「大畑伸太郎 - さよなら三角」 YUKARI ART CONTEMPORARY

YUKARI ART CONTEMPORARY目黒区鷹番2-5-2 市川ヴィラ1階)
「大畑伸太郎 - さよなら三角」
10/2-25



101アートフェアでも印象深かった大畑伸太郎による、待望の新作個展です。YUKARI ART CONTEMPORARYでの「大畑伸太郎 - さよなら三角」へ行ってきました。

会場内に入った瞬間、思わず目を細めてしまったのは私だけでしょうか。展示室中央、向かって右手の壁面には、木立に覆われた彼方にビルの臨む都会の光景がどこかほのぼのした様の絵画にて示され、その手前に、心地よく風を切って自転車をこぐ少女が、あたかも粘土細工のような温もりを持って立体化されています。それがちょうど上に挙げたDM画像です。ようは前景の自転車が立体作品、後ろの風景が平面、ペインティングという仕掛けなわけでした。街のどこにでもありがちな景色を、このピンクのような統一感のあるタッチでまとめあげ、さらにはオブジェ化した風景を絵画へとけ込ませる様は、一見古典的な手法でありながらも、有無を言わせない迫力と臨場感にも溢れています。あたかも都会派ドラマのワンシーンを3次元にして味わっているような気さえしました。

自転車の後ろに乗った猿のような生き物にも注目です。空想の世界より飛び出してきたマスコットを、実景と対立させることなく巧みにブレンドしてしまいます。人や車の行き交う都会の雑踏を舞台に、シュールでかつ童話を見るような世界を作り上げていました。

奥の暗室の小部屋でさらにたまげました。こればかりは実際にご覧いただくしかありませんが、ついついキザながらも「待たせたごめん。」という台詞が浮かんでくるほどの見事なシチュエーションで演出されています。

明日までの開催です。今更ながらおすすめです。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )