「特集陳列 中国書画精華」 東京国立博物館

東京国立博物館台東区上野公園13-9
「特集陳列 中国書画精華(平常展)」東洋館第8室
9/9-11/3(後期:10/7-11/3)



毎年、この時期になると、館蔵(一部、館外)の中国書画の優品を展観するそうです。東洋館で開催中の「特集陳列 中国書画精華」へ行ってきました。

実は前期も見に行って感想を書きそびれてしまっていますが、ともかく出品リストを見ても明らかなように、お宝を所蔵する東博平常展でも指折りの特集展示であることは間違いありません。北宋期より南宋、元、明、そして清に至るまで、約7、8世紀分の珠玉の中国絵画がズラリと揃っていました。以下、拙いですが、作品写真をいくつか挙げてみます。


「紅白芙蓉図」 李迪(1197)
華やかな芙蓉が見事な写実で表されています。仄かににじむ紅色もまた美しいものです。


「十六羅漢図(第三尊者)」金大受(12世紀)
お馴染みの十六羅漢が登場します。前後期合わせると計4体が展示されていました。


「李白吟行図」梁楷(13世紀)
水墨の颯爽としたタッチが映えています。今にも動き出しそうな迫真の李白像です。


「山水図」夏珪(13世紀)
雄大な山をのぞむ湖上の景色でしょうか。探幽にもこれとほぼ同じ作品があるのだそうです。

 
「寒山拾得図」伝顔輝(14世紀)
ニタリと笑う寒山と拾得がそびえます。足利家より信長、そして本願寺などへ伝来した作品だそうです。


「葡萄垂架図」伝任仁発(14世紀)
葡萄に虫が飛来します。珍しい水墨の草虫図です。


「高士観眺図」伝孫君沢(13世紀)
この景色を見て何を思うのでしょう。黒霧が何とも幻想的な味わいを醸し出しています。

 
「四万山水図」文伯仁(1551)
全4幅の山水図です。細部の濃密な表現はデューラーの版画を連想させます。




「花卉雑画巻」徐渭(1575)
墨の濃淡で巧みに花卉を表現します。徐渭の代表作の一つだそうです。

前後期合わせれば国宝6点、重文20点というラインナップから鑑みても、国内では他にそう見られない充実の中国書画展と言えるのではないでしょうか。これを機会にお見逃しなきようおすすめします。

次の三連休、11月3日までの開催です。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )