カペラ・アムステルダム 「ストラヴィンスキー:バレエ音楽『結婚』」他 LFJ2007

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 熱狂の日音楽祭2007
公演番号446

バルトーク 2代のピアノと打楽器のためのソナタ
ストラヴィンスキー バレエ音楽「結婚」

ソプラノ キャロライン・サンプソン
アルト スーザン・パリー
テノール フセヴォロド・グリヴノフ
バス デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン
ピアノ マルクス・ベルハイム、フリーデリーケ・ハウク、ユルゲン・クルーゼ、ベンヤミン・コプラー
合唱 カペラ・アムステルダム
演奏 ムジーク・ファブリーク
指揮 ダニエル・ロイス

2007/5/5 18:30 東京国際フォーラムホールC(カフカ)



現代音楽を活動の拠点としているムジーク・ファブリークと、「オランダで最も人気のある合唱団」(パンフレットより。)というカペラ・アムステルダムが、ストラヴィンスキーの珍曲(?)、「結婚」を手がけます。指揮は、第1回熱狂の日での「ミサ・ソレムニス」の名演の記憶も新しいロイスでした。

1曲目のムージク・ファブリークによるソナタは、それこそ音の面白さだけで楽しませてくれるような、さながらノリの良い「現代音楽」的バルトークです。2台のピアノのリズムはかなり激しく、奏者は時に鍵盤を強く叩いて、まるで音を割るかのようにガンガンと鳴らしています。もはやピアノが打楽器です。そして、そのピアノと上手く呼応していたのは、二人の奏者が何と8つの打楽器を操るパーカッションでした。ばちなどを終始持ち替えながら、何とも忙しそうに打楽器を打ち鳴らしていきます。切れ味鋭いピアノと打楽器が、それこそ手品を繰り広げるようにして音のダンスを楽しませてくれました。

カペラ・アムステルダムと4人のソリストを迎えての「結婚」は秀演です。的確なロイスの指揮の元、特に女声陣に優れた合唱団が曲の示す情景を鮮やかに描き出しています。ソリストでは特に、演技にも優れたバスのジョンソンと、低音ののびが美しいアルトのバリー、または可愛気な花嫁像を作り出していたソプラノのサンプソンが印象に残りました。また迫力十分な4台のピアノや、表現力に巧みな木琴も優れています。

「結婚」は、ロシアの伝統的な「どんちゃん騒ぎ」風の婚礼の様子を音楽で表現した作品です。途中にはカップルの友人が、何と二人のためのベットまでを温めておこうとする描写までが生々しく登場します。音楽は意外にも古典的なものでしたが、土着的な明快なリズムと、華々しい合唱やピアノのフレーズが印象に残りました。

字幕があればより楽しめたのかとも思います。簡単な対訳は配布されていましたが、演奏中に追うのは困難です。劇音楽的な妙味をより分かりやすく味わえたらとも感じました。
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熱狂の夜 2007

連休最後の土曜日ということで、その人出は一番多かったかもしれません。私は夕方より夜まで楽しんできました。国際フォーラムでの「熱狂の日音楽祭」です。


「モルダウ」での無料コンサートです。ちょうど、高関&桐朋学園大学オーケストラによる「春の祭典」が華やかに演奏されていました。高関らしい楷書体の『ハルサイ』です。(学生オケがこれまた秀逸!)


夜10時をまわってもこの人出です。


インフォメーションよりチケットブースをのぞむ。


5/6の残席情報です。(5/5 22時現在)ホールCの全ての公演と、ホールAの3公演が残っています。(コルボのレクイエムが残っています!)


ローザンヌ声楽アンサンブルの美声に心から酔いました。終演は夜11時。あたりはすっかり静まり返っています。

会場にて思いがけない方ともお会いすることが出来ました。ビールを片手に、知人と気軽に盛り上がれるのもこのイベントのよいところです。

*関連リンク
ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」音楽祭2007
公式レポート(当日券情報あり。)
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