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2011年大胆占い-3Q 見直し

2011-10-02 16:19:23 | 社会・経済

今年から世界がどんな風に向かっていくのか予測することに重点を置き、個別の予測を「2011年大胆占い」から割愛した。しかし年賀状には個別のテーマについて下記のように予測して出した。

1.米国景気回復がスロー、財政赤字対策が内向きの姿勢を強いる(0.7)
2.EU格付け下落国の危機が連鎖、新興国に波及し国内事情の調整に向う(0.6)
3.中印経済も従来の急成長を一服し、成長の歪を見直し安定成長を模索(0.7)
4.民主党内閣は予算成立後に崩壊衆院解散、新連立政権が誕生(0.3)
5.国内経済は停滞、企業の海外展開が進み、構造問題で雇用は回復せず(0.6)
6.日経平均は政治の混迷で停滞、年後半は新政権によっては浮揚も(0.4)
7.世界に挑戦する第2段階の日本人アスリートは苦難の道に、イチローも(0.5)

いつも楽観的な私だが、改めて字面だけを見ると私の思いより悲観的な印象を与える。そして、予測後9ヶ月の現実は字面通り「より悲観的に推移している」というのが今回の見直しだ。日本語としておかしいかもしれないが、「残念なことに予想が的中」した。今春に突発的に起こった2つの事件(中東革命と東日本大震災)は世界を大きく変えることにはならなかった。

世界経済の減速が進む

3ヶ月前に見直しをした時から状況は更に悪化した。米国財政赤字を巡る政府と議会の対立から米国債の格下げは、世界にショックを与えリスク・マネーは安全への逃避が起こり流れを変えた。皮肉にも資金が格下げされた米国債に戻る「有事のドル」が再認識される結果になった。

その後事件が起こるたびに世界が揺さぶられ、先に投稿したように市場は世界が直面する三重苦(欧州の債務危機・米国のデフレ懸念・新興国のインフレ懸念)に恐れおののき急速に縮小した。FRBのツイスト・オペに失望し、繰り返されるギリシャ危機が欧州銀行の信用不安を醸成し、首をすくめて備えている。金融機関の自己資本強化と貸し渋りは既に始まっている。

世界経済を牽引すると期待された新興国は、インフレ傾向が続く中で成長鈍化懸念が強まり、新興国から一斉に資金引き上げが起こり、新興国・資源国通貨が暴落した。世界景気減速の懸念は投資家のリスク回避傾向を強め、株式から金・穀物まで急落した。

手をこまねく世界

9月20日にIMFは世界経済成長見通し(WEO)を改定、米国・ユーロ圏を1%台に大幅下方修正する一方で、新興国については先進国需要の落ち込み影響はそれほど大きくなく若干の落ち込みに留まる(中国9.5%、インド7.8%)と発表したが、10日後の今では楽観的かもしれないと私は感じる。WEO改定発表時、「世界経済の好転とリスク回避の為の強力な政策発動が早急に求められる、時間的余裕はない」と説いたが、その後G20は有効で具体的な対策を打ち出さなかった。

実際、米国では財政赤字で政府と議会の対立が続き、実質ゼロ金利が続く中で有効な金融政策も財政政策が打ち出せないでいる。欧州は景気悪化懸念の中で9月の物価上昇が3年ぶりに3%を越え、一方ギリシャ危機で金融市場が再び緊張する懸念があり、欧州中央銀行(ECB)もどこに焦点を置いた金融政策を打つべきか逡巡している。

私の印象ではこれらの悪化要因に対して、当局は適切な財政・金融政策が打てないのは構造的な問題で、短期解決できない世界経済に深刻な影響を与える恐れがある。市場はこの懸念を現実のものとして織り込み始めた。だが、資金の流れの変化は急激で過剰なように私には感じる。

世界は日本化の道を辿るか

多分これが今世界に突きつけられた最大の問題だろう。何が問題か明確なのに打つべき手がタイムリーに打てず何年も経済が停滞する。日本の失われた20(10+10)年の前半は原因が明確ではなかったが、今は明確なはずだ。だが、日本化しないと公言していた欧米がその危機にある。

この危機に対して極めて効率の悪い民主主義というシステムが、危機を回避する為の全体最適化の障害になっているのが共通する構図であると考える。特定の条件下では異なる意見や利害を纏め一致した方向付けが素早く出来ないのだ。日本の政治風土やリーダーシップの問題を超える共通の問題があるように私は考える。(全体最適という言葉に戦前の不吉を感じる方もいると思うが、大震災・大恐慌の危機に瀕して先ず幹が倒れないよう最優先に取り組むという意味)

ギリシャ問題では「欧州の理念」(これより重要なものはないはず)が危機に晒されているのも関らず、支援する側もされる側も自国民の声というエゴに応えなければならない。3ヶ月毎の土壇場でつなぎの対策を繰り返す。日本はネジレ国会が最大の問題だが、ユーロには17の議会と民意があり夫々異なった利害関係がある。状況はもっと悪いのかもしれない。

米国も大統領と与野党逆転した議会に加え、来年の大統領選を控え改善が停滞する雇用情勢が政策の選択肢を極めて狭くしている。経済成長が減速し資金需要がなくなる中で続けられるゼロ金利政策は、日本が失われた10年で経験した「過剰流動性のワナ」と変わらないと思う。

大統領選を控えてFRBの選択は極めて限られるだろう。このような状況で量的緩和第3弾(QE3)を発動する可能性は徐々に高まりつつある、というのが今回見直しにおける私の占いの目玉だ。共和党の反対など政治的な動きもあるが世の中がそういう方向に動くと私は読む。ツイスト・オペが発表された頃まで私はありえないと考えていたが状況は変わった。

お楽しみ

イチローや松井の不調は2,3年前から予想してきたが、残念ながら今年ついに現実になった。イチローがシーズン200本安打を達成できなかった原因については種々の評価がある。強い打球が打てなくなったとか、動体視力の低下を指摘する声もあるが私はイマイチ納得できない。

他の選手に比べ毎年圧倒的に多い内野安打が、イチローが200本安打を続けてきた最大の要因だが、今年は半減した。もし昨年と同じ数の内野安打を打てば200本安打は優に達成できた。といっても、決して走力が落ちたわけではない、今年もリーグ3位の40盗塁を走った。

それでは内野安打が減った理由は何だろうか。その中で、先日米国で取材を続ける日本人記者の下記の解説が最も的を射ている。記者はレンジャーズの声「今年は何故かイチローの内野ゴロが正面に来た」と指摘する。理由は明確ではないが、言われてみれば私もそういう印象はある。それじゃ理由になっていないが。

多分イチローだけが理由を知っている。松井の不振は明らかに年齢による衰えだが、シーズン前半の使われ方を理由に上げる声もある。彼らがあと何年メジャーでやれるかが、来年からの見方に変わりそうだ。二人に限らず日本人プレーヤーが世界で指導者としてやれるかも注目したい。

勿論、新しい日本人選手が現れて世界最高のリーグで活躍して欲しい。メジャーを目指した日本人選手は世代交代の時期に来た。年齢的に多くは望めない選手が増える一方、比較的若かった松坂は故障で挫折し、もっと若い世代の西岡の1年目の挑戦は躓いた。彼らが来年活躍できるか全く分からない。他のスポーツも含め新たな日本人選手の世界挑戦を期待したい。単にスポーツと言うなかれ、ビジネスから文化までなど多く分野の世界進出の強力な応援になるのだ。

最後に

日本の政局については余り触れたくない。予想は悲観的だ。マスコミと世論の支えで、ひたすら本家本元の日本化の道を磨き芸術的なレベルに高めるだろう。野党及び与党内野党の人達が徹底して全体最適化を阻む決意だし、地域や既得権益のエゴは被害者理論で武装されマスコミの支持を得て全体最適化を許さないだろう。それでも私は民主主義を支持するが、そのコストは高い。■

コメント
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