 この不自然な数字は28日付の匿名のブログ上で指摘され、厚労省の担当者もこの日に把握したという。同統計は生産者から報告されたデータをまとめており、「どの生産者から報告されているか調べ、事実関係を確認したい」としている。



 問題なのは、この記事の末尾、厚労省の担当者の弁。業者からあがってくる数字をそのまま掲載する、というのもどうかと思う。私も歴史を叙述するために統計を使用するが、その際はその数字が妥当なものであるかは必ず確認する。たとえば、数年にわたる数字から突然飛び抜けた数字が現れたら、その数字が正しいか、正しいとするならなぜそうなったかを調べる。統計を使う場合、当然行う作業である。おそらくおのれの無能を棚に上げ、さらに責任追及を逃れるための発言であろう。

 この担当官は、そうしたことをしなかった、ということであり、数字を扱う能力も技倆もない、ということを示している。業務をいい加減に行っているのである。

 何ごとも上司の印鑑が押されないとことはすすまない官僚の世界であるから、上司の確認もなされただろう。上司もいい加減であった、ということだ。

 いずれにしても、厚労省は腐臭を放っているということだ。

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