都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「大琳派展」 東京国立博物館 Vol.5(平常展「琳派ミニ特集」)
東京国立博物館(台東区上野公園13-9)
「琳派ミニ特集『絢爛の琳派絵画 - 巨匠と継承者』」(平常展 本館2階第8室 - 書画の展開、安土桃山・江戸)
10/7-11/16

大琳派シリーズの5回目です。今回は本編の大琳派展より離れ、本館2階、第8室の江戸絵画コーナーで開催中の、「琳派ミニ特集 - 絢爛の琳派絵画」に目を向けてみます。東博と言えば、日本随一の規模を誇る日本美術の常設展示です。今回も点数こそ少なめ(約10点)ですが、なかなか見応えのある作品が紹介されていました。
「西行物語絵巻(渡辺家本)巻上」俵屋宗達(重文)


西行物語がこちらにもお出ましです。宗達が模した二本の絵巻のうち、一本の上巻がまとめて展示されています。
「秋草図屏風」俵屋宗雪(重文)


金屏風に秋の草花が群れるように咲き誇ります。宗達イズムを確かに受け継いだ弟子、宗雪の代表作です。
「和歌巻」尾形宗謙


何とも流麗な書が雲霞と草花の中を舞踊ります。光琳の父、宗謙作の見事な巻物です。
「拾得図」尾形光琳

大琳派展でも光琳の墨画が紹介されていましたが、こちらもそれらに負けない魅力をたたえています。
「紅葉に菊流水図」尾形乾山

紅葉こそ、器に描かれた文様そのものですが、その下の水流はあたかも紅白梅図のそれのようでした。
「梅鴛鴦若松春草図」田中抱二

抱一の弟子、抱二による、可愛らしい鳥が印象的な二幅の鴛鴦図です。丸みを帯びた表現に抱一よりも芳中のテイストを感じます。
「御伽噺図」池田孤村

同じく抱一門下で、其一と並べ称された池田孤村の作品です。
この他、撮影不可のために写真をあげられませんが、中村芳中の「蝦蟇鉄拐図屏風」も、そのコミカルな動きが興味深い佳作でした。雪佳、芳中あたりはもはや琳派を語るに欠かせない人物でもあります。
大琳派展に登場する絵師は6名(宗達、光悦、光琳、乾山、抱一、其一)にほぼ絞られていますが、こちらは彼らの抱えた弟子たちなどにもスポットが当たっていました。まさに大琳派展を補完する内容と言っても良さそうです。
平常展「琳派ミニ特集」は大琳派展の会期と同じです。11月16日まで開催されています。なお展示替えの予定はありません。
*大琳派展シリーズ
Vol.12(鈴木其一+まとめ)
Vol.11(酒井抱一)
Vol.10(光琳、乾山)
Vol.9(宗達、光悦)
Vol.8(光琳、抱一、波対決)
Vol.7(風神雷神図そろい踏み)
Vol.6(中期展示情報)
Vol.4(おすすめ作品など)
Vol.3(展示替え情報)
Vol.2(内覧会レクチャー)
Vol.1(速報・会場写真)
*関連エントリ
大琳派展@東博、続報その2(展示品リスト公開。)+BRUTUS最新刊「琳派って誰?」
大琳派展@東博、続報(関連講演会、書籍など。)
大琳派展(東博)、公式サイトオープン
「琳派ミニ特集『絢爛の琳派絵画 - 巨匠と継承者』」(平常展 本館2階第8室 - 書画の展開、安土桃山・江戸)
10/7-11/16

大琳派シリーズの5回目です。今回は本編の大琳派展より離れ、本館2階、第8室の江戸絵画コーナーで開催中の、「琳派ミニ特集 - 絢爛の琳派絵画」に目を向けてみます。東博と言えば、日本随一の規模を誇る日本美術の常設展示です。今回も点数こそ少なめ(約10点)ですが、なかなか見応えのある作品が紹介されていました。
「西行物語絵巻(渡辺家本)巻上」俵屋宗達(重文)


西行物語がこちらにもお出ましです。宗達が模した二本の絵巻のうち、一本の上巻がまとめて展示されています。
「秋草図屏風」俵屋宗雪(重文)


金屏風に秋の草花が群れるように咲き誇ります。宗達イズムを確かに受け継いだ弟子、宗雪の代表作です。
「和歌巻」尾形宗謙


何とも流麗な書が雲霞と草花の中を舞踊ります。光琳の父、宗謙作の見事な巻物です。
「拾得図」尾形光琳

大琳派展でも光琳の墨画が紹介されていましたが、こちらもそれらに負けない魅力をたたえています。
「紅葉に菊流水図」尾形乾山


紅葉こそ、器に描かれた文様そのものですが、その下の水流はあたかも紅白梅図のそれのようでした。
「梅鴛鴦若松春草図」田中抱二


抱一の弟子、抱二による、可愛らしい鳥が印象的な二幅の鴛鴦図です。丸みを帯びた表現に抱一よりも芳中のテイストを感じます。
「御伽噺図」池田孤村


同じく抱一門下で、其一と並べ称された池田孤村の作品です。
この他、撮影不可のために写真をあげられませんが、中村芳中の「蝦蟇鉄拐図屏風」も、そのコミカルな動きが興味深い佳作でした。雪佳、芳中あたりはもはや琳派を語るに欠かせない人物でもあります。
大琳派展に登場する絵師は6名(宗達、光悦、光琳、乾山、抱一、其一)にほぼ絞られていますが、こちらは彼らの抱えた弟子たちなどにもスポットが当たっていました。まさに大琳派展を補完する内容と言っても良さそうです。
平常展「琳派ミニ特集」は大琳派展の会期と同じです。11月16日まで開催されています。なお展示替えの予定はありません。
*大琳派展シリーズ
Vol.12(鈴木其一+まとめ)
Vol.11(酒井抱一)
Vol.10(光琳、乾山)
Vol.9(宗達、光悦)
Vol.8(光琳、抱一、波対決)
Vol.7(風神雷神図そろい踏み)
Vol.6(中期展示情報)
Vol.4(おすすめ作品など)
Vol.3(展示替え情報)
Vol.2(内覧会レクチャー)
Vol.1(速報・会場写真)
*関連エントリ
大琳派展@東博、続報その2(展示品リスト公開。)+BRUTUS最新刊「琳派って誰?」
大琳派展@東博、続報(関連講演会、書籍など。)
大琳派展(東博)、公式サイトオープン
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