かぶれの世界(新)

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介護録08夏

2008-09-19 13:01:22 | 日記・エッセイ・コラム

今回からタイトルを変更します。従来のタイトルは世の中を騒がせ政治問題化した保険制度を揶揄したもので、若干冷ややかに斜めから見た私自身の介護経験を著わすものでした。このタイトルは真正面から介護に取り組む気持ちを表したものです。

さて、8月末に東京の自宅に戻った後私の最大の関心事は、私がいなくとも母がヘルパーの助けを借りてどう自宅介護を続けるかだった。実家に同居していた時私がやった生活の身の回りのことを、声かけだけで出来るだけ母にやらせるよう見守って欲しいとヘルパーの責任者の方にお願いしてきた。

帰京して暫らく経った日に責任者の方から近況を知らせる手紙を頂いた。母は3日おきに家から300m程度離れたゴミ捨て場を歩行機の助けを借りて往復し、2週間おきに掛付けの医者にタクシーで通っていることを伝えるポジティブな内容だった。期待したベストの内容に正直ほっとした。

いつも決まりきった朝食で飽きたのでたまにはパン食にしたいと母が言っており私の了解を得たい、と手紙は続けていた。それ自体は問題ないのだが、余分な食物が母の目に付くところにあるとチョット問題だと思い、その旨葉書で返事した。

数日後、責任者の方から介護費の振込みの確認の電話があり、そこでパン食について聞かれた。葉書と行き違いになったらしい。パン食にしても良いがその分ご飯を減らすなど余分にカロリーを取らないよう気をつけて欲しい旨お願いした。また、母はどちらかというと完全主義者で、最初頑張って全てを完璧にやろうとして途中で息切れをする場合があるので、今後も見守って欲しいとお願いした。

ところがそれから更に数日後のこと、ウェブカメラを見ていた家内が夕食後にパンを食べている母を目ざとく見つけた。実は私もその1日前に朝10時過ぎに配達された昼食を食べているのをカメラで見て「まずいなー」と思っていた。

血糖値が跳ね上がらない限り一々口を出さないで様子を見ようと思っていたが、これでは放って置けず責任者の方に連絡して対応をお願いすることにした。早速責任者の方に連絡し翌日ヘルパーの方が冷蔵庫を調べ、残った食パンの数が1枚少ないことが分かった。

余分な食物があると母は我慢できずに食べてしまうのは病気で善悪の話ではない、だが、冷蔵庫に余り物を入れるのは止めて下さいとお願いせざるを得なかった。ヘルパーの方は母が食欲を自分では管理できないと理解してくれていると思っていた。しかし、彼らは医者でも栄養士でもない。そこまで一々食物を管理してくれとは言えなかった。

そういう混乱はあったものの母の自宅介護は、概して言うとうまく行っていると思っている。期待値が低かったせいでもある。母なりに生きる意欲を取り戻し頑張っている。心配なのはその意欲が何時までも続く訳ではない。挫けない様に元気付け、一方で母が出すシグナルを見落とさないよう努めたい。■

コメント
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