「イロノベクトル - 金丸悠児・野地美樹子二人展 - 」 四季彩舎

四季彩舎中央区京橋2-11-9 西堀11番地ビル2F)
「イロノベクトル - 金丸悠児・野地美樹子二人展 - 」
7/30-8/8

「C-DEPOT 2007」でも印象深かった金丸悠児が登場すると聞き、急遽行ってみることにしました。京橋の四季彩舎で開催中の「イロノベクトル」です。



主に日本画を手がける野地美樹子との二人展ですが、今回は通常、それこそベクトルの異なる二人の「絵画」が美しく調和した展覧会と言えるかもしれません。アクリルに麻布や新聞紙をコラージュした金丸の絵画は実に質感に長けていますが、石膏を支持体に、もはや日本画の範疇を超えたような、半ば工芸的とも言える表現でほのぼのとした世界を描く野地の作品も非常に見応えがあります。絵の中へ潜ませるように黒猫を配し、ありふれた日常の光景を捉えているようでも、まるで記憶の糸を辿るような懐かしさを見せる絵画はどこか刹那的です。とりわけ、一面に散った葉の絨毯の上で、猫が水たまりをのぞきながらブランコに乗る作品には惹かれました。その水面には猫の表情が何とも可愛らしくうつっているわけです。

「C-DEPOT2007」での巨大な「地図」が圧倒だった金丸は、今回は主に動物をモチーフとした絵画を展開していました。ただしその動物にも、例えば「地図」で見たような家などがひっそりと組み込まれています。例えばDMを飾った「エレファント」をご覧下さい。到底アクリルとは思えないような趣ある朱色を背景に、一頭の象がひょうひょうとこちらを見つめていますが、その大きな耳に家々が連なっています。画肌の複層的な質感と、その描き込まれたモチーフが互いに重なり合うかのようにしてイメージも膨らんでいくわけです。

8日、水曜日までの開催です。(8/4)

*関連エントリ
「EXHIBITION C-DEPOT 2007」 スパイラルガーデン
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