hiyamizu's blog

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靖国問題に関する反中国の議論について

2006年07月28日 | 政治

 靖国問題に関する議論、とくに中国へ反論を眺めていると、中国が嫌いだからというところから始まっている主張が多いように思える。もちろん、政府や外務省はプロとして、何が日本にとって得か、しかも将来を見据えて対処していると信じるが、国内が、日清だか日露だかのちょうちん行列ではないが、感情論で盛り上がるのは、国の外交に制約を与え、国益に反する場合が多いと思う。

 

感情的議論は無用

中国が覇権主義だから、中国の言うことには従いたくないという考えが土台になっていると思われる人が多い。アメリカからイラクへ行けといわれれば、憲法を曲げても自衛隊を出すが、中国から言われたことに従うのは、何が何でも嫌だという感情論が見える。外交においては、感情論は禁物であり、国益優先で、少しでも得するように、相手以外の国も味方につけるなど、巧妙に、正義のためというより、場合によってはコスッカラク立ち回るべきものと思う。

 

しかし、私も、正直言って、一昔前の日本人のように、大勢で所かまわずギャアギャア大声でしゃべったり、列をつくらず我先に群がったりする光景を見ると、うんざりする。しかし、中国には、何億人もいて、いろいろな人が居るし、広大な国土にはいろいろな文化があるのだろう。中国人のごく一部の面しか知らないし、ましては中国という国家との付き合い方をそんなことで判断してはいけない。国と国との外交の場では、宗教の違いと同じく、このような文化の差、好き嫌いを基礎においてことの是非を論じてはいけないと思う。

 

中国政府が靖国参拝に反対する理由

中国が覇権主義で日本を思うがままに操るために靖国参拝を問題化しているとの指摘がある。本当にそうだろうか?

とくに情報を持っているわけではないので、以下は単なる私の感に基づくものである。

どの程度強く、広いのかは不明だが、中国国民には反日感情があり、扇動する人もいて、日本の首相の靖国参拝を強く非難している。中国政府は日米中の三国の関係で、日本を敵に回したくはないので、本音は首相の参拝を問題視したくないが、国民の手前、認めるわけにいかないのではないだろうか。はやくことを収めたいのが本音ではないだろうか。

小泉さんも靖国参拝を公約にして首相になった以上、また頑固を売り物にしている以上、中国に言われたから止めるわけにはいかなくなってしまったのだろう。

私としては早く片付けてしまいたい問題に過ぎない。

 

国立の慰霊施設を作るべき

日本国民にも戦死者を痛む気持ちは強いので、日本国民の半分だか、三分の一だかが、反対している靖国神社でなく、国立の戦死者慰霊施設を作るべきと思う。たとえ今回の富田メモが偽者であっても、昭和天皇が参拝を止めたことは事実だし、国論が二分されている現状で今上天皇陛下が参拝できないだろう靖国神社にこだわる理由が理解しがたい。

千鳥が淵には先の大戦において、海外で戦死した名前のわからない数百万の人の遺骨が収められている。私も何回も訪れたが、通常は訪れる人も少ない。なぜ皆さん千鳥が淵にもっと注目しないのだろう。

外国でも、戦争で死んだ人に感謝する施設が、いろいろなところに、いろいろなレベルであるが、たいていは無宗教の施設だ。日本人は宗教に対する感覚が鈍いが、クリスチャンや、回教徒の外国の主賓が靖国神社に花輪をささげるわけにはいかないだろう。無宗教で国家としての施設をつくるべきだと思う。

中国が口を出してきたからよけいゴチャゴチャしているが、本来はもっと早く日本国民が冷静に議論し結論を出しておくべき問題だった。

 

中国に今後どう対処するのか?

経済規模は、中国が2015年に日本を超え、2045年には米国も越えるとのゴールドマンサックスの推測もある。共産主義体制、地域による貧富差など不確定要素はあるが、少なくとも経済規模ではいずれ中国が日本を抜くであろう。米国も日本より中国と手を結ぼうとするかもしれない。

米国べったりの小泉外交には将来への展望が見えない。例えば、中国が他のアジアの国をまとめるのを見ているだけでなく、米国にいやみを言われても、なんとか協力してまとめていくなど、バランスがとれた自主外交はできないものだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

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