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撤回、中国経済減速の予感

2006-01-13 16:26:00 | 国際・政治

舌の根も乾かないうちに前言を撤回する情けないことになった。昨年末中国政府は2004GDP16.8%上方修正した。元来中国の官製統計情報は不正確で信頼できないと指摘されてきたが、16.8%変更とはべらぼうな幅の修正であきれた。こんなに誤差が大きくては予測などしても意味がない。

誤差の大部分は国内サービス増加の捕捉が十分出来てなかったと報じられた。当初、私はあきれ驚き、その意味するところを理解しようとする努力をしなかった。しかし、司馬毅氏10日のアナリスト報告を見て、私の理解が浅く遡って「2006大胆占い」で予測した中国経済成長減速を撤回しなければならない羽目になった。

上記の孫引き情報であるが、修正された大部分はサービス産業で約50%増、GDPに占める割合が40%強になった。その結果私が経済減速の主要要因として捉えていた以上に高い設備投資の対GDP比率が38%を切り、高度成長時ではあり得る値に落ち着いた。

サービス産業は国有企業ではなく民間企業であり、中国政府の出す統計は補足率が余りに悪かった。換言すると景気減速のもう一つの要因であった内需の弱さが、実はグラスルーツ需要が予想以上にあり力強いと言うことを示した。結果としてマクロレベルでみた経済指標に歪みを与えるというレベル、つまり赤信号、にはなってないと言うことである。

と言っても、先に示した数々の問題は厳然として残っている。中国は国家として存在感を高める一方で、国民一人当たりの年収は世界100位にも入らない最貧国の一つでもある。舵取りの難しさに代わりがない。共産党政権の最優先事項は政権維持の為、世界最大工場と最貧国民の折り合いをつけながら経済成長を続けていく大変な作業である。

昨日の新聞報道では2005年の中国の貿易黒字が1000億を突破したと伝え、中でも従来の繊維製品からハイテク製品の比率が高まったと報じている。しかしその60%は外資が手がける構造になっている。米国だけを取り上げても貿易赤字の6割は米国本社と中国を含む海外拠点との取引の結果生じたものである。

中国との貿易摩擦は避けられないが、輸入国企業が大半の赤字をドライブしている構造を理解しなければならない。グローバリゼーションは日米欧が投資と消費、中国で生産の構造をロック・インさせた。中国の貿易黒字だけ取り上げた議論は無意味である。しかし、裏返すと中国経済が急速に貿易依存体質に変わりつつあり、単に強みにならず国際協調を強いられる要因になる可能性は高い。■

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