「山口藍 - きゆ」 ミヅマアートギャラリー(市谷田町)

ミヅマアートギャラリー新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2階)
「山口藍 - きゆ」
2/10-3/13



同ギャラリーでは約3年ぶりの個展となるのでしょうか。江戸時代の遊女を「独自の解釈」(画廊HPより引用)で表現します。ミヅマアートギャラリーで開催中の「山口藍 - きゆ」へ行ってきました。



前回の天明屋展よりもこのミヅマの新スペースを効果的に使っていたかもしれません。まるで庭石の如く置かれた支持体に無数の遊女たちが艶やかに描かれ、その脇には一昨年のアートフェアでも披露された組立式壁画、「百の花、雪はふりつゝ」が、あたかも来場者を誘い込む宿のようにして建っていました。もちろんこの18面のパネルで構成された壁画はウォークイン方式です。裸の遊女らが待ち構えるその空間は、樽の中にいるような独特の閉塞感と相まって、より濃密な妖しさを醸し出していました。タイトルの「きゆ」、つまりは「消える」というイメージからの変化についてはあまり分かりませんでしたが、無邪気ながらも危ないエロスも放つ、幼き少女らの儚さはひしひしと感じられました。

ninyu worksのブログに制作の途中経過を記したエントリがありました。展示の雰囲気もそちらで伝わるのではないでしょうか。茶室の生け花とのコラボが絶妙でした。また今回は嗅覚も駆使してみて下さい。香炉が置かれていました。

藍日記@ninyu works

部数が確保されているか不明ですが、作品画像を掲載したA4版のリーフレットが良く出来ていました。これは永久保存版に決定です。

なお本年夏には羽鳥書店よりの作品集「ほがらほがら」(仮)が刊行されるそうです。

3月13日まで開催されています。
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