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虎御前山から見る水田風景と田圃の野鳥たち(栄光山 玉泉寺)

2019-05-20 05:55:05 | 野鳥
 田圃が一番美しく感じられる季節は、やはり田圃に水が張られて田植えの始まった頃ではないでしょうか。
この時期の田圃は水を溜め込んで鏡のようにも見え、初夏の日本の風景を感じさせてくれます。

劇的な棚田風景などではありませんが、この虎御前山から眺める水田は田園地帯の景観の良さを感じさせてくれると共に、いつも変わらないその姿に心落ち着くものがあります。
前方に見えるのは山本山ですが、この位置から見ると山本山は単一の独立した山ではなく、他の山へと連なっている山だということが分かりますね。



東側を眺めると、朝は逆光ながら山に沿うような盆地に水田が拡がっています。
東南の田んぼには例年、虎姫出身の元三大師に縁の「角大師」が“田んぼアート”で描かれる場所でもあります。



さて、田園地帯で探鳥ということになりますが、新顔の姿はなく顔ぶれに大きな変化はない様子でした。
ゴイサギは何ヶ所かで姿を見かけたものの、それぞれ単独で過ごしているようでホシゴイの姿もありません。





田圃にはケリ・シラサギ・アオサギ・ムクドリ・ヒバリ・ツバメなど最近の常連さんばかり。
シギチの仲間で残っていたのはチュウシャクシギで3ヶ所で計7羽。いつも最後まで残ってくれるシギですね。



面白かったのは、こちらに見られているのに気付いたチュウシャクシギがしゃがんで隠れたことでしょうか。
最初から見ていたので姿は目で追えましたが、この格好で隠れている時に通りがかってもまず見落としてしまいますね。



水辺を見てみましたが、まだ水鳥のヒナには早いようです。
まぁいつも気付いた時には若になっていたなんてことがよくあるのですけど...。
数合わせみたいになってしまいましたが、コチドリをパチリ!



ところで、虎御前山にいた時は知らなかったのですが、5月19日は“田んぼアート”の田植えの日だったようです。
早朝に山に居たため、田圃に人の姿はなく気づきませんでしたが、7月下旬には田んぼアートが見頃になっていると聞きます。



現時点でもう田んぼアートの田植えはされていると思いますが、当方が見たのは輪郭線だけの「角大師」でした。
今年の図柄は「SL北びわこ号」と「角大師」と「令和元年」の文字だそうですので、また虎御前山へ行くことになるかもしれませんね。



虎御前山の近隣には「慈恵大師(良源・元三大師)」を本尊として祀る「玉泉寺」という寺院があります。
良源は912年、虎姫に生まれ、比叡山延暦寺で仏門に入り、天台座主として延暦寺中興の祖ともされる方です。
「角大師」は良源が夜叉の姿に変化して疫病神を追い払った姿とされ、現在も魔除けの護符とされています。



元三大師の生誕地の三川に建立されているのは天台宗寺院の「玉泉寺」。
本堂は平安時代中期に建立されたといいますが、戦国時代に焼失した後、彦根藩井伊家の寄進により1780年に再建されたといいます。



本堂の脇にはかつて使われていたと思われる屋根の装飾瓦がありましたが、角大師の恐ろしいイメージとは違う優しげな天女の姿をしています。





また寺院を出てすぐの細い村道には「元三大師御産湯井」が残されていました。
石柱は新しいものなので平安時代から湧き続けている井戸なのかどうかは分らないものの、三川地域には元三大師由来の遺構が幾つか残されているようです。




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