hiyamizu's blog

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CTスキャンを受ける

2006年12月21日 | リタイヤ生活
年寄りのブログですので、どうしても病気のネタが多くなります。
今日はCTスキャンの体験記です。

人間ドッグで腹部の血管に異常がある可能性があり、CTスキャンを受けるように指示されました。かかりつけのお医者に相談し、推薦状をもって大きな病院に行き、CTスキャン(*)を受けました。

検査前4時間は絶食です。ただし、水やお茶はコップ1杯程度ならOKです。
検査する臓器や血管をより詳しく調べるためにヨード造影剤を静脈に注入する必要がある場合があります。私が行った病院では、軽い副作用が100-200人に一人、重い副作用が1-2万人に一人、死亡に至る副作用16-20万人に一人という危険がある書いた承諾書にサインを求められました。副作用の例も具体的に書いてあり、リスクをはっきり説明するのはよいことと思います。

検査前に通常は患者衣に着替えるようですが、私の行った病院では上着を脱いだだけでした。
幅の狭いテーブルに横たわり、トンネルのようなスキャナーの中にテーブルごと入っていきます。スキャナー自体は周囲に画像用機器のついたチューブのような外見をしています。MRI(*)はヘッドホンを付けるほど大きな音がするようですが、CT装置はそれほど大きな音を出しません。装置にはGE Medical Systemsと表記がありました。

テーブルが動き、装置の中に腹部(私の検査部位)が入ってから、そこでテーブルが細かく行ったり来たりしました。それからすぐ、テーブルが元の位置に戻り、腕に造影剤を注射されました。造影剤の注射をすると医者からあらかじめ言われたように、頭の内部がカーと熱くなり、すぐに腰の辺りまでほてるような熱感が起きました。この感覚どこかであったと考えて思い出しました。40年前のねんざしたときのカルシュウム注射による感覚と同じでした。4時間前のこともはっきりしないのにとおかしくなりました。

また、テーブルが動き、装置の中に入り、その位置で、スキャンごとにテーブルが振動する感じで少しだけ(1センチ程度)移動し、いくつもの断面画像が撮影されました。検査中は動かないようにと注意があり、レントゲン検査のときと同じで、スピーカーから「息を大きく吸って」、「はい、そこで息を止めて」と声が聞こえます。結構息を止めている時間が長いので息が続くかなと、ちょっと不安になるくらいでした。こちらからも話ができるように装置にはマイクが付けられています。

各スキャンは数秒程度かかり、普通全体を終了するには1時間ほどかかるそうですが、私の場合は全体で15分くらいで終わりました。それでも、最後に何枚断面図を撮ったかと聞いたら、60枚ぐらいと言っていました。

結果は、紹介元のかかりつけの医院の方で1週間後に聞いてくださいとの話で、1万円と少しを支払って帰宅しました。

1週間後に医院で胴体の輪切り写真を見せてもらいました。最近のCTは1枚を短時間で撮れるようになったので、1cmごとの輪切り写真が10枚ほど入ったフィルムがずらりと並びました。肝臓、血管など鮮明な画像で、画像処理技術、CPU速度の進歩は驚異的です。
診断結果は、門脈(*)が若干太くなっているが病的なものでない。その他、腎臓、肝臓なども異常はなく、気になっている脂肪もとくに多くないということでした。
悲劇の主人公になって、まず何をしようか、遺書だけは書いて置こうかとか、いろいろ楽しんでいたのに拍子抜けの結果でした。13日報告の心電図結果とともに、どこも悪いところはないのでは話になりません。萎縮し始めている頭のCTを撮ればよかったかもしれません。

(注)
CTスキャンとは、コンピュータ断層撮影(Computerized Tomography)で、X線を身体の全周360度から当てます。その結果から、組織の放射線吸収の違いをコンピュータによって計測し、検査部分の断層面の画像、つまり身体の輪切り図を作ります。より詳細な情報を得るために造影剤を投与して撮影する場合もあります。
英国の技師 Godfrey Hounsfieldと、南ア生まれの物理学者Allan Cormackにより発明され、彼らはノーベル賞を受賞しました。基礎科学の成果でなく、人類への貢献は大きくとも、工学的成果にノーベル賞というので私には当時驚いた覚えがあります。

CTと似たものにMRIがあります。MRIは、「Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴映像法」の略で、磁気共鳴現象を利用して断層画像を作るものです。X線を使わないなどメリットもありますが、骨などの詳細情報を得にくいなどの欠点もあります。

門脈とは、胃、腸など消化器の毛細血管から出た静脈が集まった血管系で、肝臓の毛細血管に入ります。英語で、portal veinと言うように、まさにポータルな静脈です。消化管で吸収された栄養分や、異物、毒物などは肝臓へ集まり、肝臓で代謝されたり解毒されたりして、血液とともに心臓に戻ります。


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