カプソン兄弟+ブラレイ 「ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第3番」 LFJ2007

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 熱狂の日音楽祭2007
公演番号123

ドヴォルザーク ピアノ三重奏曲第3番

ヴァイオリン ルノー・カプソン
チェロ    ゴーティエ・カプソン
ピアノ    フランク・ブラレイ

2007/5/2 17:15 東京国際フォーラムホールB7(マラルメ)



LFJのコンサートについても簡単な感想を残しておきたいと思います。まずは初日、夕方より楽しんだ、カプソン兄弟とブラレイによるドヴォルザークのピアノ三重奏曲です。時に三者の個性も激しくぶつかり合う、スリリングな演奏に仕上がっていました。

雄弁に語るルノーのヴァイオリンと、内省的にリズムを刻むゴーティエのチェロが絡み合ったかと思うと、そこへまるで両者の仲を裂くかようなブラレイのピアノが力強く覆い被さっていきます。元々、この曲はドヴォルザークの他の三重奏曲に比べ、表現に荒々しい内容が目立つとのことですが、殆ど荒削りとさえ思うようなブラレイのピアノがその趣きをさらに激情的なものへと仕上げていました。ただ、繊細な心情の吐露や、堅牢な構成感を思わせる厚みのある響きの表現にまでは至っていません。自己主張の強い三者が、それこそアンサンブルの壁を打ち破るかのように半ば「喧嘩」しているのです。もちろん息もぴったりな場面も聴かれましたが、どちらかと言えば丁々発止的な演奏だったかと思います。それでも、アンコールのクライスラーは終始、愉悦感に満ちた内容でした。



音響に難のあるホールB7も昨年以来です。ただ、今回はその音にも慣れてしまっていたのかもしれません。ダイレクトな響きを素直に楽しむことが出来ました。
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