hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

雨宮塔子『雨上がりのパリ』を読む

2012年02月28日 | 読書2
雨宮塔子著『雨上がりのパリ』2011年11月小学館発行、を読んだ。

各章が、34歳、35歳・・・40歳となっていて、各年齢で書いたエッセイが約10編ずつ収録されている。各章のはじめには、「いま想う『◯◯歳』の私」が置かれていて、34歳から40歳までの雨宮さんのパリでの暮らしが語られる。
初出は、「Domani」2005年1月号~2011年12月号に6年間に渡って連載したものだ。

内容は、ブランド物ショッピング、しゃれたレストラン、仕事と子育ての両立、仏の幼稚園、第二子妊娠・出産などステキな天宮さんの憧れのパリ生活の様子だ。

ベビーシッターさんに子供を預けて友人と小洒落た店でランチをするのも楽しい。たまにはパートナーと、ゴージャスなレストランにディナーの席を取るのも、それは嬉しい。だけど、本当に気心の知れた友人たちとこうしたビストロに陣取っていると、ここ、パリに、パリジャンに、溶け込んでいるような気がして、それは私に特別な思いを抱かせる。

(こんなにもはっきりと書かれると・・・)

文中にも何度も登場する篠あゆみさんの撮影した雨宮さんの写真があらゆるところに挿入されている。



私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

軽く読めるのだが、雨宮さんのファンか、パリに憧れる人以外にはお勧めしない。パリでの生活も、誰も彼もがこんなに楽しんでいるとも思えないので、特殊なものに過ぎないのだろう。親しくしている人が皆、日本人なのも気になる。
私は、子供をベビーシッターに預けて夫婦で楽しむことにはけして否定的ではなく、できればそうしたいと思う。日本では、フランスでも(?)、そんなことができる人は少ないのに、それをそのまま本に書く神経はどうかなと思う。

そうかと思った点を2つだけ。

私がパリに行った時、すきまなくびっしり縦列駐車した車にびっくりした。車をぶつけて隙間を広げ駐車する場合が多いと聞いた。雨宮さんも、前後にバンパーをぶつけて隙間を作って出ていくという。

フランス人は小さな子供にスニーカーやズックをあまり履かせない。将来の“脚の形”のために、赤ちゃんの頃から革靴を履かせるのが普通なのだ。


パリの嫌な点はまったく書かれていない。ひとつだけ挙げると、道に犬のフンが多い点がある。まるで、数十年前の日本のように。


雨宮塔子
1970年東京生まれ。成城大学文芸学部英文学科卒。
1993年(株)東京放送(TBS)入社。「どうぶつ奇想天外!」「チューボーですよ!」など数多くの人気番組を担当する。
1999年3月TBSを退社し、単身パリに遊学。西洋美術史を学ぶ。
2002年パティスリー・サダハルアオキのオーネーシェフ・青木定冶氏と結婚。
2003年7月長女、2005年に長男を出産。
現在はフリーキャスター、エッセイスト。
著書に『金曜日のパリ』『小さなパリジャン』『それからのパリ


コメント
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