白洲信哉著『白洲スタイル 白洲次郎、白洲正子、そして小林秀雄の“あるべきようわ”』(2009年8月14日飛鳥新社発行)を読んだ。
題名の副題は不適切で、白洲次郎、白洲正子、小林秀雄に関する記述は極めて少ない。本書のテーマは、彼らに影響をうけた白洲信哉氏自身がこだわりを持つ生活スタイルなのだ。
冒頭の写真は24ページは、信哉氏の身の回りの骨董品、茂木健一郎氏との自宅での会食写真、カッコ良い信哉氏のたたずまいなどだ。
第1章 白洲信哉の時間
これまでの信哉氏
第2章 茂木健一郎と白洲信哉の対談
第3章 モノと向かい合う時間
信哉氏と骨董との出会い、その後
第4章 心地よい時間
信哉氏の食、生活
私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの? 最大は五つ星)
多くの読者が知りたいと思うことは、白洲次郎・正子と小林秀雄の素顔など、信哉氏が公設秘書として仕えた細川護熙首相の本当の顔などはほとんど出てこない。別の本を読んでくれというのなら、副題はひっこめて欲しかった。
白洲信哉(しらす・しんや)
1965年東京都生まれ。白洲次郎・白洲正子の次男・白洲兼正と、小林秀雄の長女・小林明子の息子。
専修大学卒業後、英国留学、帰国後に細川護煕首相の公設秘書を経て、執筆活動に入る。
その一方で日本文化の普及につとめ、書籍編集、デザインのほか、さまざまな文化イベントをプロデュースする。
主な著書に『小林秀雄 美と出会う旅』(2002年 新潮社)、『天才 青山二郎の眼力』(2006年 新潮社)、本書『白洲 スタイル―白洲次郎、白洲正子、そして小林秀雄の“あるべきようわ”―』(2009年 飛鳥新社)、『白洲家の流儀―祖父母から学んだ「人生のプリンシプル」―』(2009年 小学館)、『骨董あそび―日本の美を生きる―』(2010年 文藝春秋)ほか多数。