都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
スクロヴァチェフスキが、読売日本交響楽団の次期常任指揮者に就任!

読売日本交響楽団の第8代常任指揮者に、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ氏が就任することが決まり、12月16日に都内のホテルで記者発表が行われました。現常任指揮者の第7代ゲルト・アルブレヒト氏の後任で、任期は2007年4月から2009年3月末までの2年間です。
既に、「ぶらあぼ国内ニュース」では取り上げられていましたが、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキが、読売日本交響楽団の次期常任指揮者に就任することが決まりました。任期は2007年4月から2年間。読売日響とスクロヴァチェフスキのコンビは前々から定評がありましたが、まさか常任指揮者になられるとは思いもよりません。これは快挙と言っても良いと思います。
スクロヴァチェフスキは、先日のコンサートを含め、読売日響の公演で三回ほど接したことがありますが、(全て曲はブルックナーだったと思います。)いつも、個性的とも言える曲の解釈に戸惑いながらも、そのアプローチの強固な完成度と、オーケストラを束ねる求心力(音楽への強い愛情を伴った。)、そして全く年齢を感じさせない明晰な指揮に、強く感心させられます。個人的に言えば、定評のあるブルックナーよりも、バルトークかストラヴィンスキー辺りの音楽や、ハイドンからベートーヴェンに至る古典派の交響曲を生で聴いてみたいと思うのですが、ともかくこのような稀有な指揮者を、同時代として、しかも身近なオーケストラで聴くことが出来るとは、本当に大きな喜びです。今後、詳細や、記者会見の記事が、ぶらあぼなどのHPに載るかと思いますが、まずは心からご就任をお祝いしたいと思います。
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「元木孝美 『scape』」 トーキョーワンダーサイト 12/10

「Emerging Artist Support Program 4 元木孝美『scape』」
11/26~12/18
トーキョーワンダーサイトが開催する、若手アーティスト支援のための展覧会。その第4弾は、元木孝美さんの個展でした。トタンによって作られた、小さな梯子状の作品が空間を飾ります。
会場はワンダーサイト2階の、2つの部屋です。入ってすぐの小部屋にあるのは3点の作品。この中で目を引いたのは、「tower」と呼ばれる、ズバリ、1メートル程度のトタンの塔です。幅5ミリ程度の薄っぺらいトタンの「線」が、約10センチ間隔で梯子状に連なり、高く積み上がる。「tower」で美しいのは、天井から当たるスポットライトによって生み出された影です。バネのように、しなやかに立つトタンの塔。そこに差し込む温かいライト。それが「tower」に、トタンの柔らかな質感を思わせる、優しい影を作り出しています。
2つ目の広い部屋にて展開されたインスタレーション。それが、今回の展覧会の目玉の「scape」です。初めの展示室にあったものと同じトタンの梯子が、壁に掛けられて、部屋をぐるっと一周する作品と、もう1点、床に直接置かれた、横30センチ、縦3メートル程度の作品。この2つが静かに佇んでいます。床に置かれたトタンの梯子は、コンクリートのひび割れた床に直に接していて、視線を落として屈んで眺めると、トタンがまるで建物の連なりのようにも見えてきます。砂漠の上の人口都市…。ゴウゴウと音を立てて唸る空調は、何やら砂嵐のようにも聴こえてきます。心地良さこそありませんが、近づいてはいけないような、禁じられた場のような気配をも漂わせていました。
元木さんについては、今回の展覧会で初めて存じ上げましたが、会場に置かれていた図録等によれば、トタンを使ったインスタレーションを一貫して展開されているようです。トタン製の都庁や、トタンによって象られたロゴなど、それらも少し見てみたいと思いました。(画像はワンダーサイトのHPより。)
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