「名知聡子 - 告白」 小山登美夫ギャラリー

小山登美夫ギャラリー江東区清澄1-3-2 6・7階)
「名知聡子 - 告白」
1/16-2/23



言葉は悪いかもしれませんが、精緻なポートレートを描く作家だと思って行くと良い意味でしっぺ返しをくらいます。小山登美夫ギャラリーで開催中の「名知聡子 - 告白」へ行ってきました。

ギャラリーの入口からも見える超大作がまさに圧巻の一言です。メインのスペース、その奥の壁面に横たわるようにして掲げられたのは、何と横11mにも及ぶ絵画、「子守唄」でした。赤や緑も鮮やかなステンドグラス風の紋様を背景に、洗いざらしの長い髪を靡かせた女性が、スカードをはだけながら、それこそ落下して行くかの如く逆さまになって描かれています。四方の蓮の花、また仏具のような装飾にも彩られたその空間は、どこか神秘的な仏画のような様相を醸し出していました。またその青白くまた透き通った青白い肌に、妖しい死の気配を感じたのは私だけではないかもしれません。

もちろんお馴染みのポートレート群も数点紹介されています。今回はその写実性よりも、どこか事物感の希薄さ、また儚さのようなものを感じてなりませんでした。退廃的なムードすら漂っています。

初台のprojectNシリーズで鮮烈な印象を与えられた名知のドローイングですが、また今回の展開にも強く驚かされるものがありました。なお名知は本年のVOCA展にも出品の予定があります。

本展に関する名知のインタビュー記事が以下に掲載されています。それによればVOCA出品作は彼女の描く最初の「男の子」だそうです。

名知聡子、個展『告白』を語る@Time Out Tokyo

13日の土曜日までの開催です。今更ながらにおすすめします。
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