最短・大回りルートを行く
日曜日に地元のバドミントン大会に参加した。最初のゲームをフルセットで落として調子が狂い、次のゲームもあっさり負けた。もう予選トーナメントを勝ち抜けることは明らかなので、前日から帰郷している家内に旅行に出掛ける準備を早めて欲しいと電話した。まだ1時半だった。
最後のゲームにやっと勝って予選を終えると、挨拶もそこそこに実家に戻ると既に家内も到着して荷物を用意して待っていた。シャワーを浴び洗濯を済ませ、予め準備していた旅行支度に早替りして車に飛び乗った。大急ぎで路地裏の近道を走り高速に乗ったのは3時頃だった。
バドミントンの試合で時間の余裕が無くなると予想したので、事前にネットで最短コースを調べていた。大洲から高知に行くには高速道路を利用して松山・新居浜・四国中央経由で行くのが最短で3時間という。四国を半周するような大回りルートで180km余りの距離だが、高速道路の威力を利用して遅い出発を取り戻すことにした。休日半額割引も利用できた。
3連休中の中日にしては意外に交通量が少なく、松山以降は2車線で突っ走ると5時過ぎには高知に着いた。2時間余りのドライブだった。チョット飛ばしすぎたかも。バドミントンで勝ち進んだ場合最悪8時着を覚悟していたので、明るいうちに目的地についてホッとした。車を出ると南国高知の空気は少し肌寒さを感じた。47年ぶりの高知だ。
期待通りの鰹のたたき
宿泊したのは高知市の南側にあるホテル日航旭ローヤルというひときわ高いビルで、窓から遠く太平洋まで見渡せる夜景は素晴らしい。楽天の会員割引を利用して予約を入れ、2人で素泊まり14400円だから良い買い物と自賛したが、家内は部屋が狭くビジネスホテルと変わらないとバッサリ。まあ、そう言われればそんなところだったが。でも夜景は悪くなかった。
今度の高知旅行の目的は、本場の鰹のたたきと四万十の天然うなぎを食べること。学生時代に友人と四国一周旅行した時はまだ子供だった。中村市(当時)の天然うなぎは知らなかったし、お世話になった先生のお宅で出された鰹のたたきを生魚は食わないと焼いて頂いた。この機会にこの二つをクリアしなければ高知に行ったことにはならない、という積りだった。
コンシェルジュに候補のお店を紹介してもらい、ハリマヤ橋から繁華街のアーケード街・日曜市通りを歩いた。県庁所在地としては小さな町で意外に人通りは少なかった。昨年の龍馬ブームと比べると客足は減っているらしい。紹介された候補の3軒目のたたき亭というお店に入った。居酒屋風の造りだったが、家内は歩き疲れもうどこでも良いという感じだった。
カウンター席が賑やかそうで座りたかったが、私達は入り口近くのテーブル席に案内された。飲み物をオーダーした後、家内はスタンダードの鰹のたたきを頼んだ。私は食べたことの無いうつぼのたたきの写真を見て食べてみたくなった。身は堅くない、味はふぐに近い、と店員に聞いてオーダーした。鰹は一切れ彼女の皿から摘まみ頂いた。本場の味と期待した通り美味しかった。
うつぼの刺身は初めてで悪くなかったが、全国区とはいえない味と納得した。甲殻類に目の無い家内はメニューの土佐蟹という名前に惹かれた様子だが、時価が5千円と聞いて諦めた。今思い直すと食べさせてやればよかったと後悔している。代わりに土佐巻を食べたが、とても美味しかった。地酒も美味しく頂いたが、疲れた時のお酒が前立腺肥大症の引金を引いたかもしれない。
食事が終ると高知の夜は何もすることが無い。8時前後だったと思うが、ホテルに向かいハリマヤ橋を過ぎた頃から人通りが全く無くなって暗い道を戻った。それでも特別危険という雰囲気を感じさせない街並みだった。ホテルに戻ってからは疲れとアルコールで余り記憶してない、なのに熟睡できなかった記憶がある。翌日は四万十・宇和島経由で実家に戻る予定だった。(続く)