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「ちかくのまち」の“ちかく”は“知覚”の意味も含んでおり、私たちの“知覚”を刺激してくれるアートとの出会いが待っていると紹介されています。
4会場の内の2会場は「NO-MA美術館」と「奥村家」の旧市街地の町屋での開催となり、残りの2会場は西の湖畔の「近江八幡市安土B&G海洋センター」と「よしきりの池」での開催となります。
前回は「よしきりの池」へ訪れましたが、今回はその隣にある「B&G海洋センター」と、同時開催されていた「西の湖 ヨシ灯り展」へと足を運びました。
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「B&G海洋センター」では東近江市在住の小西節雄さんの「カカシ」がリアルでかつユーモラスな姿で展示されています。
カカシのおばさんが番をする受付から広場へ進むと、コロナ防護服に身を包み新型コロナウィルスを殺菌しているカカシが登場します。
カカシも新型コロナ収束に協力してくれています。
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西の湖畔では釣りに興じるおじさんの姿。
“釣果はどうですか?”と思わず声をかけたくなるような後ろ姿です。
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広場の木の下には葉狩りに忙しいご夫婦の姿。
奥さんが梯子を支えていますが、“おじさんうっかり落ちないようにして気をつけて!”
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草むらの奥には草刈り機で雑草を刈っているいるおばさんがいる。
“暑いのに精が出ますね。”
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草むしりをしている2人のおばさんもリアルです。
実物の人が混じっていても気付かないでしょうし、農村部の畑なんかだと普通に居そうな方々です。
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カカシの中には作業を中断して一休みをしている人もいます。
後方のおじさんは立小便をしているようです。こういう人を時々見かけることがありますが...。
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東屋のベンチで休憩しているのは親子でしょうか?
何やら楽しそうに話が弾んでいるようです。
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小西さんは、会社を定年退職して畑作業をするようになって、畑のスイカをカラスから守ろうとしてカカシを作ったのが始まりだといいます。
カカシは、より人間らしくみせるために、動く関節をボルトで留めて、人間と同じ動きが出来るように作られているようです。
この光景に馴染んでしまうと、普通に農作業している人までも実はカカシではないかと錯覚してしまいそうになります。
農村部で畑のカカシかと思っていたら、急に動き出されてカカシじゃなかったんだと驚かされたりする事もあります。
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小西さんのカカシは2016年の「アールブリュット☆アート☆日本3」の奥村家の庭園で見たのが最初でしたが、思わず笑顔になって和まされる作品ばかりで愛着が持てます。
肩ひじ張らない農夫アートと呼べますし、毛色の変わった作品としてはヒョウ柄の服に身を包んだ大阪のおばちゃんカカシなんかも展示されている。
さて、先日訪れた「よしきりの池」では「ヨシ灯り展」が芸術祭に加わり、同時開催されていました。
西の湖のヨシを使った作品は、主に県内各地の小学生が作った作品を展示し、日暮れからはライトアップされるそうです。
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武友義樹さんの「壺」、久保寛子さんの防風ネットで造った神秘的な作品と並んで、ヨシで造った作品が並びます。
前日からの強風と雨で壊れた作品が多かったことのは可哀そうでしたが、力作揃いの総数306点の作品はどれも個性的で面白い。
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「壺」が並ぶ湿地の横には霊的なイメージを思わせるオブジェがあり、この作品はアマビエを表現しているように見えます。
疫病を鎮めによしきりの池に出現したアマビエは、豊作と疫病退散を予言して「西の湖 ヨシ灯り展」が終わると共に消えていくのでしょう。
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ヨシ原に設けられたヨシの空間は、後方のヨシ群落から力を放出しているようにも見えます。
琵琶湖にはかつてヨシの群落があちこちにあったようですが、知ってる範囲でこれほどの群落は西の湖と高島のヨシ群落くらいではないかと思います。
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ヨシ群落は、琵琶湖へ龍する水の浄化、魚の棲み家、野鳥の棲み家の役割を果たすと共に、葦簀やヨシ屋根として人とのつながりが深く生活に密着してきた植物です。
現在もヨシ焼きやヨシの植栽などが行われており、ヨシを使って子供たちが遊び感覚で作品を造るのは、未来につながる夢のあるイベントだと思います。
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「よしきりの池」のヨシ群落の池面に浮かぶのは、久保寛子さんの「土頭」。
次にこういった形での展示がいつになるか(行ける場所で展示されるか)分かりませんので、記憶に焼き付けておきたい作品です。
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