hiyamizu's blog

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東野圭吾『プラチナデータ』を読む

2012年02月06日 | 読書2

東野圭吾著『プラチナデータ』2010年6月幻冬舎発行、を読んだ。

髪の毛1本のDNA分析から、性別、年齢、血液型、身長、そしてかなり精緻な犯人の容貌までを特定することができる画期的なプロファイリングシステムが完成した。同時に、了解を得た人のDNAを登録し、犯罪時に登録者の近親者を特定できるというDNA法案が国会で可決し、検挙率が飛躍的に上がる。しかし、連続殺人事件で得られたDNAは、警察庁特殊解析研究所の神楽龍平が操作するDNA捜査システムによっても「NOT FOUND」。犯人はこの世に存在しないのか? さらにこのプログラムを開発した天才数学者までが殺害される。現場に残された毛髪から解析された結果はなんと・・・。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

軽く読めるSFだが、犯人探しの過程、結果には感心しない。DNAで人間の肉体がほとんど決まってしまうかのような記述も納得できない。二重人格をからませたのも、話を胡散臭くするだけのように思える。
DNAによりプロファイリングシステムというアイデアを、著者の筆力で強引に仕上げた作品だ。東野さんの熱烈なファン以外にはお勧めできない。


初出:「パピルス」2006年12月号~2010年4月号



登場人物

浅間玲司:警視庁捜査一課の刑事、警部補、(昔気質の足でかせぐタイプ)
神楽龍平(かぐら):警察庁特殊解析研究所・主任解析員(システムの開発運用者)
木場:警視庁捜査一課、浅間の上司、(単なる課長の伝令役)
那須:警視庁捜査一課長、(キャリア)
戸倉:警視庁捜査一課の刑事(浅間の後輩で真面目一途)
志賀孝志:警察庁特殊解析研究所・所長
白鳥里沙:アメリカからDNA捜査を研究に来日
蓼科早樹:天才数学者でDNA捜査プログラムの開発者
蓼科耕作:蓼科早樹の兄
水上洋次郎:新世紀大学・脳神経科教授
リュウ:神楽龍平の別人格
スズラン:謎の少女
神楽昭吾:神楽龍平の父親で、陶芸家



東野圭吾の履歴&既読本リスト


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