かぶれの世界(新)

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ディープ・スロートとメディア

2006-04-26 22:20:06 | 日記・エッセイ・コラム

今朝方CNN放送でウォーターゲート事件の立役者の一人、ディープ・スロートこと、マークフェルト元FBI長官代理の独占インタビューを見た。インタビューは録画放送で彼の家族とワシントンポスト社のウッドワードとバーンシュタイン両記者とブラッドレー元編集長が参加した。

フェルト氏は92歳になり、昨年発行されたウッドワードの同名の著書では物忘れが酷くなっているということであった。しかし、インタビューでは‘F’の発音がキチンと出来ず言葉に詰まったような印象を与えたが思ったより受け答えの内容ははっきりしていた。

このインタビュー「ラリー・キング・ライブ」は都合の悪いことは追及しないお追従番組という評判だが、氏の忠誠心に関する質問等際どいものもあった。フェルト氏は関連する重要文書が通る立場にいた者として国の為やるべきことをやったと明確な返事だった。日本にこんな官僚はいるだろうか。

印象的なのは彼の家族もワシントンポストの3人共にフェルト氏を英雄として尊敬の念を抱いているといったことだ。私が最も感じたことは、この番組が全米に流されそれを見て勇気付けられた人や目標をもった若い人が沢山いるだろうと思ったことである。

そして同時に思い出したのは、この頃日本で起こった外務省の漏洩事件で元毎日新聞記者西山氏を日本のメディアは救えなかったことである。外務省職員との訳ありの事情があったとしても。彼がスクープした密約が事実だったことは最近の公文書公開で明らかになった。英雄と汚名、この差は何だろうか。

ワシントンポストが誤報と言われ権力に追いつめられた時、タイムズ等他のメディアが新たな事実を掘り出して助けた。事実関係は別として、個人的には朝日新聞がその役割を果たすべきだったと今でも思っている。実は長く朝日を購読しているのだが、それは謂わばアンチ巨人がテレビの巨人戦中継を欠かさず見るようなものだ。■

[蛇足] 今週、朝日新聞は「新戦略を求めて」と題して日本がどんな構想で平和と繁栄を目指すか探っていくと大風呂敷を広げた。それは同時に朝日が何処に立つか座標軸を見直すことであり期待したいが、従来の価値基準を基本的に継承する企画だとはじめから枠を決めているところに朝日の限界も感じる。

コメント
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