かぶれの世界(新)

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田舎暮し雑感08夏(エピローグ)

2008-09-07 23:41:28 | 日記・エッセイ・コラム

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時過ぎに雨が降り始めたので洗濯物を取り入れてくれと調布にある出先から家内が電話してきた。急いで2階に上がりベランダの洗濯物を取り入れたがまだ降っていなかった。

ちょうどジョギングに出掛ける積りだったので、それを機会に着替えて多摩川沿いのコースに向って遊歩道を走り始めた。10分もしないうちに雨が降り始めた。かまわず走り続けると雲がドンドン黒くなり、雷が鳴り強い雨がアスファルトを激しく打ち始めた。

下流の調布の方向に稲妻が走り余り時間をおかず雷鳴が轟いた。嵐が近づいてくるように感じ、近くの是政橋の下に緊急避難した。23分で少年野球帰りの子供達やサイクリングをしていた人達の雨宿りで一杯になった。雨も凄いが雷が怖くて動けない。

風が意外に冷たく、橋の下で風上側に避難した自転車の後部座席で震えている幼児を見つけて、若い父親に風下のほうに行くよう勧め誘導した。暫らくして子供の震えは止まった。家は近いらしいのでもう大丈夫だろう。1015分いたが嵐が収まる様子がないので諦めて引き返すことにした。復路は雷を用心して建物が多く街路樹沿いの道に変えた。

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月初めに田舎に着いた日は小作を依頼している田んぼの田植えが終った翌日だった。10日前に帰京した日、田んぼは実った稲穂が垂れていた。稲作りのサイクルが少し分かった気がした。今年の田舎は雨が降らず暑い日が続いたが、帰京する日は久しぶりの雨だった。

松山まで汽車で出て飛行機に乗る途中、内子駅から初老のカップルが二つに折畳んだ自転車を担いで乗り込んできて隣の席に座った。最近は田舎でも主な駅にはエレベーターがある。聞くと埼玉に住む夫婦で、バイク雑誌の仲間で3日前に四国に来てグループで走っているらしい。

今日は松山までの道のりで他のメンバーは今も雨の中を走っているという。自転車を見るとタイヤが小径で更に折りたたむと通常サイズのバッグに収まり飛行機の手荷物扱いになるという。年をとっても夫婦で同じ趣味を楽しむというのは羨ましい。私のバドミントン仲間でも夫婦でやっている例は殆どない。

本格的な自転車は安いものだと15万円という、それを安いというかどうか。私も一昨年まで2万円もしない中国製マウンテンバイクで標高900mまで乗っていた。今はもう嘘みたいだ。昨年頃からもうどうにも山登りする体力がなくなった。田舎で乗る車を買ったせいかもしれない。

話は戻って、田舎より東京の天候のほうが荒々しいのにいささか驚いている。

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月末に田舎から帰ったその日から豪雨で交通網や住宅に被害のニュースを何度か見た。狭い地域に短時間に集中豪雨が降り、その流域の保水能力を越え予想外の被害が出るパターンが近年多いような気がする。

最近の集中豪雨が起す水害には昔無かったパターンがある。旧国土省の治水計画の前提が誤りだったか、計画の内容に誤りがあったのか。結果として都会でも農山村でも「セメント工事」が、推定を越えた降雨量時の水路の多様性と保水力を奪い、集中豪雨の耐力を奪っているような気がする。

100年に一度とかいう前提は気候が従来のままだったらだと思うが、前提を越えた多様な状況をシミュレーションして、考えられない事態が起こっても被害をミニマムにする思想を治水計画に取り入れる必要があるのではないだろうか。

私が田舎にいた今年の夏の間、こういう異常天候のパターンは経験しなかった。今年は大きな台風が直撃しなかったのが幸運だったとも言える。私が子供の頃は23年に一度は台風が大雨をもたらし、川が氾濫し田畑を台無しにし、低地の住宅の浸水があったものだ。

昨日読書の秋に向け本を仕入れに桜ヶ丘の古本屋に行った。最近ここでは私の読みたい本が見つからなくなった。近いうちに別の本屋さんに行ってみようと思う。田舎では古本屋の選択は限られている、そんな贅沢は味わえない。

都会生活も悪くはない理由をもう一つ、帰京した翌日1年ぶりに健康診断を受けた。心配していた高血圧以外に新たな異常は見つからなかった。予想通りコレステロールと尿酸値がやや高いことが分かったが、先生は血圧を下げれば全ては良い方向に向うだろうとの所見だった。予想通り降圧剤を再度服用せよとのこと・・・ ■

コメント
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