「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日音楽祭)2007」が開幕

昨日より本公演も始まりました。東京国際フォーラムで開催中の「ラ・フォル・ジュルネ2007」です。



東京でクラシック音楽の祭典開幕、来場者約8万人(Yomiuri on-line)
ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」音楽祭2007
公式レポート(当日券情報あり。)

再開発ブームにわく丸の内の喧噪をそのまま取り込んだのでしょうか。半券の提示が必要な地下の展示ブースについては余裕がありましたが、フリースペースの地上広場はともかく人で埋め尽くされていました。お馴染みの「ネオ屋台村」をはじめ、実際にアーティストの方々が生演奏を繰り広げる「ミュージック・キオスク」などはどこも大盛況です。ゆっくり腰をかけるスペースすらありません。


有楽町駅側より会場をのぞみます。


人の波が絶えません。


ホール案内表示もすっかりLFJモードです。

 
「ミュージック・キオスク」。今年からはじまりました。ライブ(もちろん無料。)で楽しめます。


中央が物販スペース、奥が当日券売り場です。ここは比較的スムーズでした。


地下展示ホール「モルダウ」です。演奏家(プロ・アマを問わず。)によるコンサートなどが開催されています。


「公式アフターガイド」の「ぶらあぼ」もお忘れなく。入口でも配っています。もちろん無料です!

先日にカプソン兄弟によるドヴォルザーク「ピアノ三重奏曲」を、また今日はプラネスのヤナーチェクやイザイのバルトークの「第6番」を聴いてきました。次は5日に繰り出そうと思います。ロイス&カペラ・アムステルダムの「結婚」と、ラーンキやクルコンのバルトーク、さらには深夜のコルボの「レクイエム」などを楽しむ予定です。

最後に当日券についてですが、Aホール以外はほぼ「完売」の状況に近くなってきています。ただ、少なくとも今日の昼間の段階では、Cはもちろんのこと、B5やB7にも残席のある公演がいくつか見られました。昨年よりは若干、余裕があると思います。



お土産にはLFJの人気グッズ(?!)、作曲家の文字絵シール(10億人が楽しめる手描き文字絵)をいただきました。地下1階、物販コーナー「ハーモニー市場」にて販売中です。おすすめです!
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「笑い展」 森美術館

森美術館港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
「笑い展 - 現代アートにみる『おかしみ』の事情」
1/27-5/6



「日本美術が笑う」より続きます。同時開催中の「笑い展」です。この手の展覧会での「玉石混淆」はむしろ当然ではないでしょうか。肩の力を抜いて楽しんできました。

冒頭の苦手なフルクサスを早々に退散して先へ進むと、日常の光景の中に笑いを見出したウィル・ローガンの数点の写真が待ち構えています。ややありがちな印象も否めませんが、二羽の白鳥が水の中に首を突っ込んでいる「スワン・スルー」などは、「笑い」よりも「美しい」と思う情景が捉えられていました。また映像の「通り抜け」も印象的です。子どもたちの素直な反応を覗き込むような趣味の悪さも感じながらも、終始、その表情を見入ってしまうような作品でした。

韓国のお札に描かれた世界遺産の建物に、アーティスト自身が入りこんだアニメーション、「ブーユーバダ(浮遊/富裕)」も印象に残ります。作家本人を見つけ出すのは比較的用意ですが、見ていると、不思議にも一緒に入りたくなってしまいました。ただこれはもう一歩、オチの部分が欲しいところです。

資生堂の個展も印象深いロビン・ロードを、この展覧会で見るとは思いもよりません。その独特なストリートミュージシャン風のパフォーマンスが、軽快なリズムにのって次々と繰り出されていきます。ちなみに会期当初、ここ六本木ヒルズにて彼のパフォーマンスが実際にあったのだそうです。(*1)また、今村哲の絵画が展示されているのもやや意外な感覚を受けました。マチエールにも優れたお馴染みの童話風絵画が、いくつか出品されています。

鳥光桃代の「Horizons」は、世界で働くビジネスマンの争いを、殆どチープとさえ思うような巨大ジオラマで表現した作品です。ほふく前進をしたスーツ姿の男たち(女性もいらっしゃったかもしれません。)が、さながら陣取り合戦をするかのように徒党を組んでいます。ちなみにそのビジネスマンは、ヨーロッパ、アメリカ、アジアの三地域に分かれているのだそうです。てっきり東アジアの抗争かと思い違いをしてしまいました。

最後の田中功起の「そうして森美術館にたくさんのたらいが落ちる」は、やはりそのシーンを実際に確かめたい作品です。200個ものたらいが轟音をたてて崩れ落ちる様子は、くだらなさ満点でありつつ、ただひたすらに痛快でした。

笑いの裏側に潜むシリアスな現実を読み取ることも必要かもしれませんが、総じて「日本美術が笑う」よりも、ストレートに「笑い」が押し出されていた展覧会だったと思います。

ところで森美術館ですが、今、エレベーターが整備工事中のため、使用台数が相当に制限されています。そのため、エレベーター前のフロアには長蛇の列です。私が出向いた際も、下りエレベーターの待ち時間は約30分ほどでした。ここは全然笑えません。

展望台は混雑していますが、例によって展覧会には余裕があります。5月6日までの開催です。(4/29)

*1 「ロビン・ロード:ドローイング・パフォーマンス」(弐代目・青い日記帳) パフォーマンスを実際にご覧になったTakさんのレポートです。必見!

*関連リンク
JDNリポート「笑い展」(展覧会の様子が写真入りにて紹介されています。)
六本木ヒルズ、オーチス製エレベーター8基が安全基準外(NIKKEI NET)
六本木ヒルズ森タワー・展望階行きエレベーター制限運転について(森ビル)

*関連エントリ
「日本美術が笑う」 森美術館
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