湖西の山へ行くか?鈴鹿の山へ行くか?と迷った末に間を取って、以前から気になっていた湖南アルプスにある太神山へ訪れることにしました。
湖南アルプスの一山である太神山には「太神山不動寺」という天台宗の寺院があり、太神山不動寺は平安時代に三井寺の開祖・円珍が創建し、三井寺の末寺となっているという。
湖南アルプスの山は巨大で剥き出しの花崗岩の山が多く、その神々しさから霊山として修験の道場となっていたと考えられ、特に甲賀市の辺りは修験道が盛んだった地のようです。
予定では瀬田川側から入って堂山や笹間ヶ岳、矢筈ヶ岳のある方向から登るつもりでしたが、ナビに信楽側へ案内されてしまい、大津市と甲賀市の境界にある駐車場に車を停める。
看板には太神山不動寺4.2㌔とあり、東海自然歩道を沢沿いに未舗装の林道を進むことになります。
どんよりした曇り空で何となく気持ちが悪い道でしたが、途中から何人かトレランの方が走って行かれたるのに出会い、人がいる安心感から怖さは消えていきます。
歩き始められた方に聞いてみると、この日は100マイル(169㌔)のトレラン大会が開催されているとのことでした。
コースは、
・湯の山温泉からスタートして御在所岳・鎌ヶ岳・仙ヶ岳・油日岳を越えて鈴鹿峠の鈴鹿山脈パート。
・太神山・矢筈ヶ岳・音羽山を越えて大文字山までの湖南アルプスパート。
・最後に比叡山と蓬莱山の比叡・比良山系パートを登り下りして、琵琶湖側へと下ったらゴール。
夜を徹して走る気が遠くなるような長距離レースですが、この過酷なコースを52時間以内に走り切らなければならないようです。
林道の横にはずっと清流が流れており、岩がゴロゴロとした川には透きとおるような清流が流れています。
当方を抜き去っていくトレイルランナーの方々は、この時点でスタートしてから24時間近く走っているにも関わらず、全然ボロボロになっていないのが凄すぎます。
林道の終わり近く、寺院の山門の前までには荷物を上げる単軌条運搬機 (モノレール)があり激坂となる。
約500m程度でしょうか、急勾配の激坂に息が上がってしまいます。
さすがにトレイルランナーの方は鈴鹿山系の難コースをクリアーされているので、この程度の坂では足取りは軽い。
ただ歩いているだけの当方はヘタっているのに、当方とは遥かに違う軽やかな足取りに恐れ入ります。
また、トレラン大会に出場されているランナーの女性比率が高いのにも驚きます。
山門まで登ってくるとそこから境内になり、石段で本殿まで登って、その後に太神山山頂へと進みます。
途中の分岐でランナーの方は矢筈ヶ岳方面へ向かわれますので、寺院の境内は静寂に包まれて、むしろ怖いくらいの静けさです。
山の上の寺院ですから石段でどんどんと上に進んで行くことになり、最初の広場から次の広場に進むと不動明王が2躰祀られています。
1躰は巨石の前に立ち、もう1躰は岩の上に祀られており、どちらが先に祀られたのかは分からなかった。
本堂へと登って行く石段の横には杉の巨樹があり、一説には「天狗杉」と呼ばれているという。
環境省の巨樹・巨木データベースでは幹周6m・樹高35mといい、幹の辺りの太さはかなりのものです。
本堂へと続く石段の途中には磐座と呼べそうな巨石が祀られています。
太神山には巨石があちこちに見られますので、霊験を感じてこの地に修行道場を作ったのも何となく納得できます。
もしくは古代より山頂近くの巨石は信仰の対象として捉えられていたのかもしれません。
室町時代前期に建てられたという懸造りの本堂は改修中でその姿は隠されています。
養生されてしまっているので外観は見えませんが、不安定そうな場所に上手く建てられている重要文化財に指定された建築物です。
御堂の中に入ることは出来ますが、中は暗闇です。
開けたままになっていて、不審者や獣が侵入してこないか心配になるほど、境内に人の姿も気配もない。
本堂の横には巨石が積み重なっている場所があり、胎内くぐりが出来るようです。
胎内くぐりは、いったん死んで生まれ変わる擬死再生の行為ですので、当方も岩の間に潜ってみます。
写真では中の様子が分かりませんので動画を撮りながら潜ってみました。
これで肉体と魂を浄化して新たに生まれ変わることが出来たでしょうか?
では生まれ変わったところで山頂を目指します。
山頂への道の横にあった祠には「神変大菩薩(役小角)」「毘沙門天王」「魔王大僧正」を祀っており、修験の影響が色濃い。
三角点への案内板のところを登ると、あっという間に太神山の山頂(599.7m)に到着です。
中央付近には二等三角点もありました。
山頂にある岩の裏側には「奥之院」が祀られています。
しかし、ここまで来て気が付いたのは、写真などでよく見る「制多迦童子」と「矜羯羅童子」の石仏を見てなかったことです。
境内にあった細い道の先かと思って歩いて行きましたが、鹿には会うが途中からは踏み跡のない道になってしまい引き返す。
参道を下っていくと分岐があって田上公園の方向へ向かう道がありましたので下っていくと二尊像のある場所に出た。よかった。
「制多迦童子」と「矜羯羅童子」は不動明王の脇侍を務め、不動三尊として祀られます。
不動明王の石仏が祀られている場所からは随分と離れていますが、山全体がお不動さんの山と考えればいいのでしょう。
今回はナビの案内で信楽側からの入山となってしまい、「泣き不動」や「中不動」の場所まで行けなかったが、トレランの様子を真近に見ることができたのは印象深い出来事でした。
せっかく信楽側に来たので近くにある「三筋の滝」へ立ち寄ってみる。
三筋の滝は田代川流域にある落差15mの滝で、水の流れが3本の筋になって流れ落ちていることから名が付いたといいます。
雨の多い時期ではないにも関わらず、水量は豊富で信楽の山の水資源の豊かさを実感します。
「LAKE BIWA 100」では、100マイル(169㌔)・累積標高10500メートルを52時間以内(2日と4時間)に走破しなければ完走とされません。
大会は今年で3回目ということですが、第一回の大会ではトランスジャパンアルプスレース(TJAR)の優勝者で最高記録保持者の土井陵さん。
トレラン関係の番組で印象に残る飯野航さんや板垣渚さんが出場されて優勝を争そわれたようです。
下山時にすれ違ったランナーは約80㌔・約24時間を走破してきたランナーでしたが、みなさん信じられないほど元気だったことに驚きます。
当方はこの日14キロ歩きましたが、マイルに換算したらたったの8.7マイルですのでお恥ずかしい限りです。
湖南アルプスの一山である太神山には「太神山不動寺」という天台宗の寺院があり、太神山不動寺は平安時代に三井寺の開祖・円珍が創建し、三井寺の末寺となっているという。
湖南アルプスの山は巨大で剥き出しの花崗岩の山が多く、その神々しさから霊山として修験の道場となっていたと考えられ、特に甲賀市の辺りは修験道が盛んだった地のようです。
予定では瀬田川側から入って堂山や笹間ヶ岳、矢筈ヶ岳のある方向から登るつもりでしたが、ナビに信楽側へ案内されてしまい、大津市と甲賀市の境界にある駐車場に車を停める。
看板には太神山不動寺4.2㌔とあり、東海自然歩道を沢沿いに未舗装の林道を進むことになります。
どんよりした曇り空で何となく気持ちが悪い道でしたが、途中から何人かトレランの方が走って行かれたるのに出会い、人がいる安心感から怖さは消えていきます。
歩き始められた方に聞いてみると、この日は100マイル(169㌔)のトレラン大会が開催されているとのことでした。
コースは、
・湯の山温泉からスタートして御在所岳・鎌ヶ岳・仙ヶ岳・油日岳を越えて鈴鹿峠の鈴鹿山脈パート。
・太神山・矢筈ヶ岳・音羽山を越えて大文字山までの湖南アルプスパート。
・最後に比叡山と蓬莱山の比叡・比良山系パートを登り下りして、琵琶湖側へと下ったらゴール。
夜を徹して走る気が遠くなるような長距離レースですが、この過酷なコースを52時間以内に走り切らなければならないようです。
林道の横にはずっと清流が流れており、岩がゴロゴロとした川には透きとおるような清流が流れています。
当方を抜き去っていくトレイルランナーの方々は、この時点でスタートしてから24時間近く走っているにも関わらず、全然ボロボロになっていないのが凄すぎます。
林道の終わり近く、寺院の山門の前までには荷物を上げる単軌条運搬機 (モノレール)があり激坂となる。
約500m程度でしょうか、急勾配の激坂に息が上がってしまいます。
さすがにトレイルランナーの方は鈴鹿山系の難コースをクリアーされているので、この程度の坂では足取りは軽い。
ただ歩いているだけの当方はヘタっているのに、当方とは遥かに違う軽やかな足取りに恐れ入ります。
また、トレラン大会に出場されているランナーの女性比率が高いのにも驚きます。
山門まで登ってくるとそこから境内になり、石段で本殿まで登って、その後に太神山山頂へと進みます。
途中の分岐でランナーの方は矢筈ヶ岳方面へ向かわれますので、寺院の境内は静寂に包まれて、むしろ怖いくらいの静けさです。
山の上の寺院ですから石段でどんどんと上に進んで行くことになり、最初の広場から次の広場に進むと不動明王が2躰祀られています。
1躰は巨石の前に立ち、もう1躰は岩の上に祀られており、どちらが先に祀られたのかは分からなかった。
本堂へと登って行く石段の横には杉の巨樹があり、一説には「天狗杉」と呼ばれているという。
環境省の巨樹・巨木データベースでは幹周6m・樹高35mといい、幹の辺りの太さはかなりのものです。
本堂へと続く石段の途中には磐座と呼べそうな巨石が祀られています。
太神山には巨石があちこちに見られますので、霊験を感じてこの地に修行道場を作ったのも何となく納得できます。
もしくは古代より山頂近くの巨石は信仰の対象として捉えられていたのかもしれません。
室町時代前期に建てられたという懸造りの本堂は改修中でその姿は隠されています。
養生されてしまっているので外観は見えませんが、不安定そうな場所に上手く建てられている重要文化財に指定された建築物です。
御堂の中に入ることは出来ますが、中は暗闇です。
開けたままになっていて、不審者や獣が侵入してこないか心配になるほど、境内に人の姿も気配もない。
本堂の横には巨石が積み重なっている場所があり、胎内くぐりが出来るようです。
胎内くぐりは、いったん死んで生まれ変わる擬死再生の行為ですので、当方も岩の間に潜ってみます。
写真では中の様子が分かりませんので動画を撮りながら潜ってみました。
これで肉体と魂を浄化して新たに生まれ変わることが出来たでしょうか?
では生まれ変わったところで山頂を目指します。
山頂への道の横にあった祠には「神変大菩薩(役小角)」「毘沙門天王」「魔王大僧正」を祀っており、修験の影響が色濃い。
三角点への案内板のところを登ると、あっという間に太神山の山頂(599.7m)に到着です。
中央付近には二等三角点もありました。
山頂にある岩の裏側には「奥之院」が祀られています。
しかし、ここまで来て気が付いたのは、写真などでよく見る「制多迦童子」と「矜羯羅童子」の石仏を見てなかったことです。
境内にあった細い道の先かと思って歩いて行きましたが、鹿には会うが途中からは踏み跡のない道になってしまい引き返す。
参道を下っていくと分岐があって田上公園の方向へ向かう道がありましたので下っていくと二尊像のある場所に出た。よかった。
「制多迦童子」と「矜羯羅童子」は不動明王の脇侍を務め、不動三尊として祀られます。
不動明王の石仏が祀られている場所からは随分と離れていますが、山全体がお不動さんの山と考えればいいのでしょう。
今回はナビの案内で信楽側からの入山となってしまい、「泣き不動」や「中不動」の場所まで行けなかったが、トレランの様子を真近に見ることができたのは印象深い出来事でした。
せっかく信楽側に来たので近くにある「三筋の滝」へ立ち寄ってみる。
三筋の滝は田代川流域にある落差15mの滝で、水の流れが3本の筋になって流れ落ちていることから名が付いたといいます。
雨の多い時期ではないにも関わらず、水量は豊富で信楽の山の水資源の豊かさを実感します。
「LAKE BIWA 100」では、100マイル(169㌔)・累積標高10500メートルを52時間以内(2日と4時間)に走破しなければ完走とされません。
大会は今年で3回目ということですが、第一回の大会ではトランスジャパンアルプスレース(TJAR)の優勝者で最高記録保持者の土井陵さん。
トレラン関係の番組で印象に残る飯野航さんや板垣渚さんが出場されて優勝を争そわれたようです。
下山時にすれ違ったランナーは約80㌔・約24時間を走破してきたランナーでしたが、みなさん信じられないほど元気だったことに驚きます。
当方はこの日14キロ歩きましたが、マイルに換算したらたったの8.7マイルですのでお恥ずかしい限りです。