お月見は「秋草図屏風」で。

先日、道一のエントリでも少しご紹介しましたが、来週28日より10月8日まで、東京国立博物館・平常展(本館8室 書画の展開 - 安土桃山・江戸)にて酒井抱一の「秋草図屏風」が展示されます。満月のもとで秋草のそよぐこの屏風は、お月見の時期に楽しむのにピッタリの作品です。



東博のサイトに「秋草図屏風」と紹介されているのでそれに倣いますが、今回展示されるのは、ペンタックス株式会社の所蔵する重要文化財「月に秋草図屏風」です。抱一得意の銀地ではなく、金地に桔梗やすすきなどの秋の草がのびやかに配され、そこへ満月が覆い被さるかのようにして照っています。六曲一隻の屏風とのことで、ひょっとするともう一隻の存在も可能性として残っているそうですが、まずはその風流な美感に酔いたいところです。



ところでこの作品とは全く関係がありませんが、抱一関連の情報として付け加えておきたいのは、来月に千葉市美術館で予定されている講演会のことです。9月29日(土)、同美術館の主催する「コレクション理解のための市民美術講座」の一環として、「酒井抱一 - 200年前の展覧会 - 」と題した学芸員による講演会が企画されています。以前、詳細を問い合わせたところうまくお返事をいただけなかったので後日もう一度確認しますが、200年前の展覧会とは、おそらく1815年に抱一の行った「光琳百回忌」での光琳遺作展のことではないでしょうか。ともかく一般向けの抱一の講演会は非常に珍しいので、これは聞きに行くつもりです。

「秋草図屏風」が一般に公開されるのは、2004年の「RIMPA」展(東京国立近代美術館)以来のことかもしれません。一足早い秋を東博で楽しみたいと思います。

*関連リンク
東博・むこう2ヶ月の平常展の主な展示作品
千葉市美術館・講演会、講座
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